売上上がらず労働生産性をあげるということは
「令和版所得倍増計画」などと言われてますが、池田隼人総理の時の「所得倍増計画」の頃の日本は〈多産少死〉〈経済上昇期〉であり〈少産少死〉〈経済低迷期〉の現在は状況が違います
「成長して分配する」という理屈は「成長しなかったから分配できなかった」という理屈に直結します
「労働生産性が低い」と言われますが、大企業は世界先進国レベルの労働生産性です
「もし日本の賃金が上昇し始めたら我が社に優秀な人材が来なくなってしまう」で賃金上昇のシミュレーションをしました
人事内なので既存支店等の売上高はさほど増えないとの状況で考えると
「こういうマシンを導入すれば何人減らせる」が具体的な策になってきます
飲食店も「これ以上最低時給が上昇するのならば、食器洗浄機を導入するしかないな」となるようです
皿洗いのアルバイトが何人か減らされます
ようは『1億円の人件費を100人で割り振っていた』のを『1億円の人件費を50人で割り振る』そうすれば倍になるとなりかねません
『所得は増えたが失業者も増えた』となります
採用責任者なので、コロナ前はいかに人手不足だったか実感しています
採用担当者は人手不足をつつかれ
求職者はすぐに仕事が見つかる
というのがアベノミクスの世界でした
窮しても仕事を選ぶ日本人
日本は社会保障費が増えすぎ、人財育成に投資をしてきませんでした
その〈つけ〉が出始めています
重要ですぐに取り組むこと=売上げ確保
重要だが急がないこと =人財育成
短期・中期計画は良くとも、長期計画はなかったという組織は多いです
バブル崩壊後二次産業は「安い人件費を求めて海外へ移転」「工場のオートメーション化」などで人件費を大きく減らせました
ただサービス業が伸びていったので、そちらで多くの労働者を吸収しました
第三次産業就労者は70%を越えています
「外国人労働者が仕事を奪う!」と叫ぶ人もいますが、外国人労働者は高スキルか低スキルか極端です
そもそも日本人は仕事を選びます
「3Kはヤダ」「夜間労働はヤダ」「外の労働はヤダ」「農業はヤダ」
日本人労働者が集まらない仕事を外国人労働者が補ってくれています
「外国人が増えると犯罪率が増える」は言いがかりで、犯罪率は日本人と変わりません
犯罪目的で日本に入国している外国人は別です
グレーゾーンの人達はどうなるのか
地方支店の支店長になった時、マニュアルを写真入り説明にしました
スタッフには好評でした
「A4用紙1枚で済むものが、カラーコピーで5枚になる!コストを考えろ」
と本社には言われます
伝えに来た営業部長には「地方採用の社員の中には読解力の弱い人がいます、人間性は至って真面目によく働いてくれ、伝わりさえすればしっかり働いてくれます」と言うと
「うん、俺も思い当たるところが多い!これでやれ」と言ってくれました
IQ70以下の知的障害者は2%です
平均のIQ85~115は68%です
その間のIQ70~85のグレーゾーンは17%おり1700万人います
『境界知能』と呼ばれています
普通に生活でき、面接等ではわかりにくいです
彼らは言葉にするのが苦手なので『わからないことを聞けない』ことが多いです
ゆえに「やる気がない」など言われたりします
わかればよく働いてくれます
日本でも高スキルの人は高賃金です
ここは何もしなくても高賃金です
マシンは低スキル層から仕事を奪います
AIは中スキル層から仕事を奪います
加えて〈仕事の選り好みする日本人気質〉〈簡単に解雇できない労働法〉が加われば、今よりも格差社会になります
「資本主義なんだから格差は致し方ない」と言ってしまえばそれまでですが、国民全体の幸せとは言いにくいです
〈多産少死〉の環境で賃金上昇はたやすいかもしれませんが〈少産少死〉での賃金上昇は必ず光と影が生まれるような気がします
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました