人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

未来を作るのは人材育成 米百俵の精神

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長岡市で出会った米百俵の精神

私が初めて支店長になったのは新潟県長岡市です

業績は悪く今年悪ければ10年連続目標未達という悲惨な支店でした

その年は会社の業績も悪く支店長昇進は2人だけ  もう一人昇進した同期もやはり苦しい秋田支店 「もう一か八か若い奴にやらせてみよう!」ということが見え見えの人事でした

池袋から新潟へ・・・9月家族を連れて豪雪地帯への転勤です

スタッフはまじめで働きもの・・・ やることは必要以上に努力して取り組んでいました

が、業績は全然伸びずに最悪・・・ 首都圏で培った今までのやり方は空を切ります

9月に赴任してずうっと悪く、冬の新潟県は太陽が出ないので気分も滅入ります

 本当に苦しい時は

苦しい時こそ人は成長する」 とか

逆境こそ本来の力がでる」 とかどうでもよく聞こえます

ある時、母が訪ねてきました

帰りに「いい本が見つかった!」と『米百俵の精神』関連の本を7、8冊買いこんでます

「どれだけ買うんだ・・・」

「これはあんたに、これはあなたの娘に、これは弟に、これは〇〇さんに・・・」

米百俵の本は種類も豊富です

年末だったのでゆっくりその本は読みました・・・

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国作りは人作りから

戊辰戦争に敗れた当時の長岡藩は困窮していました
そこへ支藩三根山藩からお見舞いとして米百俵が届きました。
これを小林虎三郎は、「食えないからこそ、学校を建てて人材を育てるのだ」という信念を貫き、皆の反対を押し切って学校を建てようとします

「米を分け与えろ!それは我々に届いたものだ!」藩主たちは怒髪天で訴えてきます

教育こそ人材を育て、国やまちの繁栄の基となる」という教育第一の思想を訴え、お見舞いとして贈られた米百俵で学校を作ります

そこから山本五十六をはじめ多くの有為な人物を輩出していき、それが長岡の復興に繋がっていきました

小泉元首相の所信表明演説でも取り上げられ、全国的に有名になりましたね

これは今でも私の教育に対する核になってます

尋常ではなく苦しかったから頭に浸透したのかもしれません

年明けから破竹の勢いで予算が達成され、4年後には目標対比全支店(155支店)2位になり表彰されました

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若者の教育を軽視する組織に未来はない

 反論を承知で持論を言えば 過去の功労者を大切にするより若い世代にお金を回すべき と思います

国で言えば 年金より子供の教育

組織で言えば 功労者の優遇より若手社員の採用と育成 です

そもそも過去の実績はあくまでも過ぎてしまった過去のもの・・・

それよりも これから・・・ 未来が重要です

日本は少子高齢化に向かいます

資源もない国です

やはり」で勝負する国には変わりありません

未来を創る子供の教育の精度を上げ「少ないが優秀」という人材育成にどの国よりも力を入れるべきです

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STEM教育は絶賛する

STEMとは
S:Science     科学
T:Technology 技術
E:Engineering 工学
M:Mathematics 数学
それぞれの頭文字を取った言葉で、科学・技術・工学・数学の教育分野を総称した言葉です

もう一つ「Aアートも加えられ始めました

AIとは違う人間的な想像力を養う人間育成

STEM教育の根底には「自分で学び、自分で理解していく子ども」を育てるねらいがあります。

これまでの「先生が教え、生徒は覚える」スタイルの学びでは、人工知能(AI)を使いこなせる人材には育ちません 新たな時代に必要とされる自発性、創造性、判断力、問題解決力を養う それがSTEM教育の本質的なねらいなのです

AIが受けもつ領域 に対し 人間が受けもつ領域=創造性

これは個人的に大いに賛同します

「米を配れ!」と詰め寄る藩士 と 「これは人材育成にまわす」と主張する小林虎三郎

年金をもっとよこせ」「過去の実績を無視するな」「功労者をもっと優遇しろ!」と訴える人達と それはせず「若い人の育成に力を注ぐ」人の闘いは今でも続いているような気がします

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました