人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

海外から見た日本人の長期間労働

貧しくなったが安定している国

戦後、昭和の日本人をイギリス人はウサギ小屋の働き中毒と言いました

狭い家に住み大して豊かな生活でもないのに、異常によく働くと見られていたようです

昭和も後半になってくると1億総中流国家と言われます

あまり上下格差はなく、皆が同じレベルで平等に豊かになっていくと見られていました

バブル経済崩壊後は平等に貧しくなっていきます

この長い不景気に危機感を抱いた企業は内部留保を蓄積することにシフトしていき、とにかく日本人の労働者の賃金だけは上がりませんでした

賃金が上がらないのに税金だけはステルス的に増えていき、生活は徐々に苦しくなっていきます

ただ、この内部留保の増と借金返済に力を入れてくれたおかげで

コロナ下でもびくともしない頑強な財務体質

コロナ下でもリストラの極端に少ない雇用

で世界的に見ても倒産や解雇が非常に少なかったです

海外からはコロナ下での日本企業の対応は非常に評価されていますが、日本の労働者は長い目で見て幸せなのでしょうか

とにかく労働時間も労働期間も長い 

日本社会の運営で難しいのが値上げが難しいことと失業に弱いという特徴があります

「ちょっと値上げしただけなのに店の売り上げが半減した」

「失業率が上がると連動して自殺率も上がる」

という特徴があります

NYタイムズ紙は年金6万円で暮らす日本人がかわいそう死ぬまで働かされる国・ニッポンの現実 と報じています

そのことに気が付いて準備していた人はいいのですが、気が付かないで生活していると「80歳まで働かされる」とも言われているのがこれからの日本です

政府が年金の受給開始年齢を62歳から64歳に引き上げる年金制度改革を強行しただけで、フランス各地で大規模なデモ活動が続き、街は火の海と化してます

海外ではでは仕事に人生の価値を見いだす人はほとんどおらず、受給開始年齢の引き上げに強く反発しているようです

日本は55歳⇒60歳⇒65歳と受給年齢の引き上げが続き、恐らく人口ボリュームゾーン団塊ジュニアが65歳になる前に70歳受給開始ななるでしょう

年を重ねても意欲的に働きたい気持ちがある人々にはありがたいですが、好むと好まざるとにかかわらず全員が働かざるを得ない国へと日本は突き進んでいるとNYタイムズは報じています

NYタイムズは、契約社員として長年働いてきた男性の暮らしぶりを紹介し、年金は国民年金の月6万円のみで、 なにか食べられる物を買うために高齢になって体調を崩しても働かざるを得ない

そんな時代への入り口を日本はゆっくりとくぐりつつあると述べています

若いうちは私もそうでしたが老後のことなどあまり考えませんが、Z世代はかなりの人が100歳まで生きるようになることを考えると、ライフプランは考えておいた方がいいと思います

数十年前から予見されていたのに 

総務省統計局によると昨年9月時点で日本の65歳以上の高齢者人口は、過去最多の3627万人に達し高齢化は止まらない状態です

日本は高齢者人口の比率が高まり、年金制度と医療制度に限界が来ていることで、高齢でも働き続けなければならない社会が到来しています

さらに海外の目では日本では老後を生き抜くことが難しくなっている と見られています

同時に高齢者たちは永遠に働くための準備をしており、生き残るために低賃金の仕事を引き受けたりしているとも述べ日本社会の現状に懸念を表明しているます

たしかに日本人は勤勉な方が多いですが、それでも値を上げそうな老後になりそうです

寿命の延びと少子化に社会制度が追いついていない側面があることも確かです

各国の60歳以上の人に「今後、収入を伴う仕事をしたいか」尋ねた結果「収入の伴う仕事をしたい(続けたい)」と答えた人の割合が日本は40.2%に上っている

アメリカの29.9%、ドイツの28.1%と比較し日本人の労働意欲は高い ですが、見方を変えれば高齢になっても働かなければ暮らせないという事実の裏返しでもあります

年金だけでは生活を維持できないという、過酷な現実がすぐそこにはあるようです

働きながら死ぬなんて、とても悲しいことですそんなふうに最期まで働いてはいけないんです と日本の現状を見たアメリカ人ジャーナリストが述べたそうです

多用化の時代とは言え「30代でFIRE」はいかがなものかと思いますが、60歳や70歳を過ぎても働かざるを得ない社会は、決して人間らしい老後を安心して送れる社会ではないと海外では見られています

国や地方自治体の施策がどこまで当てにできるかは不明だ いつになっても労働を求められる日本の老後のあり方は、海外でも注目されるほどの大きな問題となっています

嫌な現実は見たくない・聞きたくない・考えたくないと言いますが、寿命の長い日本人は60歳からの生き方は若いうちから考えるべきだと思います

「先の辛いことは考えないで今を楽しく生きる」という姿勢は「アリとキリギリス」という童話で戒めているはずです

これからの日本は自助努力の差が60歳以降の幸福の差になると個人的には思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました