世界の出生率はどうなのか
「少子化を食い止めないと未来がない」「少子化で国が亡ぶ」と本当によく耳にするようになったので「いったい日本はどのくらいのレベルなの?」と知っておく必要があります
2023年最新の世界の出生率ランキング を観れば
1位 ニジェール 6.73
2位 アンゴラ 5.76
3位 コンゴ民主共和国 5.56
4位 マリ 5.45
5位ベナン 5.39
6位 チャド 5.35
7位 ウガンダ 5.26
8位 ソマリア 5.22
9位 南スーダン 5.2
10位 ブルンジ 4.96
11位 ギニア 4.82
と出生率ランキング上位にはアフリカの国々が目立ちます
社会情勢が安定せず、経済的に発展途上である国も多いですが、出生率の高さはこうした要因とも深く関わっていると考えられています
経済的に恵まれない人々も多く暮らしている国では「子ども」とは①家族の一員であり②稼ぎ手でもあると考えられています
日本でもパナソニックの創始者である松下幸之助さんの子供時代は兄弟は多く、この頃の子供は労働力だったので松下幸之助さんも7歳で丁稚奉公に出て働いています
経済的に発展途上だとより豊かな生活を手に入れるため、できるだけ多くの子どもを持とうとするのでこれらの国と日本は比較できません
子供=労働力で、3人丁稚に出せば蔵が建つと言われていたので、子供=資産だった時代です
また開発途上国では、先進国よりも幼い子どもの死亡率が高いので、生んだ子供が全て労働者になるとは考えられません
戦禍のガザ地区を見ていて「子供がやけに多いな?」と思いましたが
39位 パキスタン 3.39
40位 ガザ地区 3.34
とやはり出生率は高いです
102位 フランス 2.02
と先進国の中では唯一出生率2を超えているフランスは、シングルの女性でも同性婚のカップルでも国が手厚く子育て援助してくれます
子供をもつのに結婚というハードルがないので、子供の約6割が結婚していない親をもつといわれています
東アジアは「結婚しないと子供をつくらない」為、この辺は難しいかもしれません
人工授精や体外受精に対して医療補助金が出ますので、不妊治療により生まれた子供は2万5000人で出生数の約3%になります
同じ東アジアでは
126位 北朝鮮 1.89
127位 モンゴル 1.89
が日本よりかなり高い数値です
135位 ニュージーランド 1.86
136位 ニューカレドニア 1.84
137位 アメリカ 1.84
138位 ノルウェー 1.83
146位 オランダ 1.77
もそれに並ぶ出生率です
160位 オーストラリア 1.73
172位 スウェーデン 1.67
178位 イギリス 1.63
185位 ロシア 1.6
190位 スイス 1.58
191位 ドイツ 1.58
192位 カナダ 1.57
193位 ウクライナ 1.57
とおなじみの国が並びますが、それでも日本はまだ出てきません
合計特殊出生率2.07
出生率が下位の国は、西欧や東アジアの国が多くなってきます
①先進国になるほど出生率は下がる
②東アジアは結婚しないと子供を産まない
が出生率が下がる要因ですから、やはり低い国が多いです
211位 中国 1.45
215位 日本 1.39
220位 スペイン 1.29
222位 イタリア 1.24
224位香港 1.23
225位 シンガポール 1.17
226位 韓国 1.11
227位 台湾 1.09
日本は今年1.20になりますので、年々出生数減少しています
「じゃあ出生率はいくつならいいの?」となりますが『合計特殊出生率2.07 』が死守すべき水準だそうです
少子化は静かなる有事
『合計特殊出生率 』がどうやって算出されたのかというと、夫婦二人で子供二人なら人口は横ばいですが「結婚はしない」「結婚しても子供はつくらない」という選択もありますので、そちらを選択する人の分を含み2.07が割り出されるようです
この数字を下回ると人口は減少していきます
日本の少子化は1970年代から言われ始めていますので、何度か対策を打っていますが下降の一途をたどっています
日本も貧しい時代は「子供たちに老後の面倒をみてもらおう⇒子供は多い方がいい」という文化でしたが、国が豊かになり、年金や医療保障などが整備され「老後の生活は子供に変わり政府が保証」となり、子供の学習期間が伸びて「子供は資産でなく負債」となると、急速に少子化になっていきます
兄弟が7人~10人いる状態から、一気に2人兄弟がスタンダードになっていきます
この辺が「先進国になると子供が減る」という原理です
東京合計特殊出生率は0.99 と全国最下位いですが、北京は0.55、ソウルは0.32とさらに深刻です
中国は①先進国化②東アジア気質に加え③一人っ子政策のツケも廻ってきて三重苦だそうです
韓国は少子化対策に日本とは比べ物にならない37兆円を投入しても少子化に歯止めがかかりません
対して寿命は延び続けているので高齢者は増え続けます
『豊かになった先進国が直面する少子高齢化』という問題は国の存続に直結する問題といえそうです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました