FIには賛成!REには疑問
FIRE(Financial Independence, Retire Early)は「経済的自立して早期リタイア」のことですが、 私個人としては「経済的自立は絶対に目指すべきだが、意味なく早期リタイアする必要はない」という考えです
「俺は〇歳でFIREした!」と早いほど有能で勝ち組のような風潮がありました
SNSの「48歳!FIREしました!」という投稿に「48歳?早期じゃないんじゃね?」などというやり取りを目にしました
「早く労働から解放されたものが勝ち」という議論は意味を成しません
人それぞれだからです
「早期にリタイアなんて、最近の若者はけしからん!」という古い世代はスルーしても良いと思います
大昔から「土地を貸して利益を得る」「金や株で利益を出す」人々は多く存在していました
今のようにSNSで自慢げに語ることはなく、つつましやかに、ひっそりと生活していたので周りが把握できていなかっただけです
このような人は「労働所得一本で生活を続けるなど牛馬と同じ」という考え方を、上の世代より口伝で伝えられてきたようです
「庶民は汗水たらして馬車馬のように働き、高い税金を納めて一生を終える」ということを知っている人はごく一握りです
情報民主主義になると賢い人は社会のこの仕組みに気が付き、政府を批判したり、自分も社会の仕組みの隙間を歩くことをおぼえます
「ほおっておくと動けなくなる直前まで働かされて、収入の半分を税金で搾取され続ける」と気づいてしまった人たちです
国の支配層はどこの国でも気が付かれないように、えげつなく搾取してきます
そういう意味では経済的自立に努力することは大いに賛成します
サラリーマンは有難いがいつまでも続けるものではない
日本では三菱サラリーマンさんのFIREのブログが影響を与えたようです
とにかく会社組織が嫌いで「出社」を「出舎」などと言っています
そうとう会社組織が嫌いなんでしょうね?
・毎朝、満員電車にすし詰めになり出社する
・不条理な上司に怒られる
・客に訳の分からないクレームを言われる
・助け合いのない部署の仲間
・きついノルマ
・同期間の足の引っ張り合い
サラリーマン人生は嫌なことの方が多いかもしれませんが、嫌な出来事も辛い経験も『自分の人生の大きなパズルの一つのかけがえのないピース』だと思います
若いうちはそのことに気づきにくいので早期にリタイアしてしまうと「雇われる人生は牛馬のごとく」という考えしか残りません
新入社員入社研修で、とある社外講師が「若いうちは自分を鍛えてくれる道場だと思って会社に出てこい」と言っていましたが、その通りだと思います
平成初期だから言えた言葉で、今の若い世代には受け入れられにくい言葉ですが・・・
「人生は思い通りにならないことの方が多い」と気づくのには時間がかかります
会社は若い人には多くの時間とお金を費やし教育・研修をしてくれ、成功体験と失敗体験を積み重ねスキルを磨いてくれるありがたい存在でもあります
見方を変えれば、お金をもらいながら自分を鍛えてくれる道場と言えます
ただいつまでも雇われる人生はどうなんだろうと思います
国は身体が動けなくなる直前まで「納税者」「労働者」「消費者」として働いてくれることを有難がります
何を目指してFIRE?
「人に雇われる労働者人生なんて早く抜け出すに限る!」というFIREは個人的には賛同しかねます
「じゃあ理想的なFIREったどんなもの?」と問われれば
「小説家になりたい」
「詩人になりたい」
「音楽家になりたい」
「画家になりたい」
「将棋の棋士になりたい」
「でも好きを仕事にできる人は一握り」
「仕事で生活のお金を稼ぎ、好きは趣味として続ける」が一般的です
「就職せずに小説家になりたい」となれば親だって反対してきます
稼げるようになるまでいくら時間がかかるかわからないし、ずっとダメかもしれません
「その為に投資家として生計を立てれるようにするまでサラリーマンとして働く」ならば夢を目指したFIREになると思います
投資家になりたいと言っても、最初は自分という人的資本を労働市場に投資して資金を作るしかありません
「好きを仕事にするためにFIREを目指す」ならば素晴らしい人生プランだと思います
やはり羨ましいのは、国の権力者でもお金持ちでもなく『好きなことを仕事にしている人』だと思います
最もキラキラと輝いた日々を送っているからです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました