人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

リスキリングを重く固く考えない

「学び」=学校ではない

私より上の世代は『学び=学校・権威ある資格』などと考えやすいようです

私もよく3泊3日でよく中小企業大学に行かされたり、ビジネス講義や社会人の為のセミナーに行きます

会社には非常に感謝しておりますが、○○大学の教授、○○の権威など肩書のある講師や、スクールの社会的地位で計るところがあります

もちろん内容はかかる経費以上にいいものですが、時間とお金が掛かる分気軽ではないです

学校で学んだ方がいいものも多くあります

Webの資格を取った経験もありますが、Web系は独学や通信教育より学校に行った方がいいと思います

独学の人も多いですが、なかなか大変で挫折しやすいです

ただ『情報民主主義』と呼ばれ、これだけインターネットが普及した社会では、長距離移動・長時間拘束せずとも学べる手段は多数あります

「学校に行かなければならない」

「資格を取らなければならない」

がリスキリングのすべてではないのです

 

隙間時間で十分学べる時代 

YouTubeやブログを見ていても有料級の情報が無料で得られます

「なんとありがたい時代だ!」と感動することもあります

私も不動産投資はセミナー系:1 書籍:4 ネット系:5でノウハウを得ました

学校など行かずともサラリーマンより稼げます

隙間時間で様々な知識やノウハウが得られるありがたい時代です

「リスキリング=学び直しの時代とか、もうついていけないよ!」

「この年で学び直せなど勘弁してくれ」

学ぶことを重く・固く考えすぎてるような気がします

ネットの普及は思い立った時に学べるという便利さがあります

銀行員から投資家に転身した人も

大手商社からイチゴ栽培へ転身した人も

大手ホームセンターから移動販売車へ転身した人も

建設業から介護タクシーの会社を起業した人も

すべてネット中心の独学でした

これも立派なリスキリングによる転身です

リスキリングは自己流で出来るようになったのが情報民主主義の利点です

リスキリングがなぜ必要かというと

小さくは社内他部署異動の為

中では 『ステップアップ転職の為

大きくは異業種へ転身・起業の為 です

趣味が高じて起業するなど最高のリスキニングです

国はリスキリングの支援に5年で1兆円を投じる 予定ですが、これは停滞産業・衰退産業から成長産業へ労働力を異動させるためです

テクノロジーの進歩などにより世界で8500万人が失われますが、新たな仕事で9700万人の雇用が生まれます

終身雇用の『ぶら下がり体質』から、新しい仕事の為に『リスキニング体質』に思考をチェンジしなければなりません

今の小学生が就職する頃は70%が今現在存在しない仕事に就くと言われています

今はその過渡期と言えそうです

ただ4割は万年人手不足で「できるだけ長く働いてほしい」という永年雇用企業が存在すると思います

こちらはリスキニングとは無縁の仕事内容になりそうです

「学び直して自分をバージョンアップ?そんな社会はごめんこうむる」も日本人の半数いると思います

日本は民主社会主義とも言われていますので、競争のない民主主義派はこちらの方が生きやすそうです

就職は学び直して自分をバージョンアップしていく『ジョブ型雇用派』と一所懸命=1つの仕事を生涯やり抜く『永年雇用派』に分かれていくと思います

 

リスキリングに力を入れている企業は増え続けている

「世の中は変わった!もう俺の居場所はこの会社には無くなった!」と嘆く時代ではなくなりました

寿命が延びた分労働期間が延びる

変化のスピードが加速的に早くなっている

ので合わせてリスキリングに力を入れている企業は増加しています

必要のなくなった職務の人を切るのではなく、新たに必要な分野の人材にすべくリスキリングに力を入れています

富士通はIT企業からDX企業への変革に向け、従業員13万人をDX人材にリスキリングする取り組みを実施

 成長投資として5年間で5,000~6,000億円の投資をおこなう予定だそうです

人材育成プログラムを開始することを発表し、テクノロジー分野のパートナー企業である3社の協力の下、最先端テクノロジースキルを習得できる教育プログラムを開発しました

 世界中の従業員に向けオンラインで提供します

日立製作所は全従業員16万人を対象とした企業独自のDX人材育成 大手電機メーカーの日立製作所は「社会価値の創出を牽引する人財戦略」を発表

 人材戦略の1つに「デジタル人財の強化」を掲げ、特に同社のDXサービス事業を牽引できるデジタル人材を2021年度に3万人規模に強化する方針を打ち出しています

具体的なプログラムとしてグループの日立アカデミーと連携し、会社独自の研修プログラムを開発しました

 約100コースのデジタル関連研修コースを用意しています

三菱UFJ銀行は 金融業界の厳しい競争環境への対策のため、DX推進により業務の効率化と課題解決を図ることを目指しています

全従業員にデジタルリテラシー教育を実施 し、3万人の全従業員を対象としたeラーニングによるデジタル教育を行い、特にデータ分析教育に力を入れています

ダイキン工業は1,500人(従業員全体の18%)の従業員をDX人材化し 、DX人材の不足という課題解決のため企業内大学を設立してます

合理的でドライな欧米企業は古いスキルの社員を切り捨てて、新しいスキルの社員と入れ替えますが縁あって入社した社員は出来るだけ長く活用したいと考える日本企業はJOB型雇用の中にも終身雇用の精神が生きているように見えます

「デジタル人材になる」などは大きな学び直しが必要です

情報民主主義の利点を生かして自己で学ぶことは小さくコツコツと学んでいけます

リスキリングといっても大小の差があります

スポーツ選手などはスポーツから全く異業種の仕事をしなければなりませんが、寿命が延びて職業の栄枯衰退のサイクルも早くなっていけば一生で仕事は3回は学び直して変えていくことになりそうです

日本人の1つの企業への平均勤続年数は現在アメリカの3倍ですが、これは大きくアメリカの数字にシフトしていくと思います

子供たちに「大きな会社に入社して一生勤めあげなさい」「この業界に行きなさい」は昭和の価値観の押し付けでしかありません

「虫は卵⇒幼虫⇒蛹⇒成虫と変わるでしょ!同じように社会でも変態を繰り返していくのよ!」というのが令和の時代の適切なアドバイスと言えそうです

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました