人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

自由を追う人 逃げる人

自由=皆が求めているものではない

「自由」というと、圧力やいらぬ規則などから解放された人間らしい素晴らしい状態と感じます

ですが、職場の同い年の男性でも「従業員という奴隷所得の方がいいです」「人の命令されて動いている方がいいです」という人もわりと多いです

表現の自由が規制されている国をみると「やはり日本はいいな」と感じます

北朝鮮からの脱北者の中には北朝鮮に戻りたがる人もいるようです

北朝鮮では仕事が決められ、食料・衣服は配給だった」と聞くと、民主主義社会に育った人は「かわいそうに」と感じます

ただ、脱北者に言わせると「仕事は自由に選べ!服は自分で選んで買いに行け!」などの「自分で自由に!」の社会は苦痛のようです

自由を強く求める人もいれば、自由という苦痛から逃げる人もいるようです

「自由=素晴らしいモノ」でもない人も多いようです

自由からの逃走 

会社員の頃は「決められた時間に出勤するように毎朝満員電車に乗り、上司に命令され、顧客のわがままを聞き、人間関係に気を使う生活なんてヤダ!」と定年退職して自由になると「自由過ぎて辛い!時間はあるけど思考は堂々巡り!」となる人も見かけます

ドイツ生まれの心理学者エーリッヒ・フロムは模範的な民主主義の憲法であるワイマール憲法の自由を捨て、人々は熱狂的にナチスを支持して自らの自由を手放し、ナチス服従を誓うのを目の当たりにします

この状態は今でもあり、カルト宗教などを信仰する人々などがそれにあたります

フロムの解説では自由は2つあると説明しています

①「○○からの自由という消極的自由

②「○○への自由という積極的自由

の2種類です

「縛られる時間と行動、煩わしい人間関係のサラリーマン生活からの自由」などの消極的自由を得た人は孤独感と無力感を感じ、自己責任の重荷に耐えられなくなると得た自由からの逃走をはじめるといいます

大谷翔平のように、人には「自分が何になるか」を思い描き、実現に動く力があります

これがフロムの言う○○への自由の追求を通して、自分の尊厳の自発的な行動ができるという積極的自由になります

フロムの主張する自由とは自由に生きるとは自分はこうありたいと考えて行動することとなります

自由の3つの基本ルール 

イギリスの哲学者ミルは

人は他人を害さない限り自由である

個人に力を行使していいのは他人の害が及ぶときのみ

としています

自分に関することは自分で決まられる

自分のあり方を決める最終的権利をもつのは自分

と主張しています

特に親や年長者に多い「これはあなたのためでしょ!」と言って干渉する姿勢は「本人の為」と干渉を正当化していることになります

よく見かける光景ですが本人に関わることは本人の自主性が絶対です

ミルは人には他人を害さない限り自由に幸福を追求できる3つの自由領域があると述べています

ものを考え・感じ・表現することの自由

好き嫌い・選択の自由

個人同士の団結の自由

の3つです

現在様々な自由がありますが、そのすべては人を害さない限りから始まります

ミルが最終的に主張したいのは自由になれば考える筋力がつき能力が花開いて、社会も豊かになるということのようです

 

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