人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

人と比べることの無意味さ

比べなければ不幸は感じない

不幸の元は人と比べるから発生すると言います

そもそも無人島で独りだったら、自分が背が低いのか高いのか、足が速いのかどうか、計算が早いのかどうか、字が上手いのか下手なのかわかりません

比較する対象が無いからです

「貴方は幸福ですか?」と聞かれてもその時の気分もあるし、不幸を強調したがる悲劇のヒロインぶる人もいるし、逆に「私はこんなに幸せ」とアピールしたがる人もいるので幸福度ランキングなどは無意味のような気がします

幸福・不幸は感じるものであって、明確な基準があるわけではありません

数値化できないものは比べようがないと思います

比べるなと言われても社会は競争の原理で動いているので、小学生くらいから「人と比べて・・・」という場面が多くなります

「テストの点が」

「走る速さが」

「ルールを守れる」

など何かにつけて「ここは自分は優れる」「ここは平均」「ここは劣る」と自覚させられます

社会に出ればもっと比べられます

人と比べないで生きるはなかなか難しいことです

 

古来より言われている比較の無意味さ 

日本では聖徳太子の時代より仏教思想を政治に取り入れていたので人と比べることの無意味さは説かれています

「人は人、自分は自分」というのが本来の日本人のスタンスのようです

「自分は人より劣っている」と自覚していると前向きに生きられず、行動力も低下します

逆に勘違いでも「自分は優れている」と自覚していると幸福感は強くなります

SNSで目に入ってくる情報は意外にで、世の中には自分をキラキラしていると見せたがる人が結構います

それを見て「自分はインスタに投稿するようなものはなく変わり映えのない日々」と他人の人生を「うらやましい」と感じてしまったりします

つまらぬことで幸福感が削られ、積もり積もって自分の光が奪われます

目の前の現実と比べるならまだしも、スマホを持ったばかりに大量の比較対象が放出されたりします

本来ならば徳川家康もうらやむ暮らし』をしているのに幸福感が得られません

人と比べてしまう人の特徴として

嫉妬深い

自己評価が低い

負けん気が強い

ことが上げられています

 

人と比べてしまう自分を戒める

ビル・ゲイツ

自分のことをこの世の誰とも比べてはいけない

それは自分自身を侮辱する行為だ

と言っています

自分は自分、誰一人同じ人間はいないと割り切って 生きるべきであると述べています

相田みつを さんの言葉にも

他人のものさし

自分のものさし

それぞれ寸法が違うんだな 

とあり、他人の価値観や意見に自分を合わせても自分自身の幸せには結びつかないと述べています

どうせ比べるなら他人とではなく、過去の自分と比べるべきだと思います

意外に自分は成長してきているのがわかるし

自分の歴史を読み直すことは大切です

はじめて転職をする時、24年いた自分の職務経歴書を書きました

「あの時全然数字ができず『営業は向いてない』と悩んでいたな」

「でも年末から伸び始めて、2年後には昇進できたんだよな」

など意外に自分の成長過程が読み直せます

人と比べるのをやめると、自分を好きになれて人生が良くなっていくとも言われていますので、他人の物差しを自分の物差しに変えていくのは大切なことに思えます

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました 

 
 

「叱る」って依存症だったんだ!

依存症はいろいろある

薬物依存症

アルコール依存症

ギャンブル依存症

昔から世の中には多くの依存症があります

ネット依存症

ゲーム依存症

スマホ依存症

などは近年の新しい依存症です

依存とは心身の健康や生活を脅かしているにも関わらず、特定の物質や行動をやめたくてもやめられない・コントロールできない状態のことを指します

依存には、アルコールやニコチン、薬物などに関連する物質系の依存

ギャンブルや浪費、インターネットなどの行動や習慣に関連する物質系の依存があります 

依存症には段階があり、アルコール依存症で見てみれば

・つきあいで飲むなどは全く依存症ではありません

・酒に強くなり量が増加していく

・ほろ酔いでは飲んだ気がしなくなる

この辺から依存症が始まりかけます

・飲んで記憶を失うようになる

・飲むことを優先した生活になる

となれば職場にも家族にも多大な迷惑をかけるようになります

コントロールできなくなり、周りと自分にも迷惑になっていくのが依存症です

 

叱る依存症 

精神科医竹中直人さんによると叱るという行為も依存症だそうです

「ええ、叱るも依存症なの?」と世の親や管理職は引いてしまいます

親は虐待にあたる行為は理解しています

管理職はパワハラにあたる行為は理解しています

竹中さんは「叱るはしちゃダメ」とは言っていません

幼稚園の子供が父親の飲んでいたお酒を飲もうとしたら「お酒を飲んじゃダメ!子供にとっては毒だから」と親は言います

会議に遅刻してきた部下に「君が遅刻したせいで○○のプレゼンができずにプロジェクトの取り掛かりが大きく遅れる」と上司が叱ります

「○○しちゃダメ」「それは○○だから」と叱るのはしてはいけない行為ではありません

叱るという行為は誰かに変わってほしいから行います

「相手を変えよう」「変えたい」「変わるはずだ」という気持ちの表現が叱るという行為なのです

「何度言ったらわかるの」「しっかりしろ」など余計な言葉が付きます

相手が思った通りに代わらないと叱り方は強くなっていきます

叱る方は「相手のことを想って行っている」と思い込みやすく、悪い行為だという自覚が芽生えにくいです

「俺は叱られたからこそ出来るようになった」という成功体験も叱るを正当化することに拍車を掛けます

「相手のことを想って叱る」「俺も叱られたからこそよくなった」が叱るを正当化し、次第にエスカレートしていき、依存症になるようです

 

叱るはほとんど効果はない 

権力を持っている方が正解をつくれ、罰を与えることが出来ます

この罰を与えることが快感になってしまう人も多いようです

正当化して感情のいら立ちをぶつけることができるとも見ることが出来ます

竹中さんは叱るという行為にほぼ効果はないと言います

叱られた人が学ぶのは、叱られた時にどうすれば良いのかだけだそうです

叱るという行為は

叱る側のニーズを強く満たす側面がある

叱らずにいられない依存的な状態に陥りやすい

と述べています

叱ると気持ちよくなってしまう要因として

自己効力感という報酬

処罰感情の充足という報酬

叱るの強化と慢性化

をあげており、叱るが常態化すると叱る人がより過激になると言います

叱られてディフェンス状態の人間は理解力が半減するそうです

「悪いことをした!どうすればいいのか」と学ぼうとしているのに理解力が半減してしまい学習できない状態ということです

「叱ってくれて有難かった」と思う場合は、叱ってくれた人が好きな人の場合です

好きでもない人に叱られてもほぼ学習効果はないということです

日本のこれからの未来を創る若者や子供たちは今や数も減り、非常に貴重な存在です

未来を創る世代をつぶさないためにも、もっと人間科学で多くを解明していくことは大切だと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 
 

笑わない日はもったいない

人はだんだん笑わなくなる

シャンポールの言葉に

全ての日々の中で一番もったいないのは

笑わなかった日である

とあります

人は仕事をするために生きているのではなく

何かを成し遂げるために生きているのではなく

幸福になる為に生きています

長男が2年生より青森の大学キャンパスに移り、現在猫保護のサークル活動をしていますが、里親になってくれる人と連絡を取る時「時々強烈ななまりで全く相手の言葉がわからないことがある」と困っていました

送られてきたYouTubeでみると本当に津軽弁がわかりません

日本には陸の孤島のような地区がいくつかあります

あまり他の地域の人と接しないせいか、地域独自の言葉を古来より変える必要がない地域です

人の顔色をうかがったり、空気を読む必要なく生きていけます

「でもそういう地域の人たちは皆よく笑い幸せそう」とも言っていました

猫を届けに行くと「何がおかしいんだろう?」ということでよく笑っている そうです

人間にとって笑って生きられることは最も幸せな人生と言えます

大阪大学医学部の大平哲也教授の論文でも

子供は一日平均300回笑う

大人は17回

70歳以上は2回しか笑わないそうです

笑わない日というのは確かにもったいないかもしれません

 

幸福を科学してみる 

人は幸福になる為に生きているのであれば「幸福とは何だろう?」はもっとも議論すべきことです

脳科学者の中野信子さんの『科学がつきとめた運のいい人』で考えてみたいと思います

まず一つは自分なりの幸せの物差しを持っていることだと中野信子さんは述べています

これは自分の価値観で自分はどんな状態が心地良いのかをわかっていることです

何に幸せを感じるかは人によって違います

次が自分が面白そうかどうかでで決めることだそうです

企業のトップなども面白そうだから取り組むという行動が多いようです

面白そうと感じるものだけを選択すれば笑いが増えます

笑いが増えれば免疫力が上がり健康になります

どうも日本人は「仕事は苦行」と考える人が多いです

国家権力者の都合のいい言葉として生まれた「働かざるもの食うべからず」など、当のロシアより日本人の方が「そうだよな」と共感しています

失職すると「しばらく遊べる!ラッキー!」と考える欧米人に対して、セロトニンの少ない日本人はショックで自殺する人も出たりします

「終身雇用は終わった」というと絶望感を抱く人も多いので、気づかれないように少しづつ変えていくしかありません

 

「なんて自分は運が良いんだ」と思い込む 

次が自分は運がいいと思い込んでいることだそうです

「運がいいと思い込んでる人」と「運が悪いと思い込んでる人」で現実的には起こっている現象に大差はありません

有名なエピソードで、松下幸之助さんが船上で人とぶつかり海に落ちてしまったときに「私は本当に運がいい!落ちたのが冬の海でなくてよかった!」と言っています

根拠があろうがなかろうが、運のいい人は「自分は運がいい」と思い込んでいるようです

何が起こっても自分は運がいいと思い込むは幸福な人生を送るうえで非常に大切です

そして自分を大切に扱うことも大切だと言います

1台はピッカピカの車、もう1台は汚れて痛んでる部分も多い車で「どちらかを思いっきり棒で叩け!」と言われれば多くの人は汚れた車を叩きます

人は自分を大切にしている人を粗末に扱うのは抵抗があるのです

自分を大切にすると他人にも大切にされます

故に良好な人間関係が築けます

「何やってもダメだ」「生きるのがつらい」という感じの人はやはり遠ざけられます

人は無意識に運のよさそうな人に近づこうとします

「いつも機嫌良くしていろ」

「笑う門には福来る」

など非常に的を得た言葉のようです

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 
 

教えるは「ほお~」と「へえ~」がポイント

企業の研修は学校の授業とは違う

採用企画部から教育企画部に異動し、新卒の教育・研修担当になり最初のデビュー戦は2週間の『新入社員入社研修』でした

初日から先輩社員に洗礼を浴びます

「学校の授業じゃないんだから」

テキスト・レジメを淡々と読むなということです

180人を前にして話をするとどうしても長きにわたり染みついている学生時代の集団教育のようになってしまいます

「入社したては真面目に一言一句聞くけれど、慣れてくるに従いインプットさせるのが大変になる」とアドバイスされます

社外講師や他部署の部課長の講義をよく観察していると、やはり話の上手い下手があります

それ以降、テレビでもなんでも人の話し方をよく観察するようになりました

学生時代は入れる頭が評価され

社会人は出す頭が重要になってくる

とある社外講師に言われ「なるほど」と感じます

「いくらいいことを言っても相手の頭にインプットされなければ行動を変えられない」

「行動が変わらなければ結果が出ないし成長もない」

と言われます

 

テンションが低い相手を基準とする 

『入れる頭』と『出す頭』は違います

よく難関大学の教授が話すと「事務的平板」「何言ってるかわからない」場合があります

知識はものすごくあるのでしょうが、淡々と話すと頭に残りません

とある先輩のインストラクターに言葉よりテンションを伝えろと言われます

テンションの高い社員は表情豊かに聞きますが、テンションの低い社員には伝わってるのか不安になります

うなずくわけでもない能面顔の社員には講師は非常にやりずらいものです

トムとジェリーなど言葉はなくとも万国共通で楽しめる『テンションだけの作品』といえます

伝える言葉でみれば

へえ~

ほお~

なるほど

と感じるとインプットが確実だと言われます

社員は研修参加ではノウハウを求めているのですが、伝え方が下手だと脳にインプットしてくれません

ようはそれ、現場に戻ったらやってみよう!」となる伝え方が企業の研修では必要になります

 

大衆の前で話すのは難しい 

少数の人に伝えるのと違い、多くの人を前に話すのは難しいです

ユーモアのセンスのある人

声の大きい人

印象の強い人

はやはり有利です

「元気ですか!元気があれば何でもできる」

「パワー!やー!!」

など声が大きくインパクトが強いと誰からも注目を集めます

私たちは毎日 無意識に人と会話をしていますが、これまでに話すことを専門的に学んだことはほとんどないと思います

 話すこととは私たちにとって日常的な行為で意識せずに行っていますので、話し方を教えてもらうこともなく我流で話してきているはず

今まで自己流で身に付けたことを、意識して見直して自然にできるまで練習がやはり必要です

ワールドカップなどを見ていると監督は「ここで何と言おう?」「どんなテンションで話そう?」と考えているんだろうな・・・とつい考えてしまいます

「聞いてない奴が悪い」「理解力がないのが悪い」「集中力が無いからだ」と言っている間は伝達能力は成長しにくいです

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 
 

言語化の大切さ

思考の90%以上は無意識

支店長になりたての頃コーチンは必修科目でした

他にも休みの日を利用して、講習料と交通費は会社が負担してくれるいくつかのスキルを身につける講習があり心理カウンセリングを資格が取れるまで受けさせてくれました

心理カウンセリングは心理学の知識を活用し積極的にアドバイスをするものというイメージでいましたが、実際は傾聴』と『共感で相手の話を聞くのが9割でした

「積極的に関わるコーチングとはえらく違う」と感じたのを覚えています

実は人間の思考の90%以上は無意識なんです

「気付いている」部分を顕在意識=意識

「気付いてない」「理解していない」部分を潜在意識=無意識

とすると90%以上は顕在意識ということです

人は皆自分の中の何かに支配されているといえます

心理カウンセリングは潜在意識を顕在意識に上げていく作業なのです

はたから心理カウンセラーの働いている姿を見ていると「ただうなずきながら感じよく話を聞いているだけじゃん」と見えます

この相手に話させるということが非常に大切なのです

 

話せば半分解決する 

「悩みを話したらなんだか気分が晴れた」という経験はないでしょうか?

「話聞いてよ!」「聞いても力にはなれないよ」「聞くだけでいいよ」

で聞いている方は何もアドバイスも出来ないのに相手の悩みが解決してしまうことがあります

逆にべらべらアドバイスされて混乱する時もあります

聞くという行為でなぜ悩みが解決してしまうのか・・・

昔から「口は1つ・耳は2つ神は話すより聞く方が重要だと私達をつくりたもうた」などと言いますが、その通りだと思います

精神科医の樺沢紫苑さんの話では言葉にすれば悩みは消えると言います

悩みを言語化する』という行為が非常に大切なようです

心理カウンセリングも、もやもやした悩みを言語化して伝えようとしているうちに自分で自分を治療していきます

もやもやした無意識を意識に変えるのが言語化です

言語化言葉にすることで悩みがはっきりするということです

「自分が何に悩んでいるかなんて、ハッキリわかってる」つもりでいますが、言葉にして伝えようとすると言語化されてないことがわかります

ネガティブ思考は意識できないままでは解決したくてもできないので、言語化によって炙り出すのです

漠然として捉えどころがないものを客観的・具体的に捉えるのが言語化です

 

混乱と堂々巡り 

悩んでいるという状態は脳内が『混乱』し『堂々巡り』している状態と言えます

漫然とした悩みをハッキリさせることが出来れば、その対処法も見えてきます

脳の作業領域は極めて狭く、脳の中で同時に処理できる情報は3つまでと樺沢さんは述べています

脳の作業領域=ワーキングメモリが満杯な状態だと、ただ辛く苦しい状態になってしまいます

頭の中だけで考え事をすると、誰でも『堂々巡りの状態』になってしまいます

悩みの9割が言語化で解決するならば人に話せばいいのですが「話せる人がいない」「聞かれたくない悩み」もあります

そのような場合はノートに書きながら向き合うことでもいいそうです

樺沢さんはYouTubeで悩み相談をしているそうですが、その際120字以内にまとめるように伝えているそうです

『自分の悩みを言語化することを促す』ためと、120字にまとめることは自分と向き合い、頭の中を整理整頓させるためだと言います

悩みを書き出してるうちに悩みが軽くなることもあるそうです

重度のがんの患者に筆記エクササイズを行うと

・病気に対する考え方が変わった・・・・49%

・今の状況について気持ちが変わった・・38%

と87%の患者に変化があったそうです

3行ポジティブ日記というものもあり「今日あった楽しかった出来事」を3つ思い出し書いたらすぐに楽しかったことをイメージしながら布団に入り、眠りにつくと良いそうです

このことで『不安の抑制』『睡眠改善効果』があるそうです

悩みは放置して、その数が増えていくと心の公害になっていき、心を汚染していきます

「たかが話すこと」「たかが書くこと」と考えるかもしれませんが、意外に大切な事なのです

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 
 

「賃金交渉」が必要になる時代がくる?

日本人の7割が賃金交渉をしない

 皆さんは会社に対して賃上げ要求・交渉をしたことがありますでしょうか?

私はありません

賃上げ交渉など労働組合任せでした

「この年俸では納得いかない!退団する」とか言っているスポーツ選手を冷ややかな目で見ていました

そもそも日本人は会社と賃金交渉をあまりしないという調査結果があるそうです

「賃金上げろ!」なんか厚かましく、ずうずうしい行為に感じます

 リクルートワークス研究所が発表した「5カ国リレーション調査」によると、日本人の労働者のうち賃金について

「要望する」が

「要望しない」もしくは「わからない」が

だそうです

ちなみに海外(同調査ではアメリカ、フランス、デンマーク、中国)では

「要望する」が約7割

「要望しない」もしくは「わからない」が約3割とのこと

日本人は世界的に見て賃金交渉したがらない国民だといえそうです

他国が成長を続けているなかで、日本だけ前に進めていない事情のひとつに中間層の低賃金化があり、さらにその要因に賃金交渉していないのが理由の一つのようです

「個人ももっと積極的に賃金交渉すべき」とは個人的には驚きです

 

厳しいことも言うが雇用も頑張っている トヨタ

トヨタの社長というと

「今後終身雇用は難しい」

と言いながらも「EVに方向転換すると多くの雇用が失われる」

「水素なら従来の技術が応用でき雇用が維持される」

常に雇用を考えてくれている方です

ここにきて世界はEVから水素にシフトしている流れもあります

「コロナ禍においても、日本全国で約88万人の雇用が減少しているなかで、自動車産業27万人の雇用増を成し遂げました」

「この27万人に平均年収500万円をかけると、約1兆3500億円というお金を家計に分配しているということになります 」

「自動車・部品産業は2009年以降、賃上げ率は約2.2%/年となっており、これは全業種平均約2.0%を上回っております 」

と述べています

ベストーカーWebより引用

賃金が30年間横ばいとは言え、億を稼ぐ高所得者層は過去最高に増えており、ボリュームゾーンである中間層は大きく所得が減っています

現実は横ばいではなく、大きく賃金は落ちていると言えそうです

「賃金は確かに減っているけど、日本は雇用が安定している」と主張する人も多いです

上がらなくていいから安定は保障してほしいが多くが望むことのようですが、若い世代は「80歳まで働くのだから安定などいらない!最初から働きに見合った賃金が欲しい」と考えています

若い世代は一つの企業にずっといるわけではないので「在職年数に応じて賃金を増やす年功序列はおかしい」と反発を覚えています

これから日本も賃金交渉のする社員が増えてくるかもしれません

 

しばらく分断は続く 

終身雇用を要望する世代は

「雇用の安定は絶対!仕事もこのまま変化しないでほしい」と願い

若い世代は

労働期間は長くなり、社会の変化は速くなるのだから、常に学び直して伸びている分野に移らないと変化の波に乗れない

「終身雇用も年功序列もいらない」と考えています

しばらくこの働き方に対する思考の分断は続くと思います

若い世代に「昨年と変わらない仕事をしているのに給料が上がるわけないじゃないですか」と言われたことがあり「よくわかっているな」と少し関心をしました

国の成長の為には学び直しを繰り返す覚悟を持った社員が増えた方がいいです

「賃金は長く一つの企業に仕えることにより伸びていくもの」が終わり

賃金は学び直しにより自分の価値を高め伸ばしていくものが標準となっていくと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 
 

女性の社会参加への戦い

力が支配していた時代

古今東西万古不変、戦争を起こすのは大部分男性です

戦争の大義名分も勝った負けたも抜きにしてみれば、多くの死者を出し人口を減らす行為です

逆に女性は人間を生み出す力を持っており、男性は逆立ちしても新たな命を生み出す能力を持ちません

人口を増やす女性・減らす男性という歴史の見方もできます

生物界の原理は弱肉強食であり力が強いものが優勢に立つという法則が続きます

知性の発達した人類は少しづつ平等であろうという力が働きます

奴隷制度はなくなり、女性に選挙権が認められ、徐々に平等な社会になっていきます

私が高校生の時は早慶に進める頭の良い女の子でも親の意向で女子大に進まされることが多かったです

中には「女が四年制大学などダメだ!短大にしろ!」という親までいました

「女だから・・・」で能力があっても男より後ろにつかされます

日本の女性が選挙権を得たのはアメリカに遅れること25年、第二次世界大戦終戦の年である1945年です

現在も大学進学率こそ同じになりましたが、女性の管理職は8.9%という低水準です

 

ルース・ギンズバーグ最高裁判事の戦い

アメリカ連邦最高裁判所女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグは米国の歴史の中でも最も尊敬された女性の一人ではないでしょうか

2020年9月膵臓癌による合併症が原因で87歳で亡くなりました

ギンズバーグ氏は9名で構成されている最高裁判事のひとりでリベラル派の人物として知られています

現役判事のなかで最も高齢であり、闘病生活が続いていたにもかかわらず、1日も休むことなく最後まで職務を全うした姿は多くの人から尊敬されていました

ギンズバーグ氏は

リベラル派の象徴

アメリカ人女性のアイコン

アメリカで最も尊敬される女性と呼ばれています

名門コーネル大学を首席で卒業した後、結婚、出産しハーバード大学ロースクールに自身も入学しています

幼子を抱えながら女性が法律を勉強するなど、当時のアメリカでは考えられないことだったようです

当時のハーバード大学ロースクール学生500名のうち女性はわずか9名だけで、大学幹部からはなぜ男性がいるべき場所にあなたがいるのか?」と言われたそうです

ギンズバーグ氏は女性はしばしば偶像化されて崇められてきましたが、担ぎ上げられたその台座をよく見ると、それは台座というよりむしろ(おり)だったとと語っています

当時の米国企業に勤める女性の管理職比率は5%台で、女性の昇進には見えないガラスの天井があると言われていました

これは大統領選挙に敗れた時のヒラリークリントンも述べています

「未だ存在するガラスの天井を破る女性が現れることを信じている」とヒラリーは語っています

 

差別と戦う 

ギンズバーグ氏は1972年にはコロンビア大学ロースクールで初の女性常勤教員になります

この頃には、各地で人権を巡る法廷闘争を手がけ性差別と戦う女性として全国的な名声を手にいれるようになりました

1980年カーター大統領からコロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判所判事に任命され

1993年にクリントン大統領から連邦最高裁判事に指名されて就任します

アメリカ史上二人目の女性最高裁判事です

ギンズバーグは27年間にわたってリベラル派の最高裁判事として活躍し、男子のみ入学を許可していた軍事学校を違憲とする判決を下したり、LGBTの権利容認、人工中絶支持、フェミニスト、リベラル判事として多くの人から支持されてきました

夫が亡くなった後も2度にわたる自身の癌手術をし、最高裁の仕事を1日も休む事なくこなしていましたが、病には勝てずこの世を去ります 

当時の大統領はトランプで「私が亡くなると保守派の最高判事に変えられてしまう」と必死に生きようとします

彼女が亡くなればトランプ大統領によって保守色が強い最高裁判事を作り出す絶好のチャンスです

9つの判事の席は「保守派」「リベラル派」という見えないふたつの派閥に分かれており、ギンズバーグが在籍していた時は「5対4」で保守派が多かったものの、ギンズバーグのようなカリスマ的な存在がいたことで、少数のリベラル派であっても影響力を保持できていました

しかし、そのカリスマが不在になったことで9つある最高判事の席は「6対3」で「保守派」が占めることになりました

このことは、最高裁で争われる裁判の判決が保守的な判決になる可能性が高いことを意味しています 

彼女を嫌っていたトランプも記者団にギンズバーグ氏の訃報を知らされ知らなかった見事な人生だったそれ以外に言いようがないと敬意を感じる発言をしています 

「私は自分の性別を理由にした特別扱いなど求めません!兄弟たちに求めるのはただひとつ!私たちの首から皆さんのその足を下してください!それだけです」

様々な決定が行われる全ての場所に、女性はいるべきです!女性がいるのが例外であってはなりません」

次世代を育成する責任を男性が女性と分担して初めて、女性は真の平等を実現することになります」

自分はとても明るい星のもとに生まれたのだと思っています」 

彼女は多くの言葉を残しています

ギンズバーグ氏誕生までには、自由と平等を求めた女性たちの百年にわたる闘いがあったと言われています

多くの女性たちが信念のバトンをつないで今があるのだと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 
 

終身雇用と年功序列はなぜ生まれたか

企業都合で生まれた制度

戦後の日本は東洋の奇跡と呼ばれるほどの経済復興を成し遂げました

アメリカ人のような豊かな生活がしたい」

冷蔵庫・洗濯機・掃除機・テレビ・自動車・エアコンなどなかったものが大量に生産され、消費されていきます

当時、松下幸之助さんが「貧困をなくすため無尽蔵に家電生産をせねばならない」と語っているのを見ればわかるように無尽蔵に物が作れた時代が戦後の日本でした

当時の経営者は「ほっておくと給料の高い会社に従業員が移ってしまう」と労働力を囲いこむ方法を求めていました

・学校を出た金の卵の確保=新卒一括採用

・定年まで雇用する=終身雇用

・給料は年齢に応じてあげていく=年功序列

・定年まで在籍すれば多くのお金が入る=退職金制度

・老後の安定を図る=年金制度 が作られます

「学生さん!うちに入社すれば定年まで面倒みますよ」

「社員さん!いればいるほどだんだん給料は上がっていきますよ」

「最後までいれば多くの退職金が出ますよ」

「会社も半分貴方の年金・保険を払ってますよ」

と至れり尽くせりの制度で労働力を囲い込みます

 

成長し続けるが終身雇用の条件 

戦後の高度成長期は東京駅・上野駅などは集団就職の学生でごった返します

兄弟も多く「長男以外は家出ていって自立しろ!」という状況とも相まって「俺は次男だから東京出ようか?大阪か?」と雇い主を求めて都市部に若者が出てきます

「ようこそ東京へ」と歓迎の垂れ幕が駅を飾ります

男は老後まで働かせてくれる会社を求め

女は嫁入り先を求め「就職は腰掛」と考えて上京したのが高度成長期の日本です

転職などは裏切者扱い

今と違い「あいつは金で動いた汚い奴」という見方をされます

私が最初、採用職に就いたころは古い社員が

「あの頃の採用担当者は営業よりノルマがきつかった

「採用数が予定に満たない=生産性が伸びないで社長に烈火のごとく怒られた」 

人買い屋みたいな仕事だった」

と言っていました

無尽蔵に物が作れる時代に生まれたのが終身雇用制度・年功序列制度なのです

少し考えればわかりますが、この制度はずっと経済が成長し続けることが条件になります

日本も人口がⅤ字回復して伸び続ければ終身雇用の考えが復活するかもしれません

 

世の中は相場で決まる

本日の金の相場は8,556,900 円 です

世の中は相場で回っています

コロナ前に調理師専門学校に行くと、ほとんどの学校が私と就職担当者の1対1でしたが、コロナになると学校によっては私1人に7人も先生が出てくる場合もあります

コロナ下で調理師の需要が大きく落ちたからです

ユニクロの社長は「デジタルに長けた人材なら年収10億払ってもいい」と言います

求める人材も相場で決まります

常に人手不足の職場ならずっといてほしいという永年雇用になります

ほっといても優秀な学生が毎年入社してくる企業なら定年は45歳にすべきなどと考えています

多分しばらくはジョブ型雇用6割・永年雇用4割となるのではと見ております

バブル経済崩壊後、日本は欧米のようにジョブ型雇用に切り替えるべきでしたが、それができず ずるずる30年来てしまいました

雇用を守るために従業員の多い企業は保護しようとしたため本来なら淘汰されるべき企業ゾンビ企業が多数あります

失職すると「しばらく遊ぼう」という他国と違い、日本人は非常にショックを受け、自殺者が出たりします

そんな日本人気質も重なってジョブ型雇用に切り替えることが難航したのだと思います

日本の働き方は現在過渡期にいます

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 
 

この人が採用すると変な人ばかり

ある支店のスタッフの問題

私が初めて支店長になったのは新潟県中越地方にある絶不調の支店でした

私の前もその前も支店長は業績が悪く降職でした

当時は長引く景気低迷で支店が増えるわけではなく、誰かが降職をしないと私たちのような若手は支店長にはなれませんでした

「堕ちてくる人を待つ」という何とも嫌な状況です

前任の支店長と引継ぎの時「前の支店長が採用したメンバーが本当にひどい!本当に苦労した」とぼやいていました

確かに人が多く辞めて、多く補充した時代です

新入社員時代の上司にドイツ軍のロンメル将軍の言葉である与えられた環境で知恵を出して勤めよをよく聞かされてましたので「与えられたスタッフで文句を言わずに成果を出さなくては」とは思っていました

が、現状「なんでこんな人採用したんだろう?」という人が多くいます

もう何十年もいるメンバー5人は潜在能力は高かったと思いますが、ここ数年に採用したメンバーが業績ひどい状況です

「このメンバーでどうやって戦うんだろう?」

雪が積もりだした新潟で暗いスタートでした

 

人を見る目の曇った人 

どこの企業にもいるかもしれませんがこの人の採用した人は問題がある人ばかりという面接官がいます

本部で新卒採用の時は

1次面接・・課長クラス3人

2次面接・・部長クラス3人

最終面接・・役員クラス3人

で3人の目で観察して「今日の50人の中から誰を次の選考に送るか?」を3人で話し合いますので、見る目のない人がいたとしてもさほど問題にはなりません

生涯賃金3億円の高い買い物ですから9人の目でしっかり見定めます

地方の支店は大概、支店長一人で面接して合否を決める場合が多いので、人を見る目がずれた人が採用すると不向きな人間を抱え込むことになります

とにかく一人面接は危険です

日本の労働法では人を簡単に切ることが出来ず、労働組合の目も厳しいです

野球やサッカーの監督のようにメンバーチェンジが簡単に出来たらどんだけリーダーは楽か・・・

採用時代の上長が採るのは人材・採ってはいけないのが人罪と言っていた言葉がよみがえります

 

組織は人で出来ている 

地域によっては求人が集まりにくい地域もあります

やむを得ず人手として採用せねばならない時もあります

新潟県は求人を出すと多くの人が来る恵まれた地域です

選んで変な人を採ったとしか言いようがなかったので、賞与評価もS・AかDかの極端な成果主義にしました

人事部からも「支店長になったら急に厳しいね」などと冷やかされます

前々任の支店長=見る目のない人はマネジメントも少し変わっていて「全員平等主義」と一律B評価でした

当然、能力があり業績の良い社員は不服です

能力のない人は平等を主張しますから「私は一生懸命やっている」と思い込んでおり「業績は悪いが」は削除しています

組織は人で成り立っているので採用はその入り口です

サッポロビールの社長が大量リストラをした時社員の人生など関係ない!組織が生き延びることを優先したと言ってましたが「ひどい話だ」と思うかもしれませんが、リーダーはそういう状況に追い込まれる時があります

労働組合のアンケートに「支店は好調になったのに、大きくボーナスが下がった!」と記入したらしく、採用時代の先輩社員が心配して連絡をくれました

現状を話し「フォローは不要です!3年かけて半分は入れ替えます」と伝えます

実際は4年かけて入れ替えましたが、人罪を人材に変えれば業績は安定的に良くなります

ある意味黒歴史、ある意味痛い目にあって深く学んだ時代でした

面接は必ず副支店長と2人でやっていました

人を見る目に自信があっても選考は2人以上でやるべきだと思います

どの企業にも「採用マニュアル」や「選考のポイント」はあると思いますが、人を観るのは人ですから『観る目を養う』ことは非常に重要だと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました