仕事の根っこをまず理解する
前回に引き続き学生の職業選びのポイントをまた別の視点から述べていきたいと思います
昔、営業企画部という部署に勤務していた時に「どの雑誌に宣伝広告を掲載するか?」で多くの雑誌を検討しました
「女性誌には美容系の広告が多いね」
「男性誌には育毛系の広告が多い」
「男女ともに楽に痩せる系が多い」
などなのが目につき話題になりました
広告代理店の人の話では「戦後は薬の広告が多かった」と言います
飢えや病気の問題が解決してくると『外見の悩み』が大きな問題になってくるようです
「20歳過ぎても遅くない!背が伸びる」や
かなり剥げている人が3か月でふさふさになってる広告もあります
「ホントかよ?!」と言いたくなる広告が世の中にはたくさんあります
こちらは広告料がわかるので「名もない小さな会社がこんなに毎月・毎週広告宣伝費かけて大丈夫なのか?」と考えてしまいますが、それほど売れるのでしょう
人には〈悩んでること〉〈困ってること〉が数多くあり、解決しても次の悩みが生まれてきます
それを解決するための『商品』『サービス』を提供する為に企業は存在します
悩みを解決するために企業は存在する
戦後の高度成長期を向かえた日本では『3種の神技』冷蔵庫・洗濯機・掃除機を全世帯が揃えようと懸命に働きました
昼食・夕食の度に商店街へ買い出しに行かねばならず、朝食は海苔や卵などの保存のきくものしか食べられませんでしたが、冷蔵庫のお陰で買い出しに行く量が激減します
ほうきと塵取りで掃除をしていたものが、掃除機のお陰で楽に早く終わります
洗濯板でゴシゴシしていた洗濯も洗濯機のお陰で楽になりました
自動車が売られ
クーラーが売られ
ストーブが売られ
テレビが売られ
電話が各世帯につながり
お風呂も各世帯に設置され
フランスに行かなくともフレンチは食べられるようになり
人々の悩みは次々に解決され、生活はどんどん快適になっていきます
最初は新しいテクノロジーに喜んでいても、それが当たり前になると新たな悩みが次々に生まれてきます
企業は新しい部署をつくったり、新しい会社が生まれたり、求められる悩みの解決の為に新しい仕事が生まれていきます
今、学生の若い世代は60年~70年の労働期間になります
従って「これからどんな悩みが生まれる?」
「それを解決するための仕事は?」
を考えることが仕事選びには大切になってくると思います
何を解決する仕事に就くのか
企業というところはありがたいところで、未熟な新卒の社員にしっかり教育・研修をしてくれ一人前になるまで育ててくれます
多様性の時代なので、最初から起業にチャレンジするのもいいし、小さなベンチャーで活躍するのも良いと思いますが、個人的には最初は大企業でスタートを勧めます
①教育・研修がしっかりしている
②同期入社での競争がある
③人材層がミルフィーユのように厚い
④簡単に偉くなれず下積みが長い
からです
反面教師も立派な教育者です
しっかり実力をつけ「組織の歯車みたいでやだ」「上の層が厚すぎて窮屈だ」と不満なら小さな会社や独立を選択しても良いと思います
自分が重要な存在になってきたら『人々の悩みをキャッチする』能力が重要です
どんなに優れていてもAIにはこのような力はありません
悩みをキャッチしたら『その悩みを解決する方法・手段を提案』できることです
これからの仕事はAIがかなり入り込んできますが〈悩みがないAI〉は上記2つは出来ません
これは頭脳明晰な人だけの分野ではありません
なにか不平・不満が発生した時に「国が悪い」「会社が悪い」「上司が悪い」と口は動くが頭と体は動かずの人にならず、どこ・なぜ・どうをしっかり考えるクセを若いうちに身につけることが重要です
ポイントがずれていても、解決に至らなくても『考えるクセ』が重要で、唯一AIにはない機能です
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました