人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

就職観の変化

就職観はどう変わったか

とある社労士が講義で

「これからは終身雇用は終わりジョブ型雇用になります」

「仕事は出来ては消えていきますので、そのつど学び直して新しい仕事に移っていくことになります」

「寿命も延びるので年金も後ろ倒しになり80歳までは働くことになります」

と説明すると「私の子供たちはかわいそう」と泣き出してしまった母親がいたそうです

泣きださないまでも「これからの若者はかわいそうだ」という声はよく聞きます

人は自分が生きてきた環境で未来を計るので無理もありませんが、これからの世代は変化する環境の中で思考を形成していきます

終身雇用の頃の価値観は安定して長く働けることでした

高度成長期の日本社会はとにかく労働力を必要としていたので「若いうちから囲い込んでしまえ」新卒一括採用がスタンダードになります

とにかく長期に囲い込むために終身雇用制度で「ずっといてくださいね」

年功序列制度で「在籍すれば在籍するほど賃金は伸びますよ」

退職金制度で「最後までいればこんなに多くの老後の資金がでます」

で労働力の囲い込みをしてきました

企業側の都合で生まれたのがこれらの制度で、経済が伸び続けるのが絶対条件です

対して若い世代は企業の安定はさほど重要ではありません

変化が加速していく社会では「企業の寿命は大きく縮む」からです

変わって重視されるのが成長できるかです

昭和入社から見れば「会社は学校じゃないんだよ!」と言いたくなるかもしれませんが、その企業に在籍している間に自分はどのくらいバージョンアップできるのかは非常に重要になってきます

世の就職観は『安定重視』から『自己成長重視』に変わってきています

 

人は環境変化に合わせて生き方を変えていく 

「安定重視」も「成長重視」もどちらが正しいとかではなく、環境変化から発生したものです

「これからの若者はかわいそうだ」と考えてしまうのは終身雇用時代を生きてきた人のものさしで、彼らは新しいものさしで世の中を見ています

夏に生きた人は冬に生きる人を見て「海水浴も出来ず、夏山登山も出来ず可哀そうだ」と感じるかもしれませんが、冬に生きれば冬に生きたで「スキーやスノボーで遊べる」と環境に合わせた遊び方をします

夏と冬ではファッションも食べるものも楽しみ方が違います

終身雇用時代は「嫌な仕事でも与えられた仕事をする」「嫌な人間関係でも我慢する」「だって会社が最後まで面倒みてくれるから」という安定の代わりに我慢を強いられた時代でした

今の学生は口を揃えて「社会貢献活動はどのようなことをしてますか?」「SDGSに対してどのような取り組みをしてますか?」と聞いてきます

世の中の役に立ってない会社になど身を捧げられないという考え方が強いようです

「世の中で必要とされていない会社はいずれ衰退する」が根底にあるのではないでしょうか

そして「自分が好きな仕事」さらにY世代からは「良い人間関係」を重視するようになっていきます

X世代のように大企業重視の考えも希薄なのは「全国転勤などする気がない」からのようです

昭和に就職した人から見れば「終身雇用が崩壊し、ずっと同じ会社にいられないなんて可哀そうだ」となりますが、令和世代は「一つの会社に飼い殺されて、会社を放り出されると他業種で生きていくスキルも身についていないなんて可哀そうだ」と見えます

就職観にいい悪いはなく、環境により考え方も変わるだけなのです

 

IQが上がり続けると社会はどうなる 

文明国であればIQが10年で3づつ上がっていくと言われます

学生時代と違い社会人は経験学習なので社会では経験量が多い方が基本的には優れています

IQが上がり続けると良いことばかりでなく社会問題も発生します

宝くじが売れなくなる

 これは都道府県の公共事業に使われていますので、その資金がなくなることになります

もともと「宝くじは愚者に課せられた税金」などと言われていますので、賢くなり確率学的にあほらしい宝くじを買う人はいなくなってきます

ただギャンブル依存症は別で、賢くてもギャンブルで身を破滅する人はいそうです

宗教が意味をなさなくなる

 IQが高くなるとすがるのは倫理と科学と計算になるので、科学的に根拠のない思考には関心を持たなくなります

ブッタやキリストの教えは、哲学的に良い部分だけ切り取られ、すべてにすがるような行為は希薄になっていきそうです

新興宗教の2世3世信者のように、幼少期から強制しないと世代を重ねるごとに信仰心は薄れていきそうです

寺院や神社などには文化としては強く関心を持ち続けると思います

貯金しなくなる

 貯金金利が良かった頃の癖で日本人はよく貯金しますが、昔のように0.5~0.7なら貯金する価値は十分あるのですが、さすがに0.001では貯金するメリットがありません

日本が預貯金が多いのは昭和生まれが未だに貯金する額が多いからです

貯金が万能だったせいで日本人のマネーリテラシーは低いですが、賢くなりマネーリテラシーが上がってくると貯金しなくなり、投資などの廻すようになりますので銀行はお金が無くなってきます

銀行のモデル自体が崩壊しそうです

犯罪も2重構造になる

 労働者と資本家ではないですが、犯罪も企画し支持する側指示を受けてただ実行する側2極化しそうです

賢い人間が安全な場所からそうでない人間をコントロールするという2重構造です

賢い人間は安全地帯から次々に精度の高い企画をしてくるので、捕まるのは実行側ばかりで、悪の元凶はなかなか捕まらないという犯罪が増えそうです

ネットスキルを駆使した犯罪も高度化しそうです

基本的には世の中はどんどん良くなっていきますが、予想だにしなかった残念な事態も起こりそうです

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました