中国で急増の寝そべり族
過去最高の失業率の中国で「寝そべり族」なるものが増え続けるそうです
一日中ゴロゴロして好きなことをしている若者のことです
以前、高学歴なのにそれに見合う就職先がなく、アルバイトのような仕事をしている「アリ族」は紹介しましたが、こちらはアリ族のようにもがいていません
21世紀に入ってから一般の中国人はマイホームとマイカーを持つようになり、後期の「一人っ子世代」は物心ついた時から、新築マンションに住んでいたり、マイカーで学校に送り迎えしてもらったりしているそうです
この世代は一人っ子だから、親の愛情と資金をふんだんに享けて育っているため根がガツガツしていないようです
ゼロコロナ政策を徹底し、日本のように雇用や経営継続のための補助金がない中国では、バタバタ企業が倒産して働き口が激減しました
従って就業競争はかなり激化しています
不景気なのに大学の卒業生は、毎年約40万人ずつ増加しているので、若年層(16歳〜24歳)の失業率はコロナ禍の影響もあって過去最高の20%に達しています
要は必死に就職活動をしても、ロクな就職先は見つからない状況です
中国都市部の若者側からすると、就職しなくてもまったく困らないようす
居心地のよい自宅や車があり、おまけに親の財産もあり、激烈な競争社会へ突っ込んでいくよりもゴロゴロ寝そべっていた方が楽だし幸せなのだそう
家を買わない、車を買わない、恋愛しない、結婚しない、子供を作らない、消費は低水準「最低限の生活を維持することで、資本家の金儲けマシーンとなって資本家に搾取される奴隷となることを拒否する」といったポリシーをもったのが「寝そべり族」です
日本は「働け」の同調圧力が強い
これはヨーロッパの人々も同じで「年金もらって働かなくていい時からが自分の人生」という考え方です
従って年金の支払いを2年延長しただけで大暴動になります
やはり「奴隷に働かせて市民は遊んで暮らす」という時代を経験してしまうと、そのイズムはずっと続くようです
欧米では働くことに趣をおいていません
人事にいると「これからの日本は労働力不足の時代が来る」と認識している人が多いですが、一方で知識人の中には「働かなくていい時代になる」という人もいます
ハーバード大学と野村総研の研究結果によると20年後には『49%の仕事がテクノロジーに代替えされる』といわれています
「半分仕事がなくなるのか!」と思うとビックリしますが、そこまでにはかなりの労働人口が減少するので思うより深刻ではないと思います
株式投資や不動産投資、または本の印税やYouTubeなどの権利投資で収益を得ている人がいます
いわゆる投資家と呼ぶのかもしれませんが、日本人は「労働してないじゃん!」という目で見ます
日本人は根が勤勉なのか、遊びが下手なのか「働けるうちは労働すべき」という同調圧力が強い国です
これは国家に好都合で「女性も働け」「老人も働け」「労働者が増えれば税収も増え、消費も活発化する」となります
労働が苦でも承認欲求がある
「20%の人は働くことに適していませんよ」と主張する人事のベテラン社員がいました
「適してないのに同調圧力で労働市場に押し込まれ、苦しみ続けたり、転職場からしている」と言います
苦しみがピークに達すれば引きこもりになったりします
労働信仰の強い日本で「ベーシックインカムで働かなくても良くする」のはちょっと難しいかもしれませんが、存在を認識して手立てが必要です
もうひとつ「どこかの組織に所属したい」という所属欲求や「社会に必要とされたい」という承認欲求が働かないと満たされません
「FIREを達成したけど承認欲求が満たされず再び働きだした」という話も聞いたことがあります
一人遊びが下手な日本の男性は、仕事をリタイアすると一気に老化するとも言われており、労働は苦役だけでもなさそうです
Z世代・α世代はX世代以前の労働観をリセットして、新しい労働観が必要になってきそうです
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