人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

リスキリングにみる学習意欲の二極化

仕事は変わり続ける

第一次産業革命については歴史で学びます

機械化により移動・生産が大きく進歩しましたが「機械に仕事を奪われた!」という人が暴徒化して機械を壊したりもしました

しかしこの怒りは思いのほか早く鎮静化します

産業革命により今までなかった新しい仕事が多く生まれたからです

失業率が上がれば治安は悪化し、下がれば治安は良くなるという法則の通りです

第一次産業革命により蒸気機関・機械製造設備の導入

第二次産業革命により電力の活用や分業化

第三次産業革命によりコンピューターの活用による自動化

第四次産業革命によるAI・ロボットの導入による効率化

最初のうちは「仕事を奪う敵」という目で見られますが、そのうちにその恩恵に有難さを感じるようになっていきます

それぞれの節目には異業種への異動のための学習が必須になります

変化が激しく、寿命が延びたことによる労働期間延長の現代は「ずっと同じ仕事してればいいもんね」は難しくなっていきます

 

学ぶ意欲のない人40% 

リスキリングとは、新しいスキルを身につけることで、会社組織の中で新しい仕事を担う人材を育成したり、衰退産業から成長産業に異動することです

政府が発表した「三位一体の労働市場改革の指針」では「リ・スキリングによる能力向上支援」によって成長産業への労働移動を進めることで構造的に賃金が上昇する仕組みを作っていくとうたっています

オンライン動画学習大手ユーデミーと提携するベネッセが、学生を除く18歳〜64歳の男女4万人を対象にした調査を実施したところ、日本では「リスキリング」が浸透していない現実が浮き彫りになりました

学習意欲・学習経験ともにないなんで学ぶの層が40% 

学習経験も学習意欲もある学んでいます層は35% 

という完全に二極化していることがわかりました

日本の社会人の学習時間は一日平均6分という衝撃の結果が出ていますが、学習している人は非常に学習し、しない人は全くしないで平均が6分になってしまうようです

社外セミナーなどで会う他社の社員は皆さん意欲も高く「会社に戻ったらすぐに活かす」という感じでしたので、個人的には意欲が高い人は80%位だと思っていました

「AIの登場で消える仕事」などと聞くと

学習意欲の高い人は「仕事はどう変わるんだ」「どんな仕事に変化していくんだろう」など好奇心が旺盛で、変化が楽しそうです

学習意欲の低い人は「仕事が奪われる!国は何とかしろ!」かストレートの現実に怒ります

学習意欲の違いで、変化を楽しめるのか、変化が苦痛かに分かれる気がします

 

認知と実行にはタイムラグもある

リスキリングという言葉の認知度は2022年の調査では23%だったのに対し、今回の調査では56%に急伸しているそうです 

ユーデミー日本事業責任者でベネッセコーポレーション・社会人教育事業本部長の飯田智紀氏は認知と実行にはタイムラグもあり、リスキリングの必要性は知っていてもまだ行動ができていない人が多いと語っていました

リスキリングに向けた行動を起こせない要因として

時間がない」「やる気がない」「お金がない

という3つの要素があると指摘しています

1年間でリスキリングの認知度が倍以上になったように、これから大きく伸びていくのか・・・

「学習行動自体拒否する人は30%はいる」とも聞いたことがありますが、取り残されていく人も多いのか・・・

労働期間がどんどん長くなる社会では、その分様々な変化を目の当たりにし学習なしで逃げ切れる時代ではなくなってきています

個人的には日本人は小さな工夫を重ね、少しずつ変化に順応していくと思っています

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました