人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

「待つ」というスキル

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高等動物ほど待てる

 ネズミは「おあずけ」ができない

猫も「おあずけ」ができない

それに比べ

犬は20秒

サルは1分

チンパンジーは5分

「おあずけ」ができるそうです

高等動物ほど待てるようです

子供に対して 会社の後輩に対して 部下に対して

もう少し経過を待って・・・ もう少しよく理解してから 発言すればいいのに「つい浅はかな発言をしてしまった」という人は多いです

親や管理職を人を育てるという側面から観れば待てる」は非常に重要な要素となると思います

 子や部下が話してるのを途中で遮りこちら言い分をいう・・・

 待つのが苦手な人は 周りの人を不快にさせます

待てない=相手の気持ちを考える余裕がない ということです

基本的に「人財育成が上手い人は『待つ能力』が高い」場合が多いです 

観察力 分析力 理解力 忍耐力 などは「待つ能力」と比例します

「鳴かぬなら鳴くまで待というホトトギス

という思考の人が天下を取るのもよく理解できます

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「善は急げ」「果報は寝て待て」 

といってる 私自身も(若い頃は特に)せっかちに動く方で あとになって後悔することも多かった半面 「すぐ動く君の行動力は素晴らしい」「善は急げだ などと評価されてきたので行動に移すのは早い方がいいという考えが強かったです

 部下もすぐに行動するを非常に評価していました

すぐ動く⇒成功も失敗も すべて体験学習 「動くほど多く学習してる」というマネジメントでした

若い頃は「果報は寝て待て」など到底理解できる言葉ではありませんでした

「動」があれば「静」がある

情熱と冷静 話すと聞く 寛容さと規律 知の管理と情の管理 とにかくアクセルとブレーキのように 物事には2方向が必要です

重要なことにも2種類あります

急ぐ重要なこと ・・・売上作り クレーム対応 など

急がない重要なこと・・人財育成

ビジネス社会に身を置いての持論は

すぐ動かない人は 実績がなく 体験学習不足

せっかちな人は 人が育たない   ということです

売上数字を名指すなら「時は金なり」「善は急げ」なのだと思います

結果が出るのに時間を有するものであれば

「機が熟すのを待つ」

「時の流れに身を負かす」

「じっくり見守る」

「慌てる乞食は貰いが少ない」

と考えることが大切です

世の中は 時間が解決してくれる ものが多いのです

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 人を育てるは玉を磨くと同じ

 ネズミ 猫 犬 よりはるかに長く生きるのが人間です

生まれてすぐに移動するために動ける他の動物と違い 人間の赤ちゃんの成長は時間がかかります

成人するまでに他の動物つは1年を要しません

それだけ高等動物であり メカニズムが複雑なのです

道元の言葉に

人は錬磨により仁となる

とあります

玉は磨くことで価値が出る

人も磨くことで真の人となる

初めから光り輝いている玉はない

初めから優れた働きをする人もいない

光る為には磨き 鍛錬すること

決して能力や素質がないと自らを卑下して道を学ぶ努力を怠ってはいけない

私達は自分自身の成長にも「待つ」ことが重要なようです 

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

復旧か 復興か

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感染症の後に社会構造は変わる

 コロナウイルスの感染拡大は

・働き方の変化

・日常生活の変化

・各業界の構造変化

様々な変化を余儀なくされました

3・11の時は復旧に全力を注ぎました

アフターコロナの世界はどうなるのでしょう・・・

復旧・・・元のカタチに戻すこと

復興・・・新しいカタチを創り上げること

 「もう元の社会には戻らない」

そう「復旧」ではなく世界は復興を目指していきます

明治維新 太平洋戦争のあと と同じです

人類の歴史では「感染症の流行」で社会変化が起こた例が多々あります

 14世紀のペスト黒死病はヨーロッパ・中央アジアで7500万~2億人の死者を出したと言われています

これにより

・歴史上最も広大な領地を支配していたモンゴル帝国が衰退していきます

・人口の1/3を失ったヨーロッパの中世は終わり 農業から工業へ 近世の時代が到来します 

歴史が新しい時代に動き 歴史的な視点では良い方向に向かったと言えます

スペイン風邪は1700万~5000万人の死者を出しました これは20代~30代の死者が多く 高齢者の死亡率は高くなかったと言われています

日本は大正7年~9年 人口の4割が感染し 医療崩壊もあり死者は約39万人と言われています

世界人口の1/3が感染 第一次世界大戦終結が早まりました

16世紀新大陸で天然痘が流行します 死者は不明です

天然痘によりアステカ文明やインカ文明が滅亡したと言われています 天然痘は文明の滅亡という最悪の事態を引き起こした半面 ヨーロッパ側からすれば 新大陸の植民地化を早期に成功させたといえます

 他にも人類は コレラ エイズ エボラ SARS MERS などの感染症と戦ってきました

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世界は「復興」を目指す 

 予防のために新しい生活様式という提唱がありました

・マスクを着用

・ソーシャルディスタンス

・三密回避

・黙食 etc

今までとは違う生活様式です

これは仕事も同じくでパンデミック働き方改革が提唱されました

・オンラインによる会議や講義

・リモートワーク リモート授業

など移動せずに会議に参加したり 講義を受けたりしていたのが 移動せずにできるようになりました

これは時間と交通費の節約になります

ハンコが電子印鑑になりそうなのもコロナ社会の恩恵です

今後は海外留学などもオンラインで可能になるかもしれません 大学などで海外の有名校の教授の授業が日本にいながら受けることができます

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大都市集中型経済という昭和型世界も否定されました

「新しい生活様式」はやがて日常的なものになり 社会そのものを変化させていくでしょう

医療システムも変わります

行政システムも変わると思います

人類が新たな時代を生き抜くためにも 文明は常に進化していきます

歴史を見てもその契機として パンデミックがあり 人類は多大な犠牲を払いながらも戦い・進化させ 新しい文明を築いてきました

未来の歴史では今回の新型コロナウイルスの流行をどのように捉えるのでしょう

生活は

キャシュレス化 と ネット販売主流 へ

仕事は

テレワーク リモートワーク ハンコ・書類文化減少

教育も

オンライン化導入

政治は

中央集権から地方分権

こんなことが後世の歴史で語られるのではないでしょうか

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万物流転 歴史は流れである 

 万物流転すべてのものは流れの中にあります

追い風には帆をはり 向かい風にはオールを漕ぐ

その流れを正しく深く知ることが大切です

 流れに従って流れを制す

                      ( 小堀流泳法の要諦)

流れに逆らうのは徒労でしかありません

ワクチン接種率から見るとまだまだ先かもしれませんが 私たちはアフターコロナの新しい社会をそろそろ視野に入れるときに来たのかもしれません

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

聴けば人は生きる

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人を活かす4つのポイント

 管理職や監督職の立場になってくると人間音痴じゃいけないと企業は様々なそれに対処する研修や教育を行います

名選手 名監督にあらず

仕事のスキルが高い 業績が素晴らしい からイコール人財育成が素晴らしいではないからです

私自身も数々のマネジメント研修を受けてきましたが 人に関することはすぐに結果が出るものではなく かなり年月が経過してからその素晴らしさに気づきます

今でも風化せずに使用できるのが 元住友生命金平敬之助さんの講義でした

全く畑違いの保険会社出身ですが人を辞めさせず 人を活かし成果を出してきたことに学ぶべき点が多くあります

要領よく出世の早い人より 現場力のある人に学ぶべきです

私が金平敬之助さんの講義から学び実践してきたことはシンプルで

 1.聴く

 2.任せる

 3.知らせる

 4.認める

の4つです

これはマネジメントで苦労してきた人には 理論になくともなんとなくしみついてることです 

コミニュケーションが大事

信頼関係が大事

などと口をそろえて皆言うのが この4つのポイントです

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 「聴く」が最も大切

 人間には集団欲求があります

仲間と一緒にいたい

というのが人間最大の欲求です

仲間に認められたい」「チームに貢献したいという欲求が次にきます

チームの役に立たず ゆえに仲間に認められず 輪の中に入れず では人間は生きる希望を失います

エンジンの止まった車と同じです 走りません

優れた管理職は 指示が的確 朝礼が雄弁 などの前に聴き上手なのです

私も経験してわかりましたが 支店長は何億円もの予算を背負い 人・物・金を自分の権限で自由に扱える人で権力がある・・・ などと思われがちですが・・・

実際は 部下が動いてくれなければ「1円も生み出せない」という立場にいます

非常に脆弱な立場だと言えます

業績が悪ければ「異動」 悪いのが続けば「降職」でした 

資本主義は競争社会ですから 強い組織づくりのためには競争による入れ替えは至極当然のことです

若い世代がどんどん育ってきています 代わりなどいくらでもいます

一見 堂々としているようで部下に命運を託している状態です

脅したり 厳しい管理をすれば一瞬は伸びますが 長くは続きません

誰もが部下にやる気を出してもらうにはどうしたらいいだろうと頭を悩ませているのが現状です

部下の大半は「いい仕事をして認められたい」「チームに貢献したい」と思ってますし 上司も同じく「いい業績を創りたい」「いいチームを創りたい」と思っているわけですから 両者の利害は一致しています

部下の話をよく聴き

任せて 細かく知らせて 認める ことです

よく「マネジメントは高尚なものでハイレベルな知識」と思っている管理職がいますが 人の育成など皆同じで 人の育成に長けた人は 管理職でも 教師でも 親でも どの立場でも優秀だと思います

人を伸ばす技術は至ってシンプルです

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耳は2つ・口は1つ 

 人間は偉くなり リーダーになると つい説教や演説が好きになるものらしい

言いたいことが山のようにあるものだから ミーティングでも会議でも一人でしゃべってる人も多い

勘違いしてはいけないのは リーダーが喋りたい以上に メンバーはもっとたくさんの言い分をもっているということです

西洋のことわざ通り

耳は一つ 口は二つ

神は喋る倍だけ人の話を聞きなさい

と我々を創りたもうた

のです

喋る倍だけ聴くことができるのが 優れたリーダー 優れた親なのです

やはり どんな人からも学ぶべきものがあり 是非聞かせていただきたいという こちらの誠意がなければ 人生などむなしくなるだけではないでしょうか

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

アフターコロナとリモートワーク

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テレワークのメリット・デメリット 

 ZoomUber Eatsコロナ社会になって初めて知りました

第一回目の緊急事態宣言の時は「リモートで仕事って無理が多い」という意見が大半でしたが 慣れれば考え方も変わります

最近 人事・総務・経理でテレワークの総括しましたがメリットも多くあります

交通費が大幅減 これには出張減も含まれます

大幅なペーパーレス とにかくコピーが激減しました

オフィスを統廃合による経費減

・クリエイティブ系の仕事の社員は自宅の方が集中して作業できるようで仕事効率が良くなった 会議・ミーティングが大きく減ったこともあるようです

・通勤時間が無くなりワークライフバランスが整えられ時間的余裕が生まれます 特に大都市圏はドアツードアで2時間 往復4時間通勤に費やしていた社員もいます

私がブログを始めることができたのも 年末からのリモート勤務があったからです

致し方なく・・・ではじめたテレワークですが 1年やってみるとメリットも大きいです

 今後もテレワークを続けていくという企業 67.1だそうです

まだ子供が小さい方 介護が必要な高齢者がいる方 は「かなり助かった」とも言います

まさにパンデミックに後押しされた働き方改革といえそうです

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 デメリットも多いテレワーク

 「大学には入学したものの 入学式はなく 授業もリモート 同級生に会ったこともない」という深刻な声も聞きます 

誰にも会わないなら通信教育と変わりません 大学のキャンパスライフは授業以外にも サークル活動 アルバイト など仲間と交流することにより得るものも多いのです

入社式もなければ 会社説明会もない 面接もWeb・・・

人に合わない=コミニュケーションがなくなる

業務のプロセスが見えない=アウトプットのみで仕事が不透明

課題も多くあります

コロナは他にも意外な社会現象を生みました

Wi-Fi環境を整えたら那須の別荘が完売した

・何の渋滞?と思ったらドライブスルー待ち

・キャンプ場(山奥)が密になってる

・在宅時間が増え 家族の言い争いが増えた

・閉店する店が増え 移動販売車が増えた

もっとも面白かったのが採用媒体の担当者との話

「飲食店の求人が激減したけど 今度はドライバー不足が深刻です」

リモートワーク専門の会社が出てきて人気ですよ

そもそもリモートが無理な仕事も多いです

仕事がリモートだとありがたいという人も思いのほか多いようです

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基本的に人は人と接するべき

 家族状況などでリモートの方が助かる人も多いいでしょう

無駄な交通費 無駄な時間を掛けて人と会わなくてもいい仕事が多いのもこの1年でよくわかりました

 販売もEコマースが主流になってくるでしょう

それでも人は人との接触をなくしてはいけないと思います

人間の脳には情操の座というものがあります

これはあらゆる動物の中で人間にしかないやさしさを司る部分です

犬はもらい泣きしません 「情操の座」がないからです

 人間は3歳を過ぎた頃から 他人の痛みに対して同情するようになっていきます 「やさしさ」が育ってくるのです

「情操の座」だけでななく あらゆる情緒が沈黙していきます

インドネシア

笑う友達は見つけやすいが

泣いてくれる友達は得難い

という言葉があります

 「情操の座」が稼働するような関係を築くことは やはりコンタクトする時間に比例していくと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

集団欲の重要性

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「私はバナナ」

 大学生を使っての孤独実験というのを聞いたことがある

暗い部屋に1人閉じ込める

24時間後に部屋から出す

作文を書かせる⇒ まともなことを書く

36時間・・・ 48時間・・・

72時間ぐらいすると少しおかしくなるという

「私はバナナ」などと書くようになる とのこと

人間には集団欲があり 孤独に弱く 集団欲を満足させないと簡単におかしくなる

これは赤ん坊の時も同じで 脳生理学者に言わせれば抱き癖がついてもいいから 良く抱きしめること」と言われてます

皮膚と皮膚の接触が集団欲を満足させるらしい

 真っ暗闇で物音ひとつ聞こえない 刑務所にある独房などは 孤独を好むタイプの人間ですら耐えられないと言われます

「感覚が遮断され 気が狂いそうになる」

幻聴・幻覚がでてきたり 精神攪乱状態一歩手前になるそうです

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 重要な集団欲

 集団で行動した方が 食料の調達 外敵から身を守る 病気やけがの時の対処 など生存に適していたので集団欲・集団欲求があるのだと思います

私達は文明も文化も発達した中で生きていますが 人類の歴史の大部分は原始時代です  人類の歴史は200万年と言われていますが そのほとんどは文明などない期間です

 人間は 共同生活を営むことで 集団の力を使い 生きるために安全な環境を構築してきたのです

原始時代など 一人では猛獣と戦うのは困難です 一人では狩りをするよりチームでの狩りの方が成功率は高く なにより病気やけがをしたとき援助を受けることができる これは格段に生存率をあげます

原始時代は 一人になること  集団から省かれること  集団から孤立すること は死を意味しました

子供の頃は一人で生きることができない弱い立場です

子どもの場合 その集団の最小単位が家族になります

家族への所属欲求は 無条件に満たしてあげることが重要です 

子どもは親に認めてもらおうとしてます 認めてもらうことで家族への所属欲求が満たされるからです 

にもかかわらず「勉強が出来たら」「スポーツの成績が良かったら」など「結果が良かったら承認する」という条件付きの承認をしてはなりません

 結果などは関係なく ありのままのあなたが大切なんだという姿勢が大切です

もちろん現代社会では 一人で生きることは十分可能です

しかし 我々の本能の中には「集団欲がある」ということを知って行動しないと 人間関係が上手くいかず 子育てに支障が出て 部下に「人間音痴」などと言われかねません

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 新しい仲間を受け入れるとき

 子供に限らず 新しい人が職場に入ってきた時は配慮が必要です

たとえ60代後半でも「人生経験豊富だし 俺みたいな若造が・・・」などと考えないことです

新人は居場所がありません

まずは認知することです

「沖縄の生まれ何ですか 海がきれいで人も明るそうですね」

「釣りが好きなんですか 楽しそうですね」

切り出せば たとえ70代でも どんどん話してくるようになります

自分を認めてくれる組織であれば 人は気持ちよく働いてくれます

 司馬遷の『史記』刺客列伝に出てくる 予譲という男がいます

自分をわかってくれた主君の仇を討つため すべてを捨てて刺客となって命を懸けました

 士は己を知る者の為に死す

志士ならば 自分をわかってくれる者のために命を懸けるという意味です

 「人は自分の真価をよく知ってくれて 認めてくれた人のためなら死んでもよいと思うものだ」

「人は基本的に個人主義だ」「自分の利益が第一だ」

という側面もあれば

人は自分の存在価値を認め よく自分のことを知ろうとしてくれた人の為には喜んで苦労をしてくれる側面もあります

組織に属する以上「いい仕事をしたい」「皆の役に立ちたい」と誰もが思っていることも確かだと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

古き良きものは常に新しい

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金言は風化しない

 ほとんどの言葉は時間と共に風化します 環境が変化していくからです

ただ長い年月を経ても風化しない言葉もあります 金言と呼ばれるもので「言葉の宝」と言えます

たとえばビジネス世界ではよく使われる 背水の陣

この言葉が出来たのは 秦が滅び 漢王朝が誕生する前です 日本はまだ社会のカタチもない頃です

毎年3月になると 営業本部から「今年の決算は背水の陣で・・・」と号令がかかりました いつのまにか 3月=背水の陣 となり「今期も背水の陣の季節か・・」と完全に季語になってました

 の名将 韓信を討伐しようと三万弱の兵を率いて趙へ向かいます 対する趙は二十万の兵力 兵力差は歴然

兵法では山を背にし 川に顔を向けて陣を組むべし」というのが当時の兵法のスタンダードですが 韓信はその逆 川を背にした陣を敷きます

それを見た超軍は嘲り笑います「漢の将は兵法の初歩も知らない」

漢兵にしてみれば 溺れて死ぬか 敵を討つかの状態です

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 後に逃げ道のない漢の兵士たちは必死で戦ったので 趙軍はなかなか打ち破ることができません  その間に城は漢軍の別動隊が攻め落としてしまいます

 あえて絶体絶命の状況にさせて必死に戦わせる これは兵法の『これを死地に陥れて後に生き これを亡地に置いて後に存す』にあたります

この大勝利は後に故事成語で「背水の陣」と記録されます

まさに長い時を経ても風化しない言葉の一つです 

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 真に良い物は変化を必要としない

既存の古いものを壊し 新しいものを作り上げる

 革命 改革 革新 変革 維新 チェンジ・・・

人はこういう言葉が好きです

モノ も サービス も 考え方 も時代変化と共に古くなるので新しいものに変化が必要になります

「変化には変化」

変化することで人類は進歩し 経済は伸び 豊かになってきました

ただ 変化することが必ずしも善ではありません

変化させる必要のないものもあります

「変化させ 経済を成長させないと豊かにならないよ」

では もしあらゆる変化を止めたら・・・

江戸時代は 鎖国をし 貿易もせず 自給自足で 戦はなく平和な300年間でした

300年間経済成長はゼロです

ただ 文化的成熟 芸術的洗練 教育による精神文化の向上 にひたすらつとめ 世界に類のない文化国家を創り上げました

物の豊かさでなく 心の豊かさを追求した時代と言えます

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 変化させてはいけないものもある

 「革命」などという言葉が使われると「なんだかよくわからないけどワクワクする」となりがちです

人には「慣れ親しんだものからの変化を嫌う」心と「新しい変化を望む」心の二心があるようです

三菱グループの総帥として令名の高かった田実渉さんは

良き古きものは常に新しい

と言いました

 古きものの中に 良きものを見出すには歴史を深く学び直す必要がある

いわゆる先進国の文化だけが優れているものではなく 諸国・諸民族の文化がそれぞれ独自にいかに優れているか学ぶ必要があると言います

文明の発展の中で 置き去りにしてしまった文化があるのかもしれません

社会人になってから学び直す歴史は 学生時代のような 年号・出来事・人物名ではなく 埋もれている古き良きものを掘り起こすことなのかもしれません

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

士農工商・・・現代の区分

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力関係の変化

 入社間もない頃 営業本部長が「これからは商工農士だ」といいました

物は売れなければ作れない時代

川下ほど強い

物を作る商品開発本部より物を売る営業本部の方が年々発言力が強くなってきていました

バブル経済崩壊というより ほぼ全てのものがいき渡ってしまい 日本自体物質的には豊かになっていました どうしても必要なものは揃えてましたので「いかにして新しいものを買わせるか」が主な戦略になります

商工農士は売る側が強くなってきた時代での発言でした

今は さらに川下の消費者の時代ではないでしょうか・・・

物を作る= ⇒ 物を売る= 力関係の変化を表した言葉でした

私が入る前は「圧倒的に商品本部の方が上」だったと言います

士農工商」は徳川家康が作ったもであることは有名です 

武士が1番偉い 次は食べ物を作る農民 次は道具などを作る人 最後は商人

実際 江戸末期は商人が一番お金があり 農・工は豊かとはいえず 戦のない時代の武士は存在感が薄かったようです

人間社会はヒエラルキーを創りたがります

もちろん現在は 第一次産業 第二次産業 第三次産業 の分類が主で上下関係はありません

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現在の4つの区分 

 資本家と労働者

ホワイトカラーとブルーカラー

時代背景でいろいろな区分がありました

 「現代は何だろう?」

いろいろな視点があります

私はロバート・キヨサキ さんのキャッシュフロー・クワドラントでよく考えます

ロバート・キヨサキさんの本は3冊読み 衝撃を受けた人の一人です)

E:Employee(労働者)

S:Self employee(自営業者)

B:Business owner(ビジネスオーナー)

I:Investor(投資家)

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図:Webより引用

トクワドラント

従業員・サラリーマンなどのお金(給料)を会社などからもらっている状態 一般的に企業に就職などの最も多い収入の得方です

このクワドラントに属する人は他の誰かに代替することが可能です

トクワドラント

自営業者・専門家などお金を自分で稼いで 自分を養っている状態 ある種才能が有り「商才があるからお店を開く」「頭がいいから弁護士に」「顔がいいから俳優に」「野球が上手いから野球選手に」などです

自分が動かなくなると稼ぎはゼロになる

トクワドラント

ビジネスオーナー いわゆる経営者です ビジネスを立ち上げて権利収入からお金を得ています 仕組みを作り自分以外に働いてもらい収益を得ます

ビジネスの立ち上げにかかる時間に対して 得られる対価はとてつもなく多くなり 1以下の働きで100以上の対価を得ています

I トクワドラント

投資家 お金を有望な会社・ビジネス・投資対象に投資することでお金を得ています

基本的にお金や土地を働かせて収益を得ています 

もちろん「法の下に万民は平等」なので上下はありません

8割を占める従業員は日本の場合「労働法」でがっちり守られており 切られることはなく 辞めるは自由です 経営責任など負う必要はなく 作り上げられた仕組みの中で働く職種です

リスクをとりたくなければ従業員が一番安全と言えます

リスクをとってもいいからチャレンジしたい意識高い系の人はその他を選択すればいいのです

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図:Webより引用

 やりがいも 生きがい もどこにもありますし 職業選択は自由の国です

 幸せの感じ方は人それぞれです

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追求すべきは自分に合った幸福 

 「投資家にならねば金持ちにはなれない」

「人生は1度!自分のやりたいことをするべきだ!」

などの考えは人に押し付けられるものではありません

また押し付けるものでもありません

吉田松陰

妄りに人の師となるべからず

妄りに人を師とすべからず

と説いてますが 全くその通りです

 リスクをとっても大きくチャレンジしてお金を得たい人もいれば

安心・安定・安全のAAAを好む人もいます

「この考え方がいいぞ!お金持ちになる方法を教えてやる!」など 妄りに師にならないことです 人の人生は責任を負えませんから

また 人の成功話に妄りに従わないことです その人は可能でも自分はどうかわかりません

社会に出たら 自己責任 の 自己防衛 が基本だと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

職種変化が加速していく

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世襲率は10%まで下がる

 「うちは親子三代そば屋」

「オヤジが教師だったから僕も教師になった」

江戸時代から戦前にかけて日本では 子は親の職業を引き継ぐ慣習がありました 武士の子は武士 農民の子は農民 商人の子は商人

戦後もしばらくは日本は農業大国でした

高度成長期に入ると 地方の農家の次男・三男が都会に出て就職するケースが増えていきます 「集団就職」などと言われる社会現象も起きたようです

1955年の世襲率は 43

その後 徐々に世襲率は低下し

1995年の世襲率は   になりました

2005年の世襲率は 10 と微増

これは戦後の産業変化が激しかったことも理由です

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主力産業が 農業だった日本も工業大国になり 現在はサービス業が主流です 70%が第3次産業についています

親が農業・漁業を営んでいても 子は2次産業・3次産業に進んで行きました

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 世襲率の高い医療系

世襲率が大幅にダウンしたと言っても変わらず高いものもあります

世襲率が高い職業

医者 歯科医

僧侶 神主

伝統工芸士

などです

親が開業医であれば 診療施設や患者を引き継げます なんといっても所得が高いです

ただ医学部はどの大学でも別格に 偏差値が高く 学費も高い ですから 医者になることを宿命づけられるのもなかなか重荷の幼少期になります

宗教家と伝統的工芸品は産業変化の波に飲み込まれにくいと言えます

今 小学校に通っている子供たちは 7割近く現段階で存在しない職業につくと言われてますから 今後はさらに産業変化 職種の変化は加速すると思います

親が子供に「将来は〇〇になりなさい」などと言えない時代になりました

子供は子供で 変化の激しい時代に職業選択をしなければなりません

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 人は思うより変化に強い

 今までモノづくりに携わっていた人が いきなり売る仕事にまわされて戸惑っているのも見たことがあります

人は慣れ親しんだ脳の使い方を変えるのは苦痛のようです

一種の居心地の良さを求める気質の一部です

子供は大人が思うより毎日かなり多くの能力開発をさせられています

語学やったら 数の法則 絵を描け 歌え など10種類以上異なった脳の訓練がされてます

脳だけでなく身体も 短距離と長距離 懸垂などの腕力 幅跳びに高跳びのジャンプ力 得手不得手関係なく 高校卒業まではやらされます

専門性などは 大学や専門学校からです 問答無用に多くの能力強化の日々を送ります

私達はあらゆる変化に対応できる脳の基礎が脳の最も発達する時期に訓練されていると言えます

そのうえで宮本武蔵の言うように

一理に達すれば万法に通ず

という 一理一芸に達した人間は そこで会得された原理が万般に通ずるようになるという境地まで行くことができます

 親が思うより子供は変化には強く

自分が思うより私たちは変化に強いのではないでしょうか

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

毒と成長

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人は軽度の刺激で少しづつ強化している 

 「野菜は身体にいい たくさん食べよう!」

野菜にはビタミン・ミネラルが豊富です 欠かせない食品ですね

ですが野菜にはがあります 鳥や虫などから身を守る為です

「ええええ、毒!」

例えばポリフェノール  「体にいい」というイメージが出来上がって「ポリフェノール入り」アピールする食品も多いです

「記憶力をあげたいなら『一昨日(昨日ではない)のことを思い出すのと ポリフェノールと言われたくらいです

ポリフェノールは毒ですが 私たちの身体は少量の毒を取り入れ身体の機能を強化しています

 研究が進み ポリフェノールは高い確率で健康にプラスになることが分かっています

日本人が生野菜を食べるようになったのは戦後になってからだそうです それまでは漬物くらいで 今のように野菜サラダを食べてはいません 昔の日本人は生野菜には毒があることを知っていたからだそうです

適度な刺激がないと身体機能も精神も強くなりません

筋トレ自体は「筋肉破壊行為」です 休養と栄養をとることで超回復をし「また同じ刺激で壊れないように強くする」という身体強化がされるのです

勉強もそうです メリットや必要性があるから苦痛に耐えるのです

精神も同じで「腹が減った」で赤ん坊のように泣きだす大人は皆無です

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 刺激で成長する

 適度な毒刺激は成長につながるのです

行き過ぎると「苦痛あってこその成長」というブラック企業的思想になっていきます 無意味な苦痛は企業は成長しても 人は成長しません

心地よい状態を好むのが人間 であるのは事実です

酷暑の夏 厳寒の冬 より春や秋を好む人の方が多いです

ただ  成長を伴う行動には苦痛を生じる のも確かです

ある程年齢を重ねれば「あの時は苦痛だったが〇〇が成長できた・強くなった」と考えることができます

「若いうちの苦労は買ってでもしろ!」とはわかっていても「心地よさを求めるベクトル」に進みがちで 買ってでもは苦労したがりません

たいがいの人は 痛い目に合って初めて考える・学習する・行動する パターンが多いと思います

「我に七難八苦を与えたまえ!」などとはよほどの強い刺激がないと思いつきもしません 苦痛が強すぎたり長すぎたりして 身体や精神に支障をきたしては意味がなく 過剰な苦痛は当然避けます

私達が求めるのは 健全な苦痛 です

自分をバージョンアップするためのものです

自己成長に結びつかない苦痛なら耐える意味がありません

社会は「快楽」と「毒」に満ちてますが 身を亡ぼす毒と快楽は避けなければなりません

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 人の価値は苦労の差で決まる

 私などは「快適」「居心地の良さ」を求めて行動し 適当に痛い目に合う という日常です 自ら進んで「苦痛」は味わいません

それでも多少なりとも「自己成長の欲求」「習得欲求」「自己実現の欲求」はあります

やはりビジネス現場で出会った「格が違うな」と感じる人は 苦労も多いです

学歴でも エリートコースを歩んだ人でもありません

格の違いは苦労の差 だと思います

やはり様々な「毒」に対処してきただけあり免疫力も強いです

古代ローマの政治家 セネカ

大切なのは

何を耐えたのかではなく

どう耐えたかである

の通りです

 苦しみにいかに耐えたかでその人の実力や人間性がわかり 将来が決まると思います

社会に出れば知らず知らずのうちに「毒」は入ってきます それがまた自分の成長につながっているのも事実ではないでしょうか

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました