人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

生き方の過渡期のX世代の雇用と年金

年金の現状とこれから

昭和の終身雇用&年功序列が摺り込まれ、平成の低成長時代を生き続けたのがX世代です

昭和の時代は世界的に評価の高かった終身雇用&年功序列の雇用システムも、令和になると企業と人の成長を阻む悪しき仕組みなどという評価になり、新卒で入社して定年まで頑張った働いていると1社のキャリアしかない人」「ぶら下がりおじさんなどと若い世代に見下されます

X世代の上の世代が「最初入社した企業に定年まで滅私奉公するものだ」と教え込んでいるので、急な雇用変化に困惑しているX世代は多いです

なかには「えっ、終身雇用は終わりつつあるの?」など昭和のままの頭の人もいます

「うちの会社は退職金が多くてね・・・」などと言ったらZ世代に「最後までいる人はこのご時世いないと思いますよ」などと言われ、そこで世の中の変化を知る人もいます

日本の労働法は今のところ従業員の解雇は出来ませんが、水面下では解雇ができ転職も容易にできる仕組みが進んでいます

社会変化の過渡期で戸惑っているX世代の不安要素の強い、雇用と年金について考えてみたいと思います

年金を考える 

世の中をディスるのが好きな人がいるので「少子高齢化で年金は破綻する」と声高に極端な意見を発信する人は多いですが、年金がなくなることはありません

このような発信を真に受けて年金を払わない若者がでたりします

支給年齢がどんどん後ろ倒しになったり、支給額が減ったりはありますが、年金はまず崩壊しません

ただ満足いく支給額にはならないと思いますので、その対策として新NISAiDeCoなどの優れたものがサポートしてくれるはずです

老人が増え、増えた老人を支える労働人口は減るという厳しい時代になっていきますが、消費税等を上げ対応すると思います

ただ、生命維持が精いっぱいという金額になることも予想されるので年金プラス10万円は考える必要があります

団塊の世代と同じような老後というわけにはいきません

ここ数年「何歳から年金をもらいだすか」という会話が増えてきました

75歳がお得なような気がしますが「60歳から支給されたい」という人もいます

たしかに65歳で支給を開始して、75歳まで株のインデックス投資をするよりも増える金額は多いですが「75歳から支給にすべき」とは言い切れません

人は何歳まで生きるかわからないからです

この辺の人生計画は参考程度の意見を聞いて、自分で判断するしかありません

人とのつながりを重視して「できうるならばずった働きたい」という人もいれば「仕事は早く辞めて自由に生きたい」という人もいて生き方は自由です

ただ少子高齢化は進むことと寿命は延びていくは確実だと思われます

平均寿命とは別に健康寿命も考えておいた方がいいと思います

X世代は仕事一筋で趣味がない人も多いですが、何かしらの生きがいを見つけることも重要です

とにかく「何歳まで生きる」というゴールのわからない計画なので、年金の計画は難しいですね

雇用は伸びるが役職定年はある

以前「私の会社は来年から55歳で役職定年になる」と話したと思いますが、もめにもめて『来季に検討』となりました

最初に59歳で役職定年してくれたS部長が役職は早めに若い世代に譲るべき!これからは経験を生かして若い世代のサポートにまわると言ってくれたので、これはスムーズに進むな・・・と思いきや「長年尽くしてきてこの仕打ちはない!」という人や、中には「死刑宣告と同じだ!」という人もいます

社員感情は思いのほか無視できず、今期見送りになりました

本当に昭和の55歳定年の時代は運営しやすかったと思います

とはいえ、グループでは半数の会社が55歳で役職定年と決めたので、来期は民主的な決め方をせず強行に決めることになると思います

S部長のような人は少数派で、60歳過ぎても役職解除はヤダ!という人もいて呆れます

これからは50歳・55歳で役職定年はスタンダードになります

そして、時給にはなりますが70歳~80歳まで雇用することもスタンダードになります

新卒採用を定期的に行っていない企業なら「50代が一番若い世代」というのもありますが、定期採用を行って新陳代謝がある企業では役職定年は頭に入れておく必要があります

「45歳定年が望ましい」と某大手の社長の発言がありましたが、理にかなっているとはいえ、日本で実現は難しいです

上の図でもわかる通り55歳役職定年が標準なようです

30代で課長、40代で部長がもっともよいという意見が多いですが、私もそう思います

ちなみに両目つぶって片足で45秒以上立てない場合は、管理職のできる脳の状態ではありません

逆に60歳過ぎても、1分とか立てる人は続けるべきかと思います

社会変化は加速度的になっていきますので、日本のメンバーシップ型雇用では対応できなくなります

かといって、いきなり欧米のジョブ型雇用はX世代が対応できず苦悩しそうです

日本企業は何のスキルもない新卒を定期採用し、育成することに長けています

人を育てる日本型企業の長所を生かすハイブリッド型雇用がやはり日本には合っていそうです

X世代は社会変化に翻弄されていますが、舵取り次第では経験豊富で若者の育成にも長けていると重宝される人もいるはずです

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました