人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

若者へのキャリア支援ー1

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 若者の自立と包括的支援

 平成になってから ニート フリーター ひきこもり など若者の社会的孤立」が問題視されるようになりました

「経済が低迷しているせいだ」

核家族で大人と接する機会が少ないのが問題」

ゆとり教育のせいだ」

いろいろと言われていますが はっきり言えることは

人間としての素材は何も変わらないが 環境は変わった ということです

キャリア関連を仕事としている我々の見解で多いのは

若者の社会的自立の遅れです 

その背景にあるのが

若者の親への依存の長期化

社会への関心の希薄化

対人関係を築く能力不足 です

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総務省統計局「労働調査」

ニート求人倍率が上がるとともに減りつつはある

フリーターは下記の通り
 

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 私は新入社員研修を担当してますが 時代に合わせてテーマがあります

平成初期は自分の未熟さをわからせることでした

平成後期からは自立させることが1年間のメインテーマになります

自立とは 仕事に就いて自分で稼ぐという経済的自立だけではありません

親からの精神的自立

社会に関心を持ち生産的活動に参画する社会的自立 なども含みます

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 人間は変わってない 変わったのは環境

 経営の神様 松下幸之助さんは9歳のとき学校をやめ 大阪の宮田火鉢店に丁稚奉公に出されることになります この時代は社会に出るのが早いのです

加えて子供は労働力でしたから 小さなころより仕事・家事などを手伝わさせます 18歳~22歳で社会に出る今とは大きく環境が違います

そんな松下幸之助さんは 人間を知れと言います

「みんながお互いに 人間とはどういうものかという 人間の本質を知らなければならない 人間というものをはっきり把握しなくてはならない」

社会とは人間同士でできており 互いに助けあい 助けられあってできている

それは羊飼いが羊を飼って暮らしているのと同じように 人間同士が飼い合いをしている 羊飼いがうまく羊を飼うためにはよく羊のことを知らなければならないのと同じように 人間が人間を「飼う」ためにはよく人間を知らなければならないし 場合によってはうまく「飼われる」ためにも人間を知らなければならないと述べています

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とにかく老若男女を問わず「人間を知る」には その育った環境を知らなければなりません

まず赤ん坊の時に最初に耐えるべきが酷暑と極寒だそうです

冷暖房完備で育つ機会が多く この辺に耐えることをせず成長する場合が多いです

「今やめてはダメなのはわかるが耐えられない」などとなりかねません

学校に進学すると一昔前と違い先生が怒れません

子供達もなんとなくこの辺は知っています 「先生は親や教育委員会に弱い」

体罰とは無縁の中で学童期・学生気を送ります

祖父や祖母との同居も少なく 広い世代を知りません

「たまに会うおばーちゃんは優しいし 可愛がってくれる」

近所の大人や親戚の出入りも少ないです これでは真の意味で広く大人と交わる会話能力は育ちにくいです

「昔は良かった」ではないし 昔のカタチには戻れません 社会は「良くしていこう」という意志から進化したものです

次の世界を作るのは 新しい自立した若者たち」です 取り組むべきは「自立困難にしている現在の環境」を改善することです

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 人間は共通点の方が多い

 孤立すると多くの人は「俺は他の人と違うみたいだ・・・」と感じやすいです 疎外感が強くなるとも言えそうです

ヒトノゲムというヒトのもつ全遺伝子情報があります

人間を形成するのに必要な情報ならびに生きていくために必要な情報として遺伝子に書き込まれている情報全体のことです

ヒトの生命の設計図ともいわれています

人間は(成人の場合)約60兆個の細胞で成り立っています その細胞一つ一つの中に核があり 核には46本の染色体が存在し その染色体46本に遺伝情報が記録されている のです

このヒトノゲムは99.9%共通し 0.1%が個別に違うそうです

人間は共通点の方が圧倒的に多い のです

同じ素材なのに環境によって異なってしまったならば

・場所を変える

・付き合う人を変える

・考え方を変える

ことです

「石の上にも3年」は非常に理にかなっている言葉だとは個人的には思っています

それでも「潰れてしまう」のならば 場所を変え 付き合う人を変え そして自分の考え方も見直すべきです

人の価値は苦労した量に比例します 最初は権力も 財力も 能力も 耐久力もありません 当然 苦痛と苦労の日々が多くなります 「これは何にも代えがたい良き経験だ」と思えるのはずっと後のことになります

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました