人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

数字と孤独

支配しにくい人

企業などの組織は、扱いやすい人を好みます

教育・研修担当や管理職をやっているとつくづく感じるのが「出世欲のない、名より実を取る人は支配しにくい」「頭の良い一匹狼も支配しにくい」と感じます

やはり手足のように動いてくれる、忠誠心があって素直で適当に頭がいい人が理想です

鋭すぎる頭も嫌うし、あまりに劣っている頭も敬遠しがちです

操作が複雑で扱いが難しいマシンが敬遠されるのと同じです

性能はそこそこでも扱いやすいマシンの方がいいのです

モルトケの法則で

1番重要視すべきは能力が高い意識低い系

2番目は能力も低く意欲も低い人

3番目は能力も意欲も高い人

4番目は能力はないが意欲の高い人でこれは重職につけてはならないとされています

『能力も意欲も高い人』が一番重要視されそうですが、意外な見方をしています

長い間、学生⇒新入社員⇒ベテラン社員の卵・幼虫・成虫を見てきた経験からも、組織では能力が高過ぎる人は危険視されるところがあります

頭がいい人は数字に強い

組織で動く社会に能力的についていけない人は一定数います

境界知能の人達で、現在研究が進んでいます

こことは逆に頭が良すぎて組織行動が苦痛な人たちもいます

フランスでIQが150以上の人々を分析した結果

1/3は優秀な学校を出て、社会では優秀な人間として活躍をしている

1/3は組織行動に馴染めず、文学や研究など個人で動いている

1/3は勉強にも興味をもたず、ほぼドロップアウトしている

とのことで、頭が良ければ社会に出ても優秀ではないようです

ほんとうに勉強を良くする子供は、大概の親は有り難がります

ただ、高学歴難民が問題になりつつあるように「うちの子は勉強は好きだが働くのは嫌い」という子がいるようで、20代後半になって親もやっと気づきますが、頭の良すぎる人の中にはこのようなタイプもいると思います

今までサラリーマンを続けて来て頭のいい人は数字に強いという共通点があります

「算数が好き」とか「数学が得意」なのではなく、数字と向き合うことができる人です

仕事を数理的に考えて改善策を打ち出すことができ数字推論能力が高いといえそうです

逆な人は精神論で考えがちで、総括などの書類を見るとその差が歴然です

米国のピーボディ大学の研究結果でも、数理推論能力が高い人の上位1%は博士号取得者も多く、社会的地位も高く、年収も皆高いそうです

見習って、数値化して思考するクセを身につけなければなりませんね

頭のいい人は孤独を好む 

有能なビジネスマンというと、社交的でコミュニケーションが抜群な人というイメージですが、意外にも頭のいい人は非社交的です

バッファロー大学の研究では、人と交流する時間が多すぎると1人でいる時間に心配事やストレスを引きずってしまい、創造力が低下するそうです

人との交流時間は最低限に抑え、自分の時間を多くすることでクリエイティブな発想や新しいアイディアが生まれやすくなります

頭のいい人が、会議の多い会社や長い会議を嫌うのはこんな理由からかもしれません

脳はマルチタスクができないので、同時に2つのことに集中できません

頭のいい人は、生産性とクリエイティビティの観点からも1人の時間を確保するのを好むようです

数字に強く一人の時間を好む人は、企業の都合の良い考えを摺り込みにくく、単独思考・単独行動になりがちです

この人達が企業で上に行くには『人間が好きか嫌いか』で別れてくるような気がします

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました