人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

最も重要な投資は教育投資

自己投資の重要性

前回の「教育とは何か」の続きになります

日本人は労働と聞かれると

「勤勉に協調性をもって務めること」

「お金を得るために働かなきゃならない」

「学校出たら次は就職」

という感覚で労働を捉えていますが、米国では労働投資』=労働市場に自分という資本を投入して給料というお金を得るという考え方です

だから自分という資本の価値を上げる為の学歴・資格取得・学びになります

お金に余裕ができると

金融市場にお金という資本を投入し、お金にお金を稼がせる株式投資

不動産市場にお金という資本を投入し、土地にお金を稼がせる不動産投資

を行います

この2つの投資は現実的に、労働投資より大きく稼げます

ネット(YouTubeなど)を活かしたり、本を出しての印税や特許などの権利投資は知恵のある人は活発に行います

 日本人はまだまだ投資に熱が低いです

貯金の金利が無の状態になっても銀行貯金がメインです

欧米は「貯金は無駄!お金を増やすなら投資」という思考です

日本人の貯金をS&P500や全世界株式などに投入すれば、かなり日本人の資産は増えると思うのですが、安全資産の貯金が主流です

ただすべての出発点は労働投資からになり、自分に投資して稼げる資本にしていきます

この辺を知っている・実行しているで『貧乏父さん金持ち父さん』にあるように、もつ者と持たざる者の格差が広がっていきます

知っている・知らないの知識格差は非常に怖いものがあります

教育に投資する 

大学時代の経済学で富は知のないところから知のある方に流れていくと教わりました

当時は言葉をおぼえただけで、どう実践するかは全くピンときませんでした

アダムスミスが国富論社会の仕組みは金持ちが有利になる仕組みで創られていると言ったのを教わっても、やはりピンときません

「教育なんて大して重要じゃない!」と思ってしまいますが、長い年月社会の荒波にもまれているうちに「こういうことか!」とわかるようになります

頭脳明晰な人は聞いた学生のうちに理解できるのでしょうが、私のような凡人は理解するまでに時間がかかります

教育をただ受ければいいというものではありません

前回話した

子供に魚を与えれば一日食べていける

子供に魚の釣り方を教えれば一生食べていける

も、もっと教育すれば

たくさん魚を捕れれば売ってビジネスができる

さらに資本投入して大きな船を手に入れればビックビジネスができる

なります

この知識の差が教育格差だと思います

知識弱者と情報弱者にはしたくない 

「○○のスキルを身につけて将来は■■になりたい」と進学する人と

「まだ就職するのもやだし、とりあえず進学するか」と進学した人とでは、卒業時点でのレベルが違ってきます

親からすれば前者の方が教育投資した甲斐があります

やはり教育投資するなら志の高さは重要です

世の中、知っているか知らないかで大きく差がつくことが多いです

知識強者と知識弱者』『情報強者と情報弱者では、年代を重ねるごとに格差ができてきます

学生時代の勉強はイマイチでも、働きだすと知識欲が旺盛になるタイプの人もいます

このタイプの人は、自分で自分に投資して自分という資本の価値を上げていきます

日本人は世界でも希少な気質があり「お金儲けは汚いこと」という謎の意識がありますが、世界での人のランクの基準は稼げる人か否かが圧倒的に多いです

稼げる額に稼ぎ方が正しいか否かで人の価値が変わってきます

学習投資したことがストレートに収入に直結するとは限りませんが、全体的に見れば学習投資した方が稼いでいます

また、マネーリテラシーは学校では教えてくれませんので親の領域になります

ここの知識の差は、親の金融知識の差につながりそうです

「一代で多くの財を作った」という人もおりますが、背景には親の教え(反面教師含む)があります

私から見ても「そんな小さな子供に、そんなに教育投資するの?」と思うこともありますが、やはり親の教育への熱量・企業の人材育成への熱量は時間がかかっても、後で大きな富の格差となっていくようです

 

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教育とはなにか?

間違った認識の企業もまれにある

子供や部下などの目下に対する教育を考えてみたいと思います

老子の言葉に

天は万物を生みてこれを所有せず

万物を育ててこれを支配せず

現実を現実としてあるがままに受け入れ

物事がそれが進みたいように自然に前に流れさせてやりなさい

とあります

自然界の法則でいえば、子供を産んだ親とはいえ「子は所有物ではない」

懸命に育てるのだが「子を支配しようとしてはいけない」

と説いています

昭和の企業にわりと多かった教育が

強育・・・とにかく強く育てるという教育です

結果を出すまであきらめない強さ、踏まれても立ち上がる強さなど「しぶとく前進すれば何とかなった時代」といえそうです

狭育・・・広い視野を持たせず、企業の都合の良い思考の人間に教育することです

社会主義の国家のように不満分子や、組織に都合の悪い考え方は正しかろうが悪として排除したがります

狂育・・・ビックモーターが問題となりましたが、利益を出すために明らかに非常識な方法を社員に強要する教育で、利益の為なら手段を択ばずという思考です

昭和入社が管理職などからいなくなり、令和の企業教育ではさすがになくなりましたが『その時代環境にあった教育』というものがあります

ただ、どの時代にも変わらない教育の考え方があると思いますので、それを考えてみたいと思います

何を教えるべきか 

子供に「なんで勉強するの?」「なんでいい学校へ行かなきゃならないの?」と聞かれ、ベストアンサーができなかった親は多いと思います

でも多くの親は教育を重視しています

また老子の言葉ですが

魚を与えれば一日食べていける

魚の釣り方を教えれば一生食べていける

ようは魚の釣い方り方という技術を教えることが教育ということになります

子供の最終的な教育の目的は一人で自立して生きていけることなのです

新入社員研修でも大きく分けて知識・やり方・考え方を教え、人の助けがなく一人で仕事ができるようになる=一人前になることが目標です

いつまでも親や先輩社員が面倒をみてるわけにはいかず、自立して生きるのはどの動物でも同じです

『人』という字は、大地に両足でしっかり立っているという姿を現しています

独り立ちできるようにすることが教育の基本のようです

日本流プロの育て方「守破離

守破離(しゅはり)とは、茶道や華道や武道などの『道』のつく技の世界における人財育成プロセスです

まずは先人の教えや師匠の教えを忠実に守る

次に習得できたらその型を破る

最終的には独自に発展させ、型から離れた己のスタイルを確立する

という『その道を究める』教えです

イチロー選手がよく基本・基礎と言いますが、これができていないと技が未熟のままになります

基本・基礎ができたら師匠は自分で考えさせるという、少し突き放した教育スタイルをとります

そして自分独自の技を創り上げる

常に初心を忘れず基本に忠実でいることが重要とし、独創性を創っていく教育プログラムです

守破離はビジネスの場にも活用できる、日本の教育のカタチだと思います

最終的には師から自立し、我が道を行くプロを育てることが企業の教育なのだと思います

 

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コミュニケーション弱者でも問題ない

コミュニケーション強者が有利な時代が続いたが

どれだけ頭に詰め込んだかが評価された学生時代が終わり、社会に出ると「コミュニケーション能力が大事」と言われるようになります

私も社会に出るときに今までは入れる頭が評価されたが、これからは出す頭が重要になってくると言われました

「社会に出たら稼げるのは知識ではなく、伝達力・表現力・会話能力・情報収集力」いわゆる出す頭です

まだ真っ新な状態の学生が「社会に出て必要な能力は何ですか?」と聞くと「コミュニケーション能力」とアドバイスされることが多かったと思います

まず第一にコミュニケーション能力が高い人間は情報強者でした

会話量=情報量の時代でしたから、コミニュケーション量の多い人は様々な情報を得ていたといえます

ただ、現在は情報民主主義の時代というくらい、早く便利に大量の情報が誰でも得られるようになりました

また、コミュニケーション能力が高い人間は「人とつながる能力に優れている」とも言われましたが、これは腐れ縁や足かせになる関係もつくりやすいです

徐々にコミニュケーション弱者でも問題のない時代になりつつあります

悩みのすべては人間関係 

書店などのビジネス書のコーナーには、コミュニケーション能力が大事だとか磨かれるという本がずらっと並びます

コミニュケーション弱者からすると「やっぱり世の中コミュニケーション能力が大事なんだ」と悩んでしまいます

心理学者のアドラー人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである と述べているように、ほぼ全ての人が人間関係で悩んだ経験があるはずなので「コミュニケーション能力が高ければ悩みも減るのでは?」と考えてしまいます

「出世するには、成果だけではなく社内でのコミュニケーションも必要」 などと言われれば「俺は出世は出来ないのでは?」などとも悩みます

いまの世の中にあるコミュニケーション関係のコンテンツの多くはコミュニケーション強者だからできる内容ばかりが発信されています 

とはいえ「猫は訓練しても警察犬にはならない」の通り、コミニュケーションが苦手な人はずっと苦手な場合が多いです

ただ、これからの時代はコミュニケーション能力が無ければ無いで十分やっていけると思います

メラビアンの法則 

新しいマシンや AIがどんどん人の仕事の中に入ってくると、求められる能力が変わってきます

パソコン業務が広がっただけで、仕事は大きく変わりました

営業企画部という部署にいたことがありますが、ずっとパソコン業務の日が多く、隣の人が何をしているかさえも知りません

「今日一日誰とも喋ってない!」という日もあるくらいです

今の世の中、コミュニケーション強者でなければ務まらない仕事の方が少ない気がします

コミュニケーション弱者でもできるコミュニケーションをメラビアンの法則で考えてみます

メラビアンの法則とは受け手に及ぼす情報の影響の割合ですが

言語情報: 7% 話している内容

聴覚情報:38%  声のトーンや話す速度

視覚情報55%  顔や表情など 

人は言葉より顔の表情や動きで理解しているということです

楽しそうに話せば楽しい内容と理解して

誠実ように話せば誠実な内容の話と理解しがちです

コミュニケーション弱者は自分なりのイメージを作ることが大事です

言葉を上手く伝えようとするのが苦手でも、誠実そう、一生懸命さなどの自分はどんな印象を与えているか?」を意識して伝えることに注力すべきだと思います

言葉の与える影響はたったの7%です

陰キャラでも自分の印象を作ることは大事だと思います

 

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リタイア後の自由が苦痛

趣味がないのは懸命に働いてきた証

寿命が延びたことによる働き方の変化について2回にわたり書き綴ってきましたが、今回はリタイアした後の問題を考えてみたいと思います

定年延長をしている社員は『お金の為』という人が7~8割だと思いますが、中には「家に引きこもってもやることがない」「人間関係を継続したい」などの孤独が苦痛という理由の人も多いです

長年勤めてきた会社生活から引退するとなると、誰でも感傷的な気分になりがちで、通う場がなくなることに戸惑いを感じる人も少なくないと思います

反面、毎日職場に通わなければならなかったこれまでの人生では「いつか自由な身になりたい」と思うこともあったと思います

自由を求めてきた半面自由になってもやることがないという人も多いと思います

私の勤めている会社では、残念ながら55歳役職定年導入は見送られ、60歳で役職定年で、その後は70歳まで時給制で労働期間の設定は個人で設定してもらいます

健康に問題なければ75歳まで延長ができます

女性は週休三日で15時で勤務は終了という働き方の方が多く「やりたいことがたくさんある!」と自分の時間を満喫していますが、男性の場合は今までと同じ労働時間の人が目につきます

役職を外れ責任がなくなり、住宅ローンも終わり、子供の大学の学費も終わればたいしてお金は必要無くなってくるはずなのに「なぜフル勤務をするのか?」と思ってしまいます

勤勉に、会社に忠実に生きてきた人ほど趣味がありません

いきなりの自由に戸惑う

定年後の生活の問題は、長年組織の縛りの中で生きてきたのに、いきなり自分の好きなように生きれば良いとなるところにあるります

人間というのは勝手なもので、人から強制されると抵抗を示す人も、自由にやるように言われると戸惑うところです

「言われた通りにやればいいんだ」と言われ、モチベーションが下がった状態が長かったサラリーマン人生も「では、自分の思うように自由にやってくれればいい」と言うといきなり自由にしろと言われても困るという気持ちになったりします

会社生活では、給料をもらう代わりにいろいろ我慢してきましたが、いざ自由にしていいとなると、自分の思うままに自由に暮らす方法をいつの間にか忘れてしまっているようです

特に自分自身の欲求や気持ちを疎外して、組織の原理に則って行動するサラリーマン生活に長年適応してきた人は、自分自身の欲求や気持ちがつかめなくなっていると聞きます

そのようなタイプがいきなり自由な身になると

「自分が何をしたいのか、どんなふうに暮らしたいのかが分からない」

「どうしたら自分が満足する生活になるのか分からない」

というようなことになってしまう ようです

人口減でも世帯数は増 

私の元上司も「定年後は大好きな山登り三昧の生活を送る!」と張り切っていましたが、山に登り過ぎたことにより「定年した!山に登るぞ!」という時には花粉症になって登れなくなりました

そのような不幸の人もいますが、趣味のある人には60歳からは天国です

「自由になって困ってる」の次に孤独に不安という人もいます

人口が減り続けている日本ですが、世帯数は年々増加しています

もう昭和のサザエさんのような家庭はなく、子供は自立すると離れていく時代です

いわゆる『おひとり様』が増え続けているということです

孤独死が増えている」と問題視されてますが、孤独が嫌いな人もいますがIQが上がるほど孤独を好むと言われてますので「一人時間は重要」という人の方が多いように見えます

「困った時だけ子供に助けてもらい、それ以外は各々自由な時間を生きる」というスタイルがスタンダードになってきています

築50年以上のアパートを老人専用に貸し出している私の友人は「生存確認ができるシステムがここにきてたくさんできてきた」といいます

「一人暮らしで悲惨な老人」というのは勝手な見方になりつつあります

昭和の人生モデルは寿命が四半世紀分伸びる令和にはあてはまらず、学習期労働期前半・労働期中盤・労働期後半リタイア期になってきており、それぞれを考えることが大切なようです

 

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令和は定年がなくなる時代

昭和のキャリアモデルは寿命が70歳としてつくられている

前回の『寿命の延びとキャリアモデルの変化』の続きになります 

平均寿命が70歳で、ひとつの企業で55歳まで働き続け、定年後は悠々自適な年金暮らしという昭和のキャリアモデルは令和には当てはまりません

寿命が延びたからです

20年延びたとすれば、キャリアモデルも大きく変わってきます

X世代の「昭和の終身雇用と老後に年金暮らしのキャリアプランは変えたくない」というのもわかりますが、変化の早い現代は企業の活躍できる期間は短くなってきています

日本は長く続く企業が多いですが、それでも企業の寿命は短くなっていくと思います

企業に「20年寿命が延びたから定年も20年伸ばせ!」というのも無理があります

Z世代は60・20社会=労働期間60年・企業の寿命20年』の社会を生きると言われてます

「ずっと同じ企業にぶら下がる」はかなり難しくなっていくと思います

「だから老後は自助努力で生きるんだ!」というのも少し突き放し過ぎだと思います

バブル崩壊後から『自己責任』という言葉を多く聞くようになりましたが、地味に乱暴な言葉だと思います

定年の消滅 

年金受給年齢がどんどん引き上げられそうだ」

という声が年々多くなってきていますが『学習期20年⇒労働期35年⇒晩年期15年』の昭和の人生スケジュールでは令和は動かせません

この中で伸びていくのは労働期で、X世代で50年、Z世代は60年以上になります

新卒で採用した新人を60年間面倒をみるのは企業としてはかなりの無理が生じます

人手不足だと騒がれていますが、大企業はかなりの余剰人員を抱えています

余剰人員の削減の為に、高額の金額を退職金に上乗せして『早期退職キャンペーン』ができる企業はいいのですが、テクニカルスキルが古くなった余剰人員を大量に抱えている大企業は多いです

そのような場合は人手不足の中小企業へ人材の移動をもっと活発化すれば、労働市場が円滑に回ります

テクニカルスキルは劣化していても、それは大企業でのレベルであって中小では喜ばれる場合もあります

またテクニカルスキルがだめでも、ヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルが素晴らしい中高年は多いです

若い世代は企業はスキルを身につける場所で、いつまでもぶら下がる場所ではないという考え方ですから、転職は活発です

終身雇用も定年も消滅し、大転職時代になっていきそうです

シニア時代の働き方は超多様化 

寿命と同時に働くうえで大切なのが健康寿命です

寿命と健康寿命は10年前後違いますから、年金支給は15年間というのは妥当な設定だと思います

これからの長寿社会で最も大切なのは健康の知識といえそうです

健康寿命を延ばす努力が必要になってくるので、知識のインプットと何らかの運動習慣は重要です

もう一つ大切なのが役職定年で、新卒定期採用を行っている企業では役職定年を設定しないと、毎年入社してくるプロパー社員に役職が廻らず士気の低下になります

大量に新卒採用をしている大企業では当たり前になってきますが、万年人手不足の中小企業では実施する必要がない企業の方が多いようです

新卒が毎年どんどん入社してくる企業は50代の役職定年が重要で、質の良い新卒の採用が難しい企業では50代はまだまだ活躍してくれなければ困る存在です

この辺からも「大企業がいいに決まっている」という発想は劣化しているといえます

変化する雇用について人事でもずっと話されてきましたが、個人的には課長昇進は30代・部長昇進40代・役職定年55歳が妥当で、60歳からは時給制で70歳まで雇用が現段階では妥当だと思います

役職定年を設定しないと、いつまでも年寄りが牛耳るシルバーキングダムになってしまいます

「役職定年は死刑宣告」などと極端に嫌い、退職に直結する人もいます

そうまでいかなくても面白くはないと思いますので、役職定年を期に三段ロケットめに切り替えることも重要になってきます

50代でも企業に強烈にしがみつこうとする人は『住宅ローンがまだある』『子供がまだ大学生』などの、お金がかなり必要な場合が多いです

人生の時間も少なくなってきますので、いつまでも人に雇われてフル勤務するのではなく、もっと楽しい仕事や自分の時間の充実を増やす方向にシフトした方がいいと思います

新卒で入社する企業が1段目のロケット

スキルを身につけステップアップ転職が2段目のロケット

引退までのお金の確保が3段目のロケット

ということになりそうです

そうしないと寿命の伸びた人生の成層圏までたどり着きません

この3段目のロケットはかなり多様化しそうです

修業の1段目のロケット

活躍の2段目のロケット

自分らしく生きる3段目のロケット

と言えそうです

 精神科医の和田 秀樹 さんは

「50歳を過ぎたら、自分の好きなことをやったほうがいい!」

「60歳を過ぎたら、もっとやりたいことをやればいい!」

「70歳を過ぎたら、楽しい日々を謳歌しましょう!」

「80歳を過ぎたら、残存能力を最大限に活用しながらさらにやりたいことを続けましょう!」

「90歳を過ぎて、たとえ認知症になっても、やりたいことをやればいい

お金と体力があるのなら「老いては子に従え」と思う必要はありません!もっと自分らしく自由に生きてもいい

高齢になったら、意欲的に物事を考えて積極的に行動することを強く勧めています 

「40歳でFIREして好きなことをしながら生きる」

「75歳まで企業にお世話になって生きる」

「役職定年後は好きな○○を仕事にする」

スタートは小学校入学で同じでも、人生の着地は人それぞれ大きく違ってくると思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 
 

寿命の延びとキャリアモデル

いつの時代も未来は暗い

セロトニンが多い南米やアフリカの人は楽観的ですが、少ない東アジアの人は不安症になります

東アジアの中でも日本人は特に少なく0%近くの人が不安を抱えやすいハートをしています

これは非常に損な性格に感じますが

・日本の製品は壊れない

・サービスが丁寧

交通機関の運行が段違いに正確

・貯蓄率が高い

・社会ルールを守る

などのメリットもあり、コロナの時も最後までマスクを取らない国が日本でした

少子高齢化で日本は縮み続ける」

労働人口がどんどん減っていく」

「年金が不安だ」

などなど、とにかく将来に対して不安がりますが、いつの時代も日本人は将来に対して明るく見ていません

変化の時も不安

変化しないのも不安

これはある意味未来に対しての防衛思考が働きやすいというメリットに感じます

「日本人は失職に弱い」と言われますが、故に昭和の終身雇用制度はありがたかったし、終身雇用は維持できなくなっても労働法により従業員は簡単に解雇できません

欧米のように活躍していても、いとも簡単に解雇される文化もいかがなものかと思いますが、日本も昭和のキャリアモデルは劣化し、令和のキャリアモデルがつくられつつあります

令和のキャリアモデルを考えるべき 

「人生100年時代」と言われてますが、現実的にはまだなっていません

近い未来でも、男性85歳・女性92歳くらいだと予測されています

100歳を越えるのは今の中高生くらいからのようです

年金はざっくり考えて平均寿命-15年で計算されるようなので、男性は70歳・女性は75歳くらいまで働くようになりそうです

 

昭和の末期でも男性の平均寿命は73歳なので『定年55歳』は妥当でしたが、令和は何らかのカタチで70歳~75歳まで働くことになります

「60歳でリタイアしたい」

「55歳役職定年ならそこで辞めたい」

というのであれば、FIREの準備を若いうちからしなければなりません

60歳で仕事を辞めることも『プチFIRE』と呼ぶようですが、たしかに60歳で辞める人は何らかの準備をしていた人です

もう30代や40代がFIREではなく、60歳前後で仕事を辞められる人も立派なFIREの時代です

女性から「人生のほとんどがおばさんの期間の時代で過ごすことになる」などと言われましたが、この辺の定義も見直す時代だと思います

高齢者の定義や後期高齢者の定義も見直すべきです

ジムに行くとかなりの重量を上げている高齢者もいます

昭和モデルの『学校を出てからは一つの企業で55歳まで働き、定年後は年金暮らしで70歳で人生を終える』ではないのは明らかです

令和の60代と昭和の60代は大きく違い、70歳も昭和とは比べ物にならないほど元気です

サザエさんは25歳で波平さんは54歳は昭和のモデルです

令和の波平さんと同い年は福山雅治さんですから、昭和と令和ではかなり環境が変わったのは明らかです

学校を出たら社会で働くのは変わりませんが、問題は人生の後半の稼ぎ方です

国の方針に無思考で流されると75歳まで働く流れに乗せられると思います

労働人口の減から働き手が欲しい

労働人口の減から税収入減を抑えたい

③高齢者の増から年金支給を遅らせたい

などの目的があると思います

特に2030年代からは年金問題は深刻さを増すので、早めに男性70歳支給・女性75歳支給としたいのですが、なんせ年金問題は燃える」と言われますので、選挙後からの発表になると思います

昭和のキャリアを令和に引きずらない

人類は長きにわたり病気と闘い医療が発展し、飢えと戦い食糧問題を解決してきましたが、今度は長寿社会問題に取り組まねばなりません

この長寿問題がキャリアに大きな影響を与えます

以前『人生は3段ロケットの時代になる』と書いたことがありますが、寿命という成層圏がどんどん高くなっていくので、キャリアも当然大きく変化を求められるようになります

企業に雇用延長ばかり要求しても無理があります

年金支給年齢を遅らせるにも不満があり、昭和キャリアモデルで人生を考えていた人たちは「まだ働くの?」と不満が吹き出しそうです

60歳支給の場合は70%になってしまいますが、年金支給年齢は個人が選べるのがベストです

日本の年金は先進国の中では支給額が少ないですが、支給期間は世界でもダントツに長いという問題を抱えています

定年という日本独自の制度もなくなっていくと思いますので、次回はその辺を書き綴っていきたいと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

リスクとリターン

進化の前にある反対論

とある温泉観光地でのこと「○時○分の新幹線に乗るからタクシーを手配してほしい」とお客さんがホテルのスタッフに依頼しています

「申し訳ございません、現在タクシー不足で配車が非常に困難なんです」と言われ非常に困ってました

私はレンタカーで移動だったので良かったのですが、ホテルスタッフ曰く「コロナがあけてお客様は増えたが、タクシーが激減して困っている」とのこと

ドライバー不足だけでなく、日本は労働力不足が徐々に深刻になってきています

人工のボリュームゾーン団塊ジュニア世代がリタイアする前に、マシンやAIに置き換えないと客はいるが働き手がいないという産業が急増しそうです

「機械に仕事を奪われる」という以上に「人力不足」の方がはるかに速そうです

人手不足を採用責任者だけに任せても仕方なく、定着率の悪さを上長だけに押し付けても仕方なく、社員全員で時代の流れを理解して対策を考える時代になっていくと思います

 

新しいことの導入は必ず問題が発生する

観光地だけでなくタクシードライバー不足が深刻な地域は多いと思います

タクシードライバーの定年を80歳にする」としましたが、到底補えるとは思いません

問題の白タクも始めようとしていますが、自動運転車は当たり前になってきます

日本はすぐに既得権益のあるタクシー連盟のような団体が猛反発してきますが、どこの社会も進化と自然淘汰は起こります

「白タクにしたら問題が起きる」「自動運転にしたら今までにない事故が起きる」

と言われますが、当然新たな問題が起こります

リスクとリターンは進化するうえでのセットです

「自動車は人の命を奪う危険がある」

「電話があるとオレオレ詐欺に引っ掛かる」

スマホがあると子供たちが変なサイトに引っ掛かる」

「飛行機なんか事故すると大量に死者が出る危険な乗り物だ」

という事実はありますが、だからといってこれらがなくなることはありません

事故・事件というリスク以上に、便利というリターンがあるからです

社会の進化はリスクを乗り越え、リターンを追い求めることにあると思います

問題解決の為に何かに取り組むと、必ず反対者が出て、必ず不具合が生じます

不具合が起これば「それみたことか!」と反対派はさらに炎上します

ただこの逆風をコツコツした改良改革で乗り越えてくれる人たちのお陰で、社会はより快適により便利に進化していきます

「どこ・なぜ」思考の人よりどこ・なぜ・どう思考の人のお陰で今の社会はあります

 

知性で乗り越えなければならないことは多い

OpenAIでは汎用人工知能中央値の人間と同じだと話しています

汎用人工知能は「人間にとって同僚として雇うことのできる中央値の人間と同じだ」と語っています

「どうやったらAIは医者になれるか、どうすれば非常に有能なプログラマーになれるか」を常に考えている人たちです

AIは平均的な人間の知能を超える

AIは大概の仕事は出来るようになる

ように必ずなります

 マッキンゼーの報告書でも、10年後までに生成AIが「人間のパフォーマンスの中央値」並みになると予測しています

 私達は議論が知能といったものに及ぶと人はより神経質になります

知能を数値化しようとすること自体は問題でないものの、科学的人種差別によって新たな差別が生まれそうです

AIは頼りになる仕事のパートナーなのか?」

AIは仕事を奪う存在なのか?」

この両方だと思いますが、新しい技術が導入される時は必ず議論が巻き起こります

「絶対危険!反対!」

「取り入れて改善を続けていけばよい」

「考えるのがめんどくさいから流れに任せる」

3派にわかれます

答えのある問題をより早くい正確に出せるのが知能

答えのない問題を考える力が知性

であるならば、人は常に知性を磨き続けなければならないですね

議論することは大切で、考えることが面倒派以外の反対派・チャレンジ派の両派で議論していくとその先にAIでは出せない人の知性から導き出された答えがあると思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

学歴フィルターは存在する

学歴フィルターは都市伝説ではない

「当社は人物本位で採用をしておりますので、学校名にはこだわっておりません」

と大概の企業は述べると思います

企業は人という細胞で出来ているので、利のある人を採用するのが企業にとってもメリットがあります

「人物本位なんだから会ってみないとわかりませんよ!学歴フィルターなんかあったら会えない人も多く、企業にとっても損失が大きい」などともっともらしいことを言っている企業は多いです

では学歴フィルターは存在しないかというとそんなことはありません

学歴フィルターは存在します

企業は明確にターゲットがあります

客層は「学生でも変えるような価格帯」を狙う企業もあれば「富裕層をターゲットに絞る」という企業もあります

採用する学生にも何かしらの『ほしいタイプ』があるはずです

離職者の多さに悩む企業なら『定着率の高いタイプ』

士気が低迷気味なら『元気で明るいタイプ』

年齢が上がり過ぎた組織なら『若者が欲しい』

など人材といってもその求める内容は様々です

物理的に学生をさばききれない企業は多い 

「足りなくなったら人を採用すればいい」 という企業の場合は、そのつど必要なタイプが違うと思いますが、定期採用で多くの新卒を採る場合は学歴フィルターはありえます

採用担当者からすれば「うちは学校名なんて関係ない!人物本位で採用してる」と堂々と言える企業と、建前でのみ言っている企業に分かれます

学歴フィルターを設定する場合は物理的な理由もありますので、企業側の立場に立って考えてみると

・まず採用人数を設定します

・次に採用の流れ・・・いわゆる説明会をどうするとか面接は何回するのかなどです

・そして可能な採用人員・・・面接に時間をさける時間などで、1日3人の面接官が学生40人さばく→20日しか出来なければ600人までしか面接ができないことになります

・従って面接可能人員から逆算して「会社説明会に参加した人の80%が選考希望の場合、会社説明会の目標人数は何人まで」という求人希望者の設定がされます

・選考合格者も100人から90人採る場合と、100人から10人採る場合は合格率が低い方が質のいい人材を採用できますが、だからといって多すぎるのも無理が生じますので適性合格率の設定もされます

・ここから今年度の採用費経理などに出しますが、当然会社の状況によっては変更を余儀なくされる場合もあります

採用人数→選考可能人数→求人者数を逆算して考えると、企業によっては門を開きすぎると大変なことになってしまうことになります

「100人採用だから1500人の学生が来ればいい」と設定したのに5000人来たら大混乱になります

現在はマイナビリクナビなどのサイトを使う学生が多いですが、学校名を選べるようになっており、設定した学校であれば会社説明会の日程などが送られ、設定していない学校だと「会社説明会満席」など表示されます

ここから学生が「A大学の友人には案内が行って、B大学の自分には来なかった!学歴フィルターだ!」と気づき始めます

企業によっては学校ブランドにこだわって線を引く場合もありますが、物理的に無理なので線を引かざるを得ない企業の方が多いと思います

社会は人に線を引く 

田中角栄総理は東京大学卒ばかりの時代に小学校卒で総理大臣になりました

ついたあだ名が「今太閤」で昭和の豊臣秀吉ということです

ただこういう人はまれで、どこの世界にもガラスの壁は存在します

人は平等を美徳とし、差別を悪とします

逆に選ぶ側の人達からすると線を引くということは必要不可欠です

自分も選ぶ側にまわればよくわかると思います

線を引く側にとっては差別でなく区別なのです

誰しも選択をする時に、比較と線引きはします

社会では目に見えない線や壁がたくさん存在しています

「だから妥協して生きろ」とは言いませんが、現実を現実として受け止めそれに対処する柔軟さをもつべきだと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 
 

AIの時代に人の脳の価値はどうなるか

脳の使い方に関心をもつ

わずかの期間の間にAIは「こんなことも出来るようになったの?」という進化を遂げます

人間の頼もしいパートナーであると共に、仕事を奪う存在でもあります

AIに奪われる仕事以上に、新しく生まれる仕事の方が多いので変化に対応する意志さえあれば、仕事は常にあります

生成AIが台頭した現代において、人間はどのような「価値」のある存在を目指すべきなのでしょうか?

先端技術の社会実装支援を行う投資・コンサルティング会社を経営する安川新一郎さんが『脳の仕組みと脳を鍛える方法』について述べており、参考になりました

脳を適切に使うために重要なのは、脳の仕組みを理解し、老化を防いで鍛えることです

そのカギになるのは私たちの「脳の使い方」だと言います

今までは人の手足の代わりだったマシンが、人の脳の働きを代わってしてくれる時代になりますから人と脳の使い方に関心を持つことは極めて重要だと思います

脳は毎年0.5~1%程度縮んでいる

ストレスに立ち向かい困難に前向きに対処するには集中力が必要で、集中力について理解するには、脳の報酬系の仕組みを理解する必要があります

 理解のカギになるのは脳の側坐核から放出されるドーパミンで、ともすればエネルギー消費を避け怠惰になりがちな私たちの意識を、外部環境に向けて行動させるための神経伝達物質です

 ドーパミンが出ると、その瞬間は多幸感で満たされるため「快楽物質」と捉えられていますが、正確には人間に行動を起こす動機を与える期待物質だそうです

デート当日よりもデートを企画しているとき、マイホームを手に入れた後よりも、マイホームについて思いを巡らせているときにドーパミンは分泌されます 

ギャンブルが止められず賭け金が高額になっていくのも、一度得た快楽は脳にとって想定内となって、新たな期待に向けたドーパミンは賭け金を上げていかない限り分泌されなくなるからだそうです

ギャンブル依存症などは思うより恐ろしい病気というのもうなずけます

ドーパミン抽象的思考や論理的思考を担当し脳の司令塔として集中力をコントロールする前頭前皮質にも良い影響を与える効果があります

このドーパミン有酸素運動によって分泌量が増えることが明らかになっており、運動を終えた数分後に分泌量が上がり、数時間その状態が続くとされています 

最初は嫌だったジョギングやジムでの有酸素運動も、やり終えると爽快な気持ちに感じます

その後の仕事も普段より集中して行えた記憶もあるかもしれませんが、それらはドーパミンのおかげのようです

恐らく狩猟採集民族として、獲物を追って走っているときこそ全集中力を発揮して、地理的な状況や獲物の動きを推測し、適切な判断をすることが切実に求められていたからだと安川さんは語っています

脳は毎年0.5~1%程度縮んでおり、 脳の大きさは25歳頃がピークで、脳細胞は毎日10万個ずつ失われていると聞くと「何か対策を打たねば!」と思いますよね

運動をすれば脳細胞を新生させられることが明らかになっており、 アメリカの研究チームによると、心拍数が上がる持久力系の運動を1年行ったグループは海馬のニューロンが新生し、サイズが2%大きくなっていたそうで、やはり脳には運動といえそうです

挫折しやすい運動の習慣 

そもそもスポーツは競技を楽しむのが面白いのであって、競技の為の身体を創るランニングや筋トレはただ辛いだけです

「筋トレは開始から1年以内に94%の人が挫折する」と言われています

大人は言い訳の天才なので、出来ない理由をポンポン出してきます

時間がないという人に「20秒全力で動いて10秒休むを8セットやるHIITなら4分で終わりますよ」といってもこれもまたすぐにやめてしまいます

いいことでも辛いことは継続が困難です

継続だけが力なりとは全くの真理だと思います

筋トレを長く続けている人も「何キロ上げるだとか、何種目やったとかを自慢話にしないでください!何年続けているを自慢話にしてください」と言っていたのもうなずけます

筋トレを継続できない理由は大きく分けて2つあるそうです

1つは行動を起こすエネルギーとなるモチベーションの問題で「周りがやってるから何となく、やってみようかな」といった程度の弱いモチベーションでは、継続のエネルギー源としては足りないようです

勝ちを味わう、新しい技術を獲得するという「ご褒美」に当たるものが筋トレにはほとんどなく、最大のご褒美である、痩せる・引き締まるという体の変化を実感するまでにはかなり時間がかかります

筋トレの一次的効果は、筋持久力の向上・筋肥大・筋力の向上

二次的に、体脂肪の減少・生活習慣病のリスク低減・日常生活の疲労軽減といった、健康上や美容上の有益な効果を得られます

いずれも効果が明確に現れるまでには数カ月は要しますから、小さな変化を実感しながら継続するしかありません

2つめは日常生活と筋トレとのギャップが大きいことで、トレーニング刺激が過度な疲労を招き、筋肉や関節の炎症が蓄積してケガをしやすくなります

過度な刺激は心のストレスともなり、意欲を低下させてしまうことにもなります

最初の1カ月は週3~4回と足しげく通って、さまざまな種目に熱心に取り組むのですが、翌月には週2回、翌々月には週1回となり、半年以内に退会してしまう方が大半のようです

少しずつ時間や回数を増やすことが肝心で、頑張り過ぎず緩やかに取り入れることがポイントです

脳の活性化には運動が外せませんので自分なりの持続可能な運動習慣を作ることが、ミドルやシニアには求められていきそうです

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました