いつまで管理職でいられる?
昭和の常識は
・新卒で入社した会社に終身雇用で最後まで勤める
・初任給は低いが年功序列で役職と給料は自然に上がっていく
・55歳定年退職時には高額な退職金がもらえる
・それ以降は悠々自適な年金暮らし
と摺り込まれて働き続けていたと思います
それが令和の社会では
・スキルを磨き自分の価値を高めてステップアップ転職をして年収UP
・40代後半から役職定年がはじまる
・年金では生活できず働けるところまで働く
・基本退職金は高額ではない
・定年再雇用では新入社員並みの給料になる
・副業で稼ぎ、少額インデックス投資も当たり前になりつつある
がスタンダードになり、若い世代はそれが当然のように生きています
「こんな社会に変化するとは思わなかった」
「バブル崩壊後、ここまで長く景気低迷するとは思わなかった」
「ここまで銀行金利が下がるとは思わなかった」
「途中で管理職から降ろされるとは思わなかった」
「定年後はもっと豊かにゆったり生きれると思っていた」
と不平を言えば『企業依存が強すぎるからだ』『それは自己責任』という冷たい言葉を浴びせられます
終身雇用&年功序列を摺り込まれ、ずっと先の社会変化を予測しろとは酷なことで、自己責任という言葉は平成日本の言葉の暴力にも感じます
この変化は『長期にわたる景気の低迷』『少子化による若い世代の減少』『寿命の大きな延び』が3大要因だと思います
私も平成に社会に出て、大企業の競争の仕組みに中で長らく生きてきましたので「男はメンツが大事」「サラリーマンは出世がやりがい」は否定できません
その中でも『役職定年の酷な現状』を考えてみたいと思います
雇用か面子か
私が新卒で入社した会社は平成6年くらいから『降職基準』というものを設けて実施していましたので「役職がなくなる」という現実は若い頃から目の当たりにしていました
ただ、役職定年のように決まった年齢で降職になるのではなく、あくまで実績です
実績を上げれば、また復職します
①支店の増加が鈍ったこと
②新卒採用には変わらず力を入れていくということ
③若い社員には適正な年齢で役職を与えたい
が要因です
私の会社も支店も部署も増えなかったので、年功序列だったら支店長にも課長にもなれませんでした
「会社もひどい制度創るよね!」という不満の声が上がりましたが、この制度のお陰で私や私の同期は支店長や課長になれましたので複雑な想いです
役職定年はないものの「50代になると管理職からは降ろされる」という現実が見え隠れします
「平になるなんて御免だ!」「転職も視野に入れよう」と考えはじめ、家族にも伝えます
昭和入社の方々からすると「人生の後半がぐちゃぐちゃ」と言います
「50代で役職から下げられ給料減」
「60代でも働かなければならない」
「70代でも月10万の収入は必要」
「昭和の頃描いていたライフプランとは大きな違いだ!」
と面子を重視して辞める人もいれば、我慢して雇用される道を選ぶ人もいます
役職定年は新卒定期採用数の多い企業ほど実施率が高いです
優秀な金の卵が毎年多く入社してくる環境の企業です
「毎年多くの若者が入ってくる」
「適正な時期に役職を与えたい」
「悪いけど50代には降りていただこう」
ということです
昭和世代は「寄らば大樹の陰」の考え方の人が多く、大企業志向なのが役職定年に直面しやすくなります
若い世代もサラリーマンを続けるなら
20歳前後で入社し
50代で役職定年で給料が下がり
60代・70代はパートの賃金
と考えた方が良さそうで、終身雇用&年功序列を望むなら万年人手不足の中小企業に就職・転職した方がいいと思います
惰性で20年・30年働くのは酷
この20年間で「70歳まで働く」が当たり前になりつつあります
団塊ジュニアが65歳で「もう働かない」となると、壊滅的な労働力不足になり、逆に増えた年金などを支える社会保障費を支える税収が足りなくなります
あの手この手で「引退させずに80歳まで働かせる」ように誘導してくると思います
日本の労働人口のボリュームゾーンは現在は50代ですが、いずれ60代、70代となっていきます
「若い世代の為に役職を譲りましょう!」は理屈で理解できても腹には落ちません
実際問題として自分自身にどのような役職を会社が用意してくれるかは、多くのシニア労働者にとって大きな関心ごとになるると思います
まだ体力的にも十分働けるし、知識も経験も豊富
「重要な役職を任せてくれるような企業であれば、その期待に報いるために熱意をもって仕事をする 」という60代・70代は多いと思います
経験豊富で、まだまだ働けるのに「平社員で薄給」では惰性のような働き方になってしまう
昭和入社世代はネットで稼ぐことも下手だし、インデックス投資をするには時間が残されていません
労働人口のボリュームゾーンの世代に少しでも熱意をもって仕事をしてもらうためには、考えなくてはならない課題だと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました