人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

年金プラス10万円

昭和モデルから令和モデルの人生

昭和の時代は学校出たら就職し55歳まで働き、後は退職金と年金で暮らすというものでした

学習期20年・労働期35年・晩年期15年というのが昭和の人生モデルです

年金は15年支給で計算されていると言われます

戦争中を除き日本人の昭和の平均寿命を見ると

戦前の昭和22年は男性50歳・女性54歳です

戦後の昭和25年は男性60歳・女性68歳に一気に伸びます

昭和35年は男性65歳・女性70歳

昭和50年は男性72歳・女性77歳

この辺までは55歳定年で年金支給は妥当といえます

昭和60年は男性75歳・女性80歳

この辺になると「年金支給は60歳にしないとやばい」となってきて、定年60歳・年金支給65歳の動きが出てきます

寿命はどんどん延び続けますので労働期間は延び』『年金支給年齢は上がることになります

経済学者は「労働期間を延ばせばいいだけのこと」と簡単に言いますが、一度人生プランを頭にロックしてしまうと延長は苦痛です

2年間年金支給年齢を伸ばしただけでフランスではいまだに暴動が続いているのを見ればわかります

人生プランは寿命に最も影響を受けます

 

労働期間35年から65年へ 

戦後の人口増加と経済発展は「このまま成長が続くと人手不足になる」という危機感を企業に抱かせ新卒を最後まで囲い込む仕組みとして終身雇用&年功序列&高額の退職金などの制度が当たり前になっていきます

「55歳までなら何とか面倒をみよう」で計画された制度です

35年前後の労働期間が65年に伸びても「終身雇用&年功序列を維持しろ!」というのは無理な話で、6割の人は一度転職することになります

ステップアップ転職してキャリアを構築していくはスタンダードになります

4割の企業は採用力がなく「働けるならずっといて!」という永年雇用になりますから、動きたくない人はこのような企業を選択するのが合ってます

最近は60歳前後で仕事をリタイアすることをプチFIREと呼んでいます

もちろん60歳前後では早期とは言えませんが60歳で仕事から解放されるなんて羨ましいという声はよく耳にします

X世代の8割近くは65歳過ぎても働くと言われていますから「40歳は働き盛り」と言われた昭和に対して令和は60歳も働き盛りのようです

大病でもしない限り60歳は実際に元気です

国は企業に対して70歳まで雇用するように指導していますが給料大幅減&役職解除は当たり前になってきます

雇われるのも一つの生き方だとは思いますが「いつまでも奴隷所得では人生に楽しみがない」と考える人も増えてきています

 

複業時代へ 

そもそも水源収入が労働所得だけだから不安になるのではないでしょうか?

「従業員だけがお金を得る方法」ではありません

複数の水源をもつ複業に頭を切り替えてシニア時代の収入を支えるべきです

具体的には年金プラス10万円という生き方です

起業家であり2児の母でもある尾石晴さんは80歳まで毎月10万円稼ぎ続けられるスモールビジネスのを始めることを推奨しています

「40歳の壁」を越えた先のキャリアには「お金」「つながり」「健康」の3つの要素が必要で、この3つは人間が幸せを感じる土台になるものだと述べています 

「お金」という土台をぐらつく

「健康」の土台がぐらつく

「つながり」という土台をぐらつく

と幸せではいられません

まずは10万円になるを見つけることから始めるべきだと言います

 紙やノートを用意して自分が今まで一番お金と時間を使ってきたことを書き出してみます

仕事でもプライベートでもなんでも構いません

お金や時間を費やしたことは必ず自分にとって好きなことです

英語、ダンス、読書、絵画、旅行、経理、営業、事務・・・

自分でも気がつかないうちに、知識・経験・ノウハウがたまっています

コツは「これは自分業になる? お金になる?」という視点を捨てることだそうです

自分業になるかどうかは、自分ではなく市場が決めるからです

「全然思い浮かばない!」という人は、他人から「上手だね!すごいね!」と言われたこと(絵がうまい、服のセンスがいい、PCの入力が速い、ミスを見つけるのが早い、プレゼンで噛まないなど)を思い出して書いてみることです

次に見つかった「種」が「花」になる可能性があるかを調べます

「お金をもらえる仕事になるか」の市場調査です

趣味は何もないけど経理は本業で20年やってきたが「お金の計算は苦じゃないし、基礎知識もあるけど、起業となると無理かも」と考えます

そんなときはインターネットで「経理 個人向け サービス」とキーワード検索してみます 

ここでのポイントは「大きく稼げるビジネスモデル」がないからといって、パソコンを閉じないこと

大きな事業をつくるわけではなく「毎月10万円、1人あたり5000円払ってくれる人が20人いればOK」なビジネスモデルを探しているのです

1人あたり1000円で100人、1万円で10人、5万円で2人でもいいスモールビジネスです

必ずしもすべての「種」が花咲くわけではありませんがを複数見つけておくとになる確率が上がります

現在本業がある人は今のうちから複数の「種」を探して、見つけた「種」をケアしておきます

「種」に水をやったり、肥料を足したりする・・・

「お金」「つながり」「健康」の3つを満たさないものは除外する

こうやって「種」を少しずつ育てておくのです

「私には『種』がない」と言う人がいますが、ないのではなく言語化できていないだけだと尾石さんは言います

もしくは「自己分析できていないだけ」「自分に種がないと思って探していないだけ」だと言います

そんなときは、友人などの第三者に手伝ってもらい「私に『今までに一番お金と時間をかけたものは?』と質問して」とお願いしてみます

人間は質問をされると答えようとして脳が反応します

さらに他人に聞かれたら他人がわかるように言語化しようとします

花が開いたら仲間と報告し合うことも大切なようです

他にも年金プラス10万円は様々な方法があると思いますので、レーダーを巡らせて情報キャッチしていきたいと思います

人生100年時代に向かっているのは確かで、昭和モデルを当てはめても苦痛なだけです

①新卒で就職

②ステップアップ転職

③シニア時代は年金プラス好きなことで10万円

という3段ロケットは100年時代を生きるひとつのモデルケースになると思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました