人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

いったいいつから老後なのか?

各年代は年々若くなっている

トムクルーズジョニー・デップも還暦を越え、ブラットピットももうすぐ還暦です

ジムに行くと「えっ60代だったんですか?」という若々しい60代の男性はたくさんいます

ハリウッドスターは筋トレを皆しているので、成長ホルモンが20代並みに出まくっているのだと思いますが、日本の60代もとうてい老後の人には見えない人ばかりです

老けて身体を動かすのもきつそうな「もうシルバーだな」という60代の方は年々少なくなってきました

そう考えると55歳~60歳で仕事を辞めれるほどの経済的自立が出来ている人をプチFIREと呼ぶのも納得できます

たしかに早期リタイアです

サザエさんの波平さんは54歳」は遠い昔の話となりました

世界の寿命の男性の平均は71歳で女性が76歳と考えると、60代はどう考えても老後になります

日本も昭和の時代は55歳で定年で70歳で人生を終える方が多かったです

中央アフリカ共和国・チャド・レソト・ナイジェリアなどアフリカの国や地域が多く、これらの国々は平均寿命は50代 です

50代が平均寿命の国もかなりある中で2023年版の世界人口白書によると、平均寿命が最も長い国は、男性が香港・マカオ・スイスで83歳、女性が香港で89歳です

日本は前年男女とも1位でしたが順位が下がり、男性は82歳で4位タイ、女性は88歳で2位タイとなっています(香港とマカオを中国に含めれば2位または1位となる)

1位ではないといえ、医学の進歩を考えれば男女ともに90歳までの準備は考えておかねばなりません

自分の親世代のライフプランは全く当てはまらない 

寿命が延び続け、子供が減り続けている日本では「労働力不足・税金不足・年金支払い延長」から、国は出来るだけ長く働く美徳の歌を謳い続けると思います

実際の令和の60代は昭和の40代後半くらいに見えます

ただ、人生の高額イベント『子供の大学の学費』『住宅ローン』が終わればそんなにお金が掛かるものはなくなり、負担は軽くなります

結婚選択した組はFIRE適齢期かもしれません

人生は長くなりますが、人事部の立場でいえば「80歳まで雇用しろ」は勘弁してほしいところです

学習期を第1の人生、労働期を第2の人生と考えれば60代以降は第3の人生として個別に考えておく必要があります

とはいえ、多くの職場が雇用延長をしてくるので、そのまま働き続ける選択もあります

会社に残るメリット例

・仕事を失うリスクがなくなり収入が確保できる

・「厚生年金」「健康保険」に加入できるので社会保障が手厚い

・有給休暇や各種休暇など勤続年数で取れる休みがたくさんある

・慣れた仕事の延長で今のスキルでやっていけるので楽だ

・企業が有名企業なら娘が結婚する時や金融機関からお金を借りるのに有利

会社に残るデメリット例

・役職定年などで先付け給料が下がる

・役職定年でかつての部下の下で働かなくてはならなくなるかもしれない

・会社が傾いたら会社と一蓮托生の人生になる危険性がある

・調子のいい嫌いな同僚が自分よりも出世していくのがたまらなく嫌だ 

で経済的自立の準備をしてなかった場合は可能な限り雇ってもらうという選択肢は最も多くなりそうです

やっぱり不安な年金 

経済ジャーナリストの荻原博子さんは「物価が上がっても、それほど年金額は上がらない!給料が下がれば、年金額も下がるようになっており、49歳以下の年金額は現在もらっている人の半分になる可能性もある」といいます

年金の話をこう言われると不安になりますよね

厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2019年)を見ると、年金などをもらっている高齢者世帯のうち約半数が公的年金や恩給だけで暮らしています

つまり高齢者の約半数は支給される年金などの範囲内でなんとか生活をしているのです。

年金や恩給で8割以上の生活を賄っている世帯まで含めると、約6割の人は年金頼みの生活をしているということですね

豊かな老後を迎えようと思ったら今のうちにしっかりやっておかなくてはいけないのが借金の返済で、特に住宅ローンです 

荻原さんはこの辺の考え方は日本企業を見習うべきだと言います

バブルが崩壊して以来ひたすら借金減らして、現金増やせを続けてきたのが日本の企業です

日本の企業はバブル崩壊で大打撃を受けたので、イザという時の危機管理に目覚め、ひたすら不良債権という借金を処理し、内部留保という現金を増やしてきました

 結果、日本の企業の財務体質は改善し、今回のようなコロナ禍でもビクともしない財務体質になったところが少なくありません

家計もこうした企業の危機管理方法を見習うべきだと言います

さらに49歳以下の方は、50歳以上に比べるともらえる年金額は流動的だと思ったほうがいいと述べています

「ねんきんネット」に自分の情報を打ち込んで、ざっくりともらえそうな年金を調べることもできますが、49歳以下だとそもそも年金をもらう前に、制度そのものが変わってしまう可能性があるようです

たとえば年金の支給年齢ですが、今の65歳の支給から70歳に引き上げになっているということはかなり高い可能性であります

支給年齢が上がるだけでなく、もらえる年金額も下がる可能性があります

物価が上がってもそれほど年金額が上がらないだけでなく、2016年の改正で働く人の給料が下がれば年金額も下がるようになっているからです 

実質的な年金額はもしかしたら現在もらっている人の年金額の半分くらいになっている可能性もあります

「いつまで生きるのか?」は神のみぞしることですが、もう一つ頭に入れるべきは介護の必要がなく健康的に生活できる健康寿命です

男性が72.68歳・女性が75.38歳 が平均で、働ける年齢にも限りがあります

これからの日本は、第3の人生の『お金と健康』は早めに考え準備しておく必要がありそうです

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました