人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

心の距離感が重視される時代になってくる

平成に標準化された心の距離

平成という時代は様々なハラスメントが生まれ、標準化していきました

新しいハラスメントが 生まれる度に、昭和入社の先輩社員達が

「何でもかんでもハラスメントになっていく!」

「窮屈で世知辛い時代だ!」

とぼやいていましたが、モーレツな競争時代を生き抜き、勝てば官軍という価値観の昭和入社の強烈さに、平成入社は押しつぶされそうな社員も多かったです

私も新入社員時代は「早く業績上げて支店長になれ!一国一城の主だぞ!」と煽られていました

今騒がれているビックモーターの執念深いノルマ達成の激は昭和では日常茶飯事だったと思われます

私が新卒で入社した会社も「昔は会社の寮があり、帰っても毎日宴会だった」と聞かされます

出張も平社員は3人~5人部屋は当たり前だったそうで、とにかく個人の時間が極端に少ない時代だったようです

四六時中先輩社員の自慢話・説教に付き合わされていた時代だったと思います

やはり昭和入社は不条理にもまれ続けていたため精神的にタフです

 

令和は自閉症的時代 

近年自閉症について多くの書物が目につき、論じられるようになっています

これは21世紀になって突出してきた現象で、20世紀にはなかったものです

これは、日本に限った話ではないので『自閉症の時代』の著者である社会学者の竹中均氏によれば、21世紀という時代の1つの特徴が自閉的傾向の突出化には現れているのではないかと主張しています

予定変更に対して大きな不安を感じてしまうことからも推測されるように、自閉症者は変化がないこと・ルーティンが維持されること、言い換えれば反復・繰り返しを好むと言われている 

自閉症者は感覚過敏であることが多いとも言われるています

自閉症と診断されなくとも、自閉症傾向の人は増えているそうです

これは新しい現象として頭の片隅に入れておいても良いと思います

年々新しい精神的病気が発見され、心理カウンセラーも「うつ病専門」「引きこもり専門」「夫婦問題専門」など専門性が細分化してきています

人間学分類学といいますから、誰しも標準からずれたものがあると思いますし、昭和の時代は個性と言われていたものが、○○症など名づけられてきています

花粉症も名づけられて初めて「そんな病気があり、苦しんでいた人がいるんだ!」と認知され、対策がうたれ、周りが気を使うようになりました

 

心の距離感を考える時代 

会社の男子寮のテレビアンテナが台風で壊れ、テレビがしばらく見れないことを伝えると、皆おとなしく納得していました

「今の若者はおとなしく、不平不満を言わないんだな」と思っていると、WI-FIに不具合があった時、一斉に「困ります!」「すぐに復旧を!」と不平不満を全員が言ってきました

Z世代にとってスマホは一番の友人のようです

台湾の大学生をのインターン留学を毎年3名受け入れているので「3LDKを借りて寮にしよう」とすると本社の留学生の担当者に「昭和じゃないのでワンルーム3部屋借りてください」と注意を受けました

日本も人口は減っているのに世帯数は増えています

もうサザエさん一家のような家庭は少なくなってきています

「家族といえどもある程度の年齢になれば距離を置きたい」

「会社の飲み会より自分の時間の方が大切」

という考え方は年々強くなってきています

IQが高くなると孤独を好むようになると言われていますが、年々心の距離の取り方は配慮が必要になりそうです

「友達は必要だが多くはいらない!3人もいればいい」松本人志さんが述べてましたが、昭和世代の大人が言うほどつながりも重要ではなくなってきています

N高等学校などは「これからはコミニュケーション能力はさほど必要ではない」という理念をもっています

「この人とはどのくらいの距離感が望ましいのか?」配慮する時代になっていきそうです

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました