人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

狡兎死して走狗烹らる

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優秀な人間も不要となる日が来る

私の仕事のパソコンには

狡兎死して走狗烹らる 

と貼ってあります

「なにそれ?」というものの読み方がわからないらしく、誰もググれません

先日来た同じグループ会社の採用教育マネージャーが「わかります、採用責任者としてよくわかります」と言っていました

「狡兎」とは、すばしっこい兎

「走狗」とは、猟犬のこと

「狡兎死して走狗烹らる=こうとししてそうくにらる」とは、中国の戦国武将・韓信が残した言葉です

すばしっこい兎を捕まえる優秀な猟犬はその優秀さから、すべての兎を狩り尽くしてしまい、用無しになり兎の代わりに煮て食われるということです

価値があるときは大事にされ、なくなればその存在は邪魔になる

優秀な軍師は敵国が滅びると、不要なうえに脅威になり殺される意味に用いられました

正確には『史記・越世家』に

飛鳥尽きて良弓蔵められ=鳥がいなくなれば良い弓も捨てられる

狡兎死して走狗烹らる=兎が死ねば猟犬も煮て食われる

と記されています

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ジョブ型雇用の核となる考え方 

支店長で好調な時、先輩支店長に

「このままだと顧客が疲弊して数字が作れなくなるぞ!」

営業は狩猟のように見えて農業だ種をまき⇒育て⇒収穫する」

と指導をしてくれました

私のような三流でも、目上に一流の人がいるからこそ何とか生きてこれたと思います

私は母が具合が悪くなり「中学卒業以来出ていた実家に戻ろう」と決意しました

その際

・もう転勤はせず実家を守る

・営業部長の地位は捨て若い世代に譲る

・自分のキャリアの営業・企画・採用・教育では採用業務で勝負する

と決めて、つては頼らず自力での転職活動でした

自分の下の世代は就職氷河期世代でしたので

・つきたい職位には就けず

・本来つくべき役職には就けず

・扱いが悪く、人間関係も悪い環境で病む

という姿をずっと見てきましたし、日本型雇用の〈終身雇用〉〈年功序列〉は排除すべきとずっと思っていました

就職氷河期世代は前々回も書き綴りましたが団塊の世代(当時50代)の雇用を守るために若者を犠牲にした不幸な世代です

長きにわたり悩まされた日本の雇用システムから生まれた〈ぶら下がりおじさん〉達への反発もあり「ジョブ型雇用」で就職すると決めていました

観光業界に絞ったのも〈人不足&定着率悪い〉からです

観光業はもはや自動車業界・化学に続く第三の柱となっており、成熟産業ではなく成長産業です

ここで「人手不足を解消する採用力」「教育に力を入れ定着率を飛躍的に改善する」に腕を振るおうと考えました

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若者を犠牲にする世界に未来はない 

大手企業でしたが面接のとき

・転勤はしない

・新卒を採用し派遣社員90人を0にする

・教育研修で定着率を改善する

・中間採用するなら就職氷河期世代

・役職定年を設けるべき⇒若者の成長の阻害になる

・成果が出なければ契約解除してもいい

と伝えました

自信のほとんどは根拠のない自信と言いますが、まさにその通りです

けっきょく成果主義契約社員ではなく、正社員でマネージャーとして採用してくれました

採用で人手不足を解消し、教育で定着率が良くなり用済みで良いと思います

こちらは『実績』『スキルアップ』が得られ他に移ればいいことだし、そのスタイルが世界のスタンダードです

最近の若者はこのジョブ型雇用を支持しています

優秀な猟犬になり、煮て食われる前に他へ移る機動力を持つ・・・がこれからのキャリアプランであると個人的には思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました