人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

陽が極まれば陰となる

東洋思想の基本は陰陽説

どのくらい昔なのか?どこの地域から生まれたのか?定かではありませんが東洋には陰陽説があり、多くの思想の土台となっています

寒いがあるから暖かさを感じ

暑いがあるから涼しさを感じることができる

明るいがあるから暗いがあり

早いがあるから遅いがある

高いがあるから低いがある

世の中はすべて対で出来ている

というもので、昼間はいつまでも続かずいずれ夜になるが、また必ず日は昇る

四季の変化があるようにいつまでもいい状態は続かないし、悪い状態も続かないという教訓も説いています

日本でも「おごれるものは久しからず」という平家の栄華に対する教訓の言葉もあります

人は陽の方向に向かい突き進んでいくが、やがて陰の状態になっていく

というものです

陽転したら待っているのは陰転 

陰が極まれば陽となる

陽が極まれば陰となる

と言います

日本は高度成長期には多くの労働力確保の為に「仕事から老後までしっかり面倒をみますよ」という素晴らしい仕組みを創り上げました

新卒一括採用で毎年多くの若者を採用し雇用し育成するので、スキルのない学生が仕事に就けます

終身雇用で最後まで安定した雇用を続ける安心感

年功序列は若いうちは給料が低くても、家族をもちお金が掛かるようになったらしっかりと増えていく仕組み

高額の退職金は老後の安心感

年金により働けなくなっても収入が死ぬまで保証される

高度成長期の日本を見て世界は「ここまでしっかり面倒をみるから日本人は組織に忠実で、チームワークが抜群なんだ!」と高く評価します

ただ、バブル経済崩壊後の長い陰の時代に突入するとこの雇用システムが足かせになります

世界の評価は一転プロ野球の球団がドラフトで採った若者を一生涯面倒みて、年々給料を増やしていきますで、そのチームが強いわけがない」と日本の終身雇用が今の日本の悪の元凶と評します

戦後の焼け野原の日本が陰が極まれば陽となるならば

バブル崩壊後の日本は陽が極まれば陰となるでした

世界はZ世代に期待をしている 

「この雇用の仕組みはおかしい」と気が付いているのは主に若い世代で、古い世代を「働かないおじさん」「ぶら下がりおじさん」などと皮肉ります

たいして仕事をしない年収2000万円の窓際族をWindows2000などと呼ぶそうです

「なんで意味なく高収入の人を雇うの?そんなお金があるなら新しいスキルがある人を雇えばいいのに」

「無条件で雇用を保証するから日本のサラリーマンの1日の平均勉強時間が6分という驚愕の数字なんだ!」

世界はZ世代の時代と言いますが、優れた人からダメな人までいるのはどの世代とも同じです

日本のZ世代は子供のころから衰退した世の中を生きている世代です

世界はZ世代にすごく期待をしていますが、日本の場合この世代は数が少なくX世代が労働者のボリュームゾーンなので世代交代が停滞しているうえに、いまだに終身雇用や年功序列が残っています

80歳を越えている社長が「まだまだ若い世代に負けていませんね」「社長あっての会社ですね」と言われ、まんざらでもない顔をしていますが「それはおべんちゃらですよ!早くY世代に引き継いでください」と言いたくなります

人はいつまでも陽の時代にしがみつきますが陰の時代は自分磨きの学習期とも言われますので、静かに身を潜めて徳を養い、若い世代のサポートにまわるのが陰の時代の生き方だと思います

陽から陰に切り替わったのに中途半端に陽を継続させようとすると陰が極まりません

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました