人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

競争と平等

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格差を排除した組織

私が新卒で入社した会社は、新社長になり「数字での評価を撤廃する」となったそうです(もう離れて8年経ちましたが)

「社員の話をよく聞き、会社の構造改革を断行する」

というスローガンを行っているせいです

この新社長は〈格差嫌い〉〈えばる人嫌い〉〈ハラスメント許さない〉が強いようです

就任当初は

「本当に末端の社員の声にも耳を傾けてくれる」

「平等な会社になってきた」

「業績のいい社員へのえこひいきがなくなった」

と評判が良かったです

その前は勝てば官軍的な文化でした

私の営業配属の新入社員時代は、業績のいい社員は特別待遇でした

ボーナスは桁違い

長期連休は先に抑え、15連休とかとってます

私の夏休みは〈梅雨時に5連休〉

「不平等だ!」

と叫ぶ私に先輩社員は

「あの人たちに食わしてもらってるんだおまえも早く支店を支える業績を作ってみろ」

と言われ、妙に納得したのを覚えています

その会社も「数字での評価をなくす」と一気に営業本部の数字が落ちました

会社は〈2割の超業績のいい人〉〈5割の業績の上下する人〉〈3割の万年業績の悪い人〉で成り2・6.2の法則に近いカタチです

私の営業時代は一番上と下では同期でもボーナスが200万円も違いました

今はそこまでの金額差はないにせよ、上下で10倍の差はあると思います

営業経験がなく、事務方出身の新社長は『業績を上げている社員の才能と努力』が見えていないようです

会社の業績は2年間で50%に落ち込んだそうです

すべてを平等にすると発展は無くなる

話を聞きすぎると組織の弱体化を招く

ということです

「業績の悪い社員の不平不満の解消」に取り組んだ結果と言えます

「話をよく聞く」という岸田新総裁とかぶります

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競争のメリットデメリット 

競争社会は〈格差〉と〈敗者〉を生みます

資本主義は格差社会と異を唱え生まれたのが国民が皆 平等共産主義です

ソ連共産主義は上手くいっている」の誤情報で共産主義化して苦しんだのは中国です

〈自由競争の農場〉〈平等社会の農場〉を比べてみます

平等社会だと〈収穫が多い〉と賃金は関係ありません

〈害虫被害にあう〉〈干ばつや冷害などの天災〉なども関係なく賃金が支払われます

競争社会だとそうはいきません

・収穫が減れば収入も減る

・自然災害が起これば収入が減る

・隣が工夫して収穫量を増やし優れた作物を創れば収入が減る

競争から〈努力〉〈工夫〉〈ノウハウの蓄積〉が生まれます

格差も生むが発展も生むのが競争社会です

私も新人で実力のない頃は成績上位者を嫉んでいたところがあります

「たいして営業努力していない」

「支店長にひいきされてるから数字がいい」

「顧客が俺より多いだけ」

「俺よりいつも早く帰る」

下にいる人間は〈格差〉を憎みます

同じ高さに上がるとわかります

「顧客維持は大変な努力」

「サポートした以上に業績を上げてくれるなら支店長の態度も違う」

「仕事が早いから早く帰れる」

ということです

若手時代の私が文句言ってやめたところで「替えはいくらでもいる」

対して稼ぎ頭は「替えはいない重要な柱」といえます

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平等と競争のはざまに生きる 

高校入学すると、さらに成績順にクラスが分けられました

「君たちはうちの高校に振り分けられたんです、さらに毎年の学力でクラスも分けられるんです」

と言った教師は

世の中で平等なのは法の下に平等1日は24時間という事だけ

と言いました

私達の大半は高校進学から〈格差〉を意識し始めます

この頃から〈生家〉や〈両親〉のせいではなく自分がつけられた・つけた格差だと感じ始めます

大学の経済学の時間でも

富は知のないところから知のあるところへ流れていく

と教わりました

富の分配は平等ではないということです

学生は〈学力〉で線が引かれ

社員は〈業績〉で線が引かれます

白でも黒でもネズミを捕るのがいい猫だというなら

「白でも黒でも学力の高いのがいい学生」

「白でも黒でも実績をだすのがいい社員」

という基準はある意味『平等な基準』であるような気がします

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました