学歴フィルターは都市伝説ではない
「当社は人物本位で採用をしておりますので、学校名にはこだわっておりません」
と大概の企業は述べると思います
企業は人という細胞で出来ているので、利のある人を採用するのが企業にとってもメリットがあります
「人物本位なんだから会ってみないとわかりませんよ!学歴フィルターなんかあったら会えない人も多く、企業にとっても損失が大きい」などともっともらしいことを言っている企業は多いです
では学歴フィルターは存在しないかというとそんなことはありません
学歴フィルターは存在します
企業は明確にターゲットがあります
客層は「学生でも変えるような価格帯」を狙う企業もあれば「富裕層をターゲットに絞る」という企業もあります
採用する学生にも何かしらの『ほしいタイプ』があるはずです
離職者の多さに悩む企業なら『定着率の高いタイプ』
士気が低迷気味なら『元気で明るいタイプ』
年齢が上がり過ぎた組織なら『若者が欲しい』
など人材といってもその求める内容は様々です
物理的に学生をさばききれない企業は多い
「足りなくなったら人を採用すればいい」 という企業の場合は、そのつど必要なタイプが違うと思いますが、定期採用で多くの新卒を採る場合は学歴フィルターはありえます
採用担当者からすれば「うちは学校名なんて関係ない!人物本位で採用してる」と堂々と言える企業と、建前でのみ言っている企業に分かれます
学歴フィルターを設定する場合は物理的な理由もありますので、企業側の立場に立って考えてみると
・まず採用人数を設定します
・次に採用の流れ・・・いわゆる説明会をどうするとか面接は何回するのかなどです
・そして可能な採用人員・・・面接に時間をさける時間などで、1日3人の面接官が学生40人さばく→20日しか出来なければ600人までしか面接ができないことになります
・従って面接可能人員から逆算して「会社説明会に参加した人の80%が選考希望の場合、会社説明会の目標人数は何人まで」という求人希望者の設定がされます
・選考合格者も100人から90人採る場合と、100人から10人採る場合は合格率が低い方が質のいい人材を採用できますが、だからといって多すぎるのも無理が生じますので適性合格率の設定もされます
・ここから今年度の採用費を経理などに出しますが、当然会社の状況によっては変更を余儀なくされる場合もあります
採用人数→選考可能人数→求人者数を逆算して考えると、企業によっては門を開きすぎると大変なことになってしまうことになります
「100人採用だから1500人の学生が来ればいい」と設定したのに5000人来たら大混乱になります
現在はマイナビ・リクナビなどのサイトを使う学生が多いですが、学校名を選べるようになっており、設定した学校であれば会社説明会の日程などが送られ、設定していない学校だと「会社説明会満席」など表示されます
ここから学生が「A大学の友人には案内が行って、B大学の自分には来なかった!学歴フィルターだ!」と気づき始めます
企業によっては学校ブランドにこだわって線を引く場合もありますが、物理的に無理なので線を引かざるを得ない企業の方が多いと思います
社会は人に線を引く
田中角栄総理は東京大学卒ばかりの時代に小学校卒で総理大臣になりました
ついたあだ名が「今太閤」で昭和の豊臣秀吉ということです
ただこういう人はまれで、どこの世界にもガラスの壁は存在します
人は平等を美徳とし、差別を悪とします
逆に選ぶ側の人達からすると『線を引く』ということは必要不可欠です
自分も選ぶ側にまわればよくわかると思います
線を引く側にとっては差別でなく区別なのです
誰しも選択をする時に、比較と線引きはします
社会では目に見えない線や壁がたくさん存在しています
「だから妥協して生きろ」とは言いませんが、現実を現実として受け止めそれに対処する柔軟さをもつべきだと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました