昭和の就職観は風化していく
ここ10年ほど新入社員と話していると「就職観が年々変化しているな」ということに気づかされます
特に親との就職観の違いです
これから日本を支えるZ世代の親は、その多くがバブル経済崩壊後の日本を支えたX世代です
Z世代が腹に堕ちない親の言葉で
「企業に就職したら定年まで勤めあげなければならない」という終身雇用の概念です
「もしミスマッチで自分と相性の悪い会社に入ってしまったら・・・」
「これだけ変化の激しい世の中で、その会社自体存在の必要が無くなったら・・・」
「その産業自体衰退しはじめたら・・・」
「最後まで縛られるって奴隷的思考じゃないか!」
終身雇用を強く打ち出している企業に対しては
「万年人手不足ではないのか?人が定着しないのではないか?」と勘繰ったりします
人それぞれですが「3回~5回は転職することになりそうだ」ということはよくわかっています
内定を出した学生に「終身雇用ですか?私はごめんこうむります」と言われたことがあります
親が素晴らしいシステムだと思い込んでいる終身雇用制度にさっぱり魅力を感じていません
1度も転職したことのない50代に対しては「この人大丈夫?」といった目で見たりします
成長できるかが最大のポイント
ほぼ8割以上の学生が『いずれ転職はすることになるだろう』と考えているようです
となると『転職時に自分をバージョンアップしておかなければならない』と考えますから、教育制度やどんなスキルが身につくのかは非常に重要なポイントになります
終身雇用時代の『出しゃばらず、余計なことはしない』という姿勢から『チャレンジできるものは何でもチャレンジしていく』というスピリッツが必要になってきます
私は入社案内を創っていますが『キャリアプログラム=どの段階でどのようなスキルが身についているか』と若手・中堅社員をできうる限り多く紹介し『この年代の社員はこんなことを考えている』にページを割いています
昭和の高度成長期は『人手不足による囲い込み雇用』でした
「学校を卒業したらすぐに囲い込む」
「終身雇用で最後まで囲い込む」
「年功序列で長く在籍しないと損な給与体系にし囲い込む」
「多額の退職金を用意し最後まで囲い込む」
これは経済が伸び続けるのが絶対条件ですから、平成のように長期にわたる経済の低迷期には害な雇用システムになります
X世代自身「この雇用システムは自然の法則に反しておりおかしい・・・」と思いつつも摺り込まれた思考は簡単には変わらず、子供には昭和に構築された劣化した雇用システムを強要してしまいます
転職を視野に入れるのは
①ミスマッチが心配
②ステップアップしたい
③終身雇用に対する疑問
④産業の栄枯衰退が頻繁になる
であり、故に『自分が成長できる会社』というのが企業選びのポイントになります
年々増える副業意識
33%の学生が「副業を認めている企業が条件」と希望しているようですが、これはここ数年で伸び続けています
主な理由は『給与以外にも財源を複数持つ』ということのようです
これは極めてこれからの日本で生きる上で大切なことだと思いますが、現在副業を認めている企業は半分にも満たないようです
戦後の不安定期は、自宅の庭を駐車場にしたり、小さな賃貸住宅を建てたり、野菜園にして野菜を無人販売所においたりしていたようです
これも副業の一つと言えます
兼業農家も多かったし、小さな財源は多くの人が持つ工夫をしていました
その小さな収入を当時は金利の高かった貯金に投入して複利効果で財産を創っていたようです
現在もこれと同じで、小さい財源をNISAやiDeCoに廻すようですが、投資の『長期運用・分散・低手数料』で運用すれば、昔の貯金のように老後には大きな資産が創れます
複利は人類最大の発明と言われており、20年・30年・40年・50年で雪だるま式にお金が増えていきます
副業に関しては企業側しだいで反対派も多いです
若者の就職観の変化は学校のキャリアセンター・就職担当は理解しつつありますが、一部の企業と親が理解しきれていない場合があります
先日も「なんのために難関大学出したと思っているんだ!」と就職に対して大反対されたとある学生がぼやいていましたが、就職先も結婚相手も子供自身が決めるものであり、子供たちと同じ目の高さに立つことが大切のように思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました