人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

学生はケンタウロスを目指すべき

親世代とは違う社会が待っている 

学生時代の職業観は脆弱です

職業の種類に対する授業などないし経験もないのでイメージで目指すしかありません

情報量がどんどん頭にインプットされ始めると「ケーキ屋さんになりたい」が「キャビンアテンダントになりたい」「やはりプログラマーがいい」など変化していきます

情報量で志が変化するのは当然です

学生の皆さんが社会に出て働く社会は皆さんの親世代とは大きく違います

皆さんの親世代は変化から逃げきってリタイアが可能ですが、現在学生の皆さんは新しい変化の中で生きなければなりません

「諸外国はどんどん給与が伸びているのに日本だけ下がり続けている」と耳にしたことがあるかもしれませんが、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に移り変わっていくので所得面は改善されていくと思います

皆さんの親世代は「終身雇用」の中で社会に出ましたので「終身雇用は終わった」と言われると恐怖や不安や失望感をおぼえます

「もう終身雇用は難しい」と大企業の経営者は口を揃えて言いますが、日本の従業員は労働法でガッチリ守られており社員の解雇ができません

諸外国のように「もういらない」と簡単に解雇ができない仕組みです

故に日本のサラリーマンの平均学習時間は1日6分と諸外国から見るとビックリするような勉強しない社会人だらけです

これではいざ転職しろと言われてもしり込みします

鍛錬していなかった武道家がいきなり実戦を迎えるようなものです

これからは武道で言えばいつ誰と戦わなければならないかわからないから鍛錬だけはしっかりしておけ!」という時代になります

 
 

食える生き方を知っておく 

仕事における未来予測はたくさんの情報があふれているのでしっかり情報収集してください

「日本にはこんなに優れたキャリアを考えられる人がいるんだ!」と感心しています

皆さんの親世代から見ると「これからの子供たちの生きる世界は本当に大変だ」と思えるかもしれません

終身雇用で会社に入り、年功序列で給与は上がっていき、定年退職の時には退職金が出て、リタイヤ後はこの世を去るまで年金で暮らせる・・・とこれでは社会主義で競争の原理で発展する資本主義ではありません

皆さんは高校受験位から「競争の優劣で振り分けられる」とわかり始めます

「高校は行きたいところではなかった」

「大学も志望したところに行けなかった」

と言う方も多いと思いますが、ジョブ型雇用の社会なら何度もチャレンジができます

学び直せばステップアップが可能になります

「諸外国は給与が増え続けていいな~」と言いますが、米国では常に自分をバージョンアップして平均11回キャリアアップの転職をし給料を伸ばしています

現在日本の大学生も「給与がいいから」と外資系企業に就職する人が増えています

すぐに年収2000万円台に登り詰めるようです

これからは「年収2000万円の人」「年収200万円の人」と格差が広がりそうです

ただ平均で見ると「諸外国と並んだ!」となりそうです

今回は渡邉正裕さんの「10年後に食える仕事 食えない仕事―AI、ロボット化で変わる職のカタチ」を参考にしていきたいと思います

上の図のように仕事を分けます 

横軸が「人間が強い分野」「機械が強い分野」です

機械が強い分野は先細りしていきます

縦軸が「知識集約的な仕事」「技能集約的な仕事」です

上がパソコンでやるような仕事、下が身体を動かす仕事となります

この辺は好みの違いがあると思いますが、その中で先細りになる仕事と人でなければできない仕事に分けられていきます

下の左側「機械が強い&技能集約的仕事」のレジ業務や路線バスの運転手、倉庫や工場での作業などは機械に代替えされロボティクス失業すると言われています

上の左側「機械が強い&知識集約的仕事」の経理や会計業務などAIやテクノロジーが得意な分野での仕事はAI・ブロックチェーン失業する可能性があります

下の右側の「人間が強い&技能集約的仕事」は手先ジョブ職人プレミアムに分けられます

手先ジョブは人間がやるがロボットでもいい仕事です

職人プレミアムは「その人でないとできない仕事」です

「誰がやっても結果が同じ仕事」「やる人により結果がまるで違う仕事」の違いです

手先ジョブには人が集中するので供給過多になり給与は上がりにくいです

 
 

デジタルケンタウロスを目指せ 

渡邉正裕さんは右上段のデジタルケンタウロスが最強であると説いています

ケンタウロスギリシャ神話に出てくる半分人間で半分馬の架空の生き物です

デジタルもアナログも使いこなすタイプの人間を目指すべきと言います

知識集約的な仕事のなかで、人間ならではの強みが必須となるものです

AIがどんなに進化しても、そのAIを使いこなし、既存レベルの仕事を楽にしていく

人間とAIとの相乗効果によって労働生産性が上がっていくことができる仕事です

AIと人間のコラボレーションを可能にする人材です

大学のキャリアセンターの方々と話していても「アフターコロナの労働市場は大きく変わりそうで、もはや私達の経験で指導していいのかな?と考えるようになった」と言われ、私も同感です

終身雇用時代はその時の考え方と生き方があり、これから社会に出る学生は新しい時代のキャリア形成の情報をしっかり集めていくことが重要になってくると思います

新しい日本はこれからの世代が創るものであり、日本は何度もスクラップ&ビルドを繰り返すべきだと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました