中国の専業子供
前回は中国の「寝そべり族」を書きましたが、中国の若者の間では就職はせず、掃除・食事の準備をして親からお金をもらっている「専業子ども」が増えているそうです
そういえば少し前の日本も「学校出てもすぐに結婚するから」と就職せず「家事手伝い」という女性も多かったです
ただ日本の場合は「家事能力を母親から学ぶ花嫁修業期間」で女性のみでした
中国の場合は男女で、 失業率の高さや中国の「996」と呼ばれる働き方(午前9時から午後9時まで週6日出勤)が働くことに対して魅力をなくしているようです
日本は「965」がスタンダードですね
本来大人になるということは「社会で働き親から自立して生きる」ということですから、中国の専業子供は一昔前の日本の「パラサイトシングル」「引きこもり」のようなものです
中国の大学進学率は55%弱で、日本より少しだけ高い状況ですが「大学を出てもそれに見合う仕事がない」状況も問題です
競争社会を拒否 ・家庭を持つことは拒否・消費活動もしないという若者が増えているということです
AIは中央値の人間の仕事を奪う
今話題のOpenAIのCEOサム・アルトマン氏はしばしば「中央値の人間(median human)の仕事を奪う」と発言しています
「自身の汎用人工知能(AGI)へのビジョンは中央値の人間と同じ」だと話しているます
「えええ、人工の7割は中央値の人間だろ!そこを直撃するのか!」と恐怖をおぼえますね
マシンの普及は「下位30%の人の仕事を奪った」と聞いたことがありますが、その時代は伸びていた飲食業などのサービス業が労働者を吸収してくれたので「失業ラッシュ」は起きなかったと聞きます
「AIを中央値や平均値の人間と比べるのはやや侮辱的だ」とオックスフォード・インターネット研究所の研究責任者ブレント・ミッテルシュタット氏が語っていましたが同感です
近い未来「えっ!このタクシー人が運転してるの?危なくない?」
「えっ?私の手術、人がやるの?不安だな」
と人種差別ならぬ人間差別が起こるとも言われてます
頭脳明晰な方々が語る「ベーシックインカム(最低限生活保障、最低限所得保障)で国民全員に生活に必要最低限のお金を支給すれば働かなくていい時代になる」というのは本当なのでしょうか?
どうも凡人の私にはピンときません
ベーシックインカムの社会実験
アメリカのコロラド州デンバーでは、現金による直接的な援助がホームレスを減らし、雇用を増やしたそうです
デンバーで生活する約800人のホームレスの人々が月50~1000ドル(約7400~15万円)を支給すると夜を外で過ごす日が減ったといいます
「実験の参加者の多くは、支給されたお金を借金の返済に充てたり、車を修理したり、住居を確保したり、講座を受講するために使ったと報告しており、いずれも参加者たちを貧困から抜け出させ、社会支援プログラムへの依存を減らすことにつながるものだ」 と結果がまとめられました
カリフォルニア州サクラメントからフロリダ州ジャクソンビルまで、アメリカでは路上で寝泊まりする人々が急増していて、メンタルヘルスや薬物依存などがしばしばその主な原因として認識されていたそうです
デンバー大学の住宅・ホームレス研究センターの研究者たちによると「このプロジェクトに参加し現金を受け取った人の大半は半年後、暮らし向きが良くなっていた」と述べています
「ベーシックインカムで働かなくてもいい人が増える社会は可能」と言えます
ただ労働信仰の摺り込まれたX世代の私からすると腹落ちしない部分があります
先日も職場のとある人が「あそこの家族は生活保護で暮らしている」「子供がいるせいか俺の給料と同額もらっているようだ」「俺たちの働いた税金がこれでいいのか」と言ってましたが、日本人のスタンダードな意見に聞こえます
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました