労働力不足1100万
「働き手不足1100万人」の衝撃という本が話題になってます
少子高齢化の進展に伴う労働力人口が減少する中、労働力の需給ギャップによる人手不足が顕在化し、 団塊ジュニア世代が65歳以上になる2040年には企業などで働く人の不足が全国1100万人になるとの試算のことです
将来の人手不足を推測して対策を練るプロジェクトチームをつくっている企業も多いのではないでしょうか
「人手が足りないから採用頼むよ」
「ええ、求人出したのに募集来なかったの?」
「○○さんが辞めた分はいつ補充してくれるの?」
という会話が増えてきた会社も多いと思います
ただ、今騒がれている人手不足とは比べ物にならないほどの人手不足時代が来ます
もしあなたが雇われる側なら『需要増で仕事には苦労しない』という時代になります
しかし仕事探しには苦労しないからと言って喜んではいられません
今まで当たり前だったサービスや生活インフラが大きく変わってしまい、生活が不便になります
「人手不足?そんなことは採用業務に携わる人間が苦労すればいい」では済まない問題なのです
ゆっくり進行していく問題には対処が適当になりがち
通勤時間帯の駅に行くと多くの人でごった返してます
電車はすし詰め状態で窮屈な日常を観ると、人手不足の恐怖など感じません
それでも現在25万人の労働力不足です
5年後の2030年は341万人の人手不足となります
そして2040年は1100万人という44倍の人手不足に陥ります
「働き口がたくさんあって失業の恐怖がない」などと喜んでいる場合ではありません
- いつも利用していたお店がどんどん閉店していきます
- 宅配便は届かない
- 救急車や消防車もなかなか来ない
- 病院は激混み
- 公共交通機関は大幅な縮小
- 教師が不足して自習が増える
- 道路などの生活インフラが未修繕のまま放置される
- 警察官が足りずに治安が悪化
- 介護施設を利用できるのは富裕層のみ
- 車が修理できない
などなど、今まで当たり前だった生活がかなり不便になっていきます
治安が悪い国では10万人の人口で毎日平均7件の殺人事件が起きているそうです
警察も手一杯で次々起こる事件に対処できず、現行犯以外は放置されます
「現行犯以外は捕まらない」という状態だと、犯罪者は気軽に犯行に及びます
対して今の日本は、10万人の市でも「もう何十年も殺人事件なんて起きていない」という地域の方が多いです
殺人事件でも起ころうものなら、何十人もの捜査員を集めて捜査本部を立ち上げ、徹底的に調査して犯人を見つけます
「犯罪は確実につかまる」と思えばそれが抑止力になり、どんどん殺人事件は起こりにくくなります
警察官が減るとこの逆で治安悪化を招き、自衛官不足も同じです
「あそこの店なくなったね」
「あの会社潰れたんだ」
「客はいるのに働き手がいないんだって」
が44倍増えるということです
コロナの感染のようにいきなりくるものへの対処は早いですが、じわじわゆっくり進行していくものに対しては、後回しにされて気付いた時には手遅れということが多いです
労働期間は間違いなく長くなる
労働力不足への3種の神技は①シルバー②女性③外国人と言われています
さらに④AI⑤マシンも加わり、この5つを強化して対応していくしかありません
「パソコンも使えないお年寄りの面倒をみるのはヤダ」
「子持ち様は早く帰れてずるい」
「外国人は文化が違いすぎる」
などは、いずれ言ってられなくなります
人事でも予測していますが、妊娠中の女性や子育て中の女性は国をあげてかなり優遇する『国家で最も重要な人』となりそうです
理由は唯一人口増ができる人だからで、ある意味神です
ですが専業主婦などはさせず、労働力としても欠かせない存在です
小泉進次郎議員が「年金は80歳からでいい」と言って反発を受けていました
それはそうです、男性の平均寿命は81歳ですから「一生働けってことか!」と怒ります
ただ、万が一年金支給が80歳になったら、多くの人が80歳まで働くしかありません
国は『出来るだけ長く働かざるをえない仕組み』をつくってくる可能性があります
シルバー人材センターに登録し、1日3時間ほど働き、80歳まで・・・などです
クルド人問題や技能実習生問題などでもめていますが、外国人労働者の制度の見直しも国をあげて取り組んでいくでしょう
老人になっても出来るだけ長く働かせる仕組み
子育て中でも働かせる仕組み
外国人も多く働かせる仕組み
はますます強化されていきます
もちろん反対派はいるでしょうが、問答無用にすすめられます
逆に言えば
「悠々自適な老後は実現させない」
「専業主婦なんて存在を許さない」
「外国人は嫌いなどと言わせない」
という時代になっていくということです
「AIに仕事を奪われる」と騒ぐ人がいますが、どんどんAIやマシンに仕事を代替えしていかないと労働力不足を補えません
飲食店やコンビニの求人募集はかなり大変だと言われていますが、最近ほぼ無人化したカフェのお店も見かけると思います
私も現在観光部門の採用を行ってますが
①フロント業務はAIに
②調理ロボットと配膳ロボットの導入
③予約業務のAI化
④客室業務のAI化
で、難航しているのがベットメイキングの機械化です
こちらはベット自体全て変えなければならず、かなりコストがかかりますが、このすべて実現すれば人は90%減らせます
現在も「100室あるけど、人手不足で40室しか稼働させれない」などの宿泊施設は多いです
マシン化できるものはどんどんマシン化しないと増え続ける外国人観光客に対応できません
私も出張でよくホテルは利用しますが、チェックインからチェックアウトまで一切人と接触しないホテルも増えてきました
平成は労働者を大切にしなかった時代ですが、令和は全く逆の時代にシフトしていくと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました