「経済の発展」と「人名」を天秤にかけた問題
ジョニー・デップの『MINAMATA』見てまいりました
水俣病は歴史の授業でも出てはきます
〈流して教える教師〉もあれば〈熱っぽく語る教師〉もいます
偶然か中学も高校も〈熱っぽく語る教師〉にあたりました
「企業も自治体も事実を隠ぺいした」
「病人が抗議をしている姿を見た世界の人々が『こんなことがあっていいのか!』と声を上げたことにより決着がついた」
と教わりました
メディアの力が強くなってきた時代です
ベトナム戦争も初めてテレビ中継された戦争で「こんな悲惨な戦争はやめろ!」という世論に動かされて終戦と聞きます
高度成長期は〈水俣病〉だけでなく、各地で公害問題が起きていた時代です
『経済成長が最優先』
地元からすれば『多くの雇用を生んでくれている』
ということになります
今の世界のように〈コンプライアンス〉の意識も薄く〈SDGs〉などはなかった時代です
猫が踊り出す
水俣病は、チッソ工場の排水の中にあったメチル水銀が、海にいる魚や貝などに入って、それを人が食べたことによって起こりました
体の中に入ったメチル水銀は、主に脳や神経を侵し、手足のしびれ、ふるえ、脱力、耳鳴り、見える範囲が狭くなる、耳が聞こえにくい、言葉がはっきりしない、動きがぎこちなくなる、などの症状が起こります
汚染された魚を食べた母親のおなかのなかでメチル水銀が体に入って、魚を食べていないのに水俣病になった赤ちゃんもいます
最初は「猫が踊り出す」という状況が多発します
昭和31年4月に原因不明の激しい脳症状を訴える5才の女児が病院を受診し、入院しました
同年5月1日同工場附属病院長が水俣保健所に脳症状を呈する患者の発生を報告し、この日が「水俣病公式確認の日」とされています
映画を見て知ったのですが〈猫が踊り出す〉という時点で工場は、原因を突き止めていたようです
近代史はもっと教育すべき
未来予測の書籍などが人気です
日本の将来への不安からよく売れるのだと思います
明治維新以降の近代日本、特に加速度をつけて変化した太平洋戦争後の日本史は、もっと詳しく教えるべきだと思います
昭和20年・30年・40年・50年・・・・
知ってるようで知らず、今につながっていることは多いです
世界史も同じくです
世界三大投資家の一人ジムロジャースが、最も学ぶべきは『歴史』『哲学』『数学』だと強調しています
「歴史は繰り返す」
「考え方は重要」
「感覚でなく数字でとらえよ」
という意味合いからのようです
世界に目を向けても、成長期の国で〈水俣病〉と同じように公害で苦しんでいる国は多いです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました