人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

部下の育成一流・二流・三流

自己成長できるか否かは重要項目

いい会社か否か評価する基準は人それぞれですが、Z世代などは自己成長できるか否かも一番の基準になっています

質の良いZ世代ほど自己成長できる企業を本気で探しています

自己成長できるか否かは会社も重要ですが、指導する上長の方が重要だと思います

同じ仕事内容でも「あの人の下は育つ」「あの人の下は伸びない」「あの人の下はよく辞める」など管理職により差があります

部下が育つ上司は、立派なことを言っている人というわけではなく、学歴でもなく、男女でもなく、出世が早かった人でもありません

会社としても未来を創ってくれる虎の子の若手を誰に預けるかは非常に重要です

私も支店長になる前の事前研修では『部下の育成力』が研修の半分以上を占めたのを覚えています

昭和世代の悪しき習慣である『部下を自分の所有物のように扱う』考え方がいかに悪かを摺り込まれ、心理カウンセリング・コーチングなども、実戦で研修させられました

たしかに心理カウンセラーも、コーチングインストラクターも、一流・二流・三流があります

同じスキルを身につけても、扱う人によって成果が違う仕事ということです

これは管理職でも同じです

自己成長を支援するのが「傾聴」

一流の心理カウンセラーは心理学の知識が詰まった人ではありません

傾聴力共感力に長けた人です

傾聴は部下を育成する能力としては非常に重要になってきます

心理カウンセリングを学んだ人なら傾聴の産みの親であるカール・ロジャーズは最初に学ぶ名前だと思います

カール・ロジャーズは「私たち生物はすべて自ら能力を発揮したいと願い、それを実現する力を持っているのだ」という実現傾向自己実現傾向)』と呼ばれる生物全般が持つ自己治癒の傾向を発見します

赤ん坊は成長とともに誰から指図を受けずとも、何の報酬を得ることもないのに、勝手に寝返りを打ち、ハイハイをし、立ち上がり歩き出します

そこに作用しているのは、歩く能力を持って生まれた赤ん坊がその能力を発揮しようとしている「実現傾向」と気づきます

ロジャーズはこの実現傾向をはぐくむためには邪魔をしないこと適切な環境を用意することが大切だと考えます

逆に指示命令をしたり正しい方向へと導こうとしたりしてはいけないと述べています

ただただ相手の可能性を信じること、自分は自分であればいいと考えることが大切で、それを受け入れることができたとき人は自然と成長を始めるのだという法則を発見します 

そのような「自己成長」を支援するのが「傾聴」なのです

自己否定して、仮面をかぶって、防衛している人がいたら、その人の話を否定的に聴くのではなく、そのまんま受け容れ、その人自身がそんな自分を自己肯定して、仮面を脱ぎ捨て、防衛するのをやめて「素の自分」でいられるように支援するプロセスこそが「傾聴」なのです

三流は部下の欠点を直そうとし、二流は正しい方向に導こうとするといいます 

人間は自ら能力を発揮したいと願い、それを実現する力をもっています 

伸ばす力を信じる「成長モデル」で相手と向き合うからこそ「真の傾聴」ができるようになるようです

つまり一流はただただ相手の可能性を信じることを大切にするのです 

子供は聴く以上に見るも大切 

「うちの子は会話が一方通行でお友だちと仲良くできない」

「友だちの輪に入っていけないわが子が心配」

と子供のコミニュケーション能力を気にする親は多いです

友達と上手くやる力=社会での人間関係で生きる能力になるからではないでしょうか

あらゆる悩みの中で、いつの時代も人間関係の悩みがもっとも多くを占めます

子供にも傾聴は非常に大切です

スマホを見ながら子どもに返事していたりすると、子供のコミニュケーション能力が落ちますよと聞かされ、びっくりしたことがあります 

さらに子供はちゃんと見ているよが伝わる姿勢をつくることが重要だと言います

たしかに子供は「見て!見て!」と言ってきますよね

3人いてもお構いなしに同時に行ってきます

人は見る人」「見てくれる人を好きになるようで 「見る」「見られる」というのは、子供たちにとって大切な働きかけのようです

初めて会う人と人間関係をつくるときにも有効で、視線をまっすぐにして相手をしっかりと「見る」ことができる人は、何だか自信がありそう、信頼ができそうな印象を与えます 

植物が育つには太陽と水が必要なように、人が育つには『見る・聴く』が重要なようです

 

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