男女で違うシニアの生き方
同級生に「俺たちが昔よく遊んだ公園って当時は子供ばかりだっただろ!?今は老人ばかりで子供の姿はないよ」と言われます
なにげない言葉ですが、これからの日本を象徴する重みがあります
「多くの男性のシニアの方がベンチでぼおおっとしてる」そうです
もう一方、老舗の大きな喫茶店を経営している先輩は「昔は平日の昼間はガラガラだったけど、最近はシニアの女性の集まりになって繁盛してる」と有難がります
「ホントによく毎日会話が尽きないなって感じるし、何より楽しそう」だそうです
女性はコミュニティがしっかりある老後が多いです
言われてみれば、資格試験の前に「図書館の学習室で勉強すれば」と言われ「学生ばかりでやだな・・・」と思っていましたが、行ってみると年配者が多かったです
多くの男性シニアが勉強をしていました
シニアを見てみると『男性は単独行動』『女性はコミュニティで行動』が多いように見えます
男性も趣味や勉強に没頭している人もいますが、ただぼおおっとしてる人もいます
企業戦士で生きた世代
昭和50年くらいまでは企業に就職せず、小さいながらも会社や店舗、事務所を立ち上げる方も多かったようです
考えてみれば組織行動を望まない人は結構いるわけですから「家族を養う」のであればどんな生き方でもいいわけですが、私が就職の頃は「起業を望んでも親に反対された」がほとんどでした
「サラリーマンは安定している」
「自営は羽振りのいい時はいいが、浮き沈みがある」
「就職先は大きな企業がいい」という考え方が蔓延していた時代です
後押ししたのは親ばかりでなく、同級生の女性陣も「結婚するならサラリーマンがいい」と言っていました
経済が伸び続け、とにかく人材の確保が企業存続の生命線でしたので、企業はこぞって『長期人材確保戦略』を打ち立てます
新卒一括採用・終身雇用・年功序列・高額な退職金・企業年金・・・・
そこで男性は『企業戦士で生きる』時代になっていきます
仕事一筋に生きて来て、会社を辞めれば趣味もなく、友人もなく、子供は独立し、妻は独自のコミュニティを確立している・・・
趣味はあったにせよお金のかかる趣味はできなくなります
長年飼いならされていたので小さくとも起業なども思いつきません
準団塊の世代の元上長の家にたまに遊びに行きますが「定年後は山登り三昧で生きる」としっかりした趣味があり、山登りなら健康にも良さそうです
「長年の山登りで花粉症になった」「登る友人がいない」「夏の暑さに耐えられない」などなどの思いもよらないネックが出てきました
11月~2月は寒さ・3月4月は花粉・5月~9月は暑さで年齢的にきついとのこと
映画も好きで、大型画面のテレビを買いましたが、DVDが増え過ぎて息子さんに「ネットフリックス」で見てくれと言われたそうで「どうすればいいの?」と呼び出されました
「俺の同級生は無趣味な奴が多くて、定年後やりたいことは特にないらしい」
「抜け殻みたいになっちゃった奴ばかりだ」
企業戦士の晩年はなかなか大変です
これから問題となる男性の50代以降の生き方
職場が人間関係のほとんどを占めていた企業戦士にとって、仕事を辞めることは居場所と役割を一気に失うことになります
やりたいことがある・没頭できる趣味がある人や、煩わしい人間関係を離れ孤独を好む人はいいですが、男性の場合は女性のような柔軟さはない人が多いです
現在私の会社も「55歳役職定年導入」に侃々諤々しています
今の50代は
「子供が大学生でお金が掛かる」
「住宅ローンがまだまだある」
「親の介護が始まる人も多い」
ので「ここで給料減はキツイ」という反対意見は大きいです
晩婚化で30代で子供をつくる人が増えたからです
「30代で課長・40代で部長」は私もキャリアプランとしてはベストだと思いますが、55歳定年時代と比べ65歳定年時代は「いつまでも管理職」に無理があります
さらに多くの企業の人事部は「75歳80歳まで雇えという時代は来る」と考えていると思います
同世代と話すと「55歳で部長を降りて、平社員でかつパートで20年も生きるのは辛い」と言われます
ベテラン社員がスタートアップ企業に転職することが増えていると言いますが、この辺もあると思います
「部長だった自分が平社員になる」
「同じ職場にはいたくない」
「企業規模が小さくなっても、給料が下がっても、新天地の方がまし」
と考えるのだと思います
個人的につくづく思うのですが『55歳定年がベスト』と思います
「それ以降の20年は自分らしい収入の得方をする」という考え方がこれからは重要になってくると感じます
X世代はY世代・Z世代のように若い頃から「いずれはFIREする」という考えもなかったでしょ
50代で転職しようとしても、求人は少なく、給料は下がり「自分はこれっぽっちの価値なのか」と落胆することが多いと思います
頭ではわかっていても現実は格別です
凄腕の営業職や、人材不足の分野のスキルがない限り給料アップは難しくなります
「仕事=誰かに雇用されて働く」と狭くとらえてしまうと、高齢者が働ける職場は本当に少ないのが現実です
「高年齢者のクレーマーが増えた」と聞きましたが、背景には高齢サラリーマンに対する会社の処遇が悪化している事実があると思います
優雅な「年金暮らし」などは過去の話で「不機嫌な老人」は増えていきそうです
「国や会社を信じすぎだよ!」とY世代はいいますが、Y世代の頃と違い、国も会社もしっかりしていた環境で過ごしてしまったので致し方ない部分もあります
それでも他国に比べれば、日本の会社は「雇用を守る」ことを大切にします
しかしながら「雇用を守る」のは稼ぎがあるからできることで、収益力が落ちた会社で「待遇は悪くなる」のは仕方ありません
・収益力が低下して高齢者の面倒をみられない会社
・寿命が伸びて定年後も長く生きる本人
これらを考え合わせると「定年まで同じ会社で働いてその後は年金生活」の常識は崩壊寸前といえます
「この50年、わが国では商売人が減ってサラリーマンが増えた!」といいます
私はサラリーマンとフリーランスの二刀流なので言いたいのですが、サラリーマンからするとフリーランスは「特別な能力や専門的知識をもった、自分のような凡人とはちがう特殊な人間」と考えているようですが、それは全然違います
たしかにすごい能力をもった人はいますが、ほとんどはサラリーマンと同じレベルの凡人です
ただ「自分で稼ぐための努力」はしており、その日々の努力の内容がサラリーマンとまったく違うだけです
会社では「誰かがいなくなっても仕事が回る」仕組みをつくろうとしますが、フリーランスで「自分がいなくなっても仕事が回る」状態になったらアウトです
フリーランスは小さな商売人で50年前は日本中のあちこちにおり、しっかり家族も養っていました
令和のフリーランスは店を持つ人より『 自分のノウハウやサービスを売る商売人』が多いです
・18歳~22歳で学習期を終え社会で働く
・そのまま在籍か、35歳~45歳でステップアップ転職する
・50代後半からの自分流の生き方をする
の3段ロケットでないと100歳まで伸びた人生の成層圏には行きつかないと思います
産業医に聞くと「今の50代は問題が多い」と言います
・うつ病が増えてきた
・8050問題=80歳の親が50代の子供の面倒をみている⇒引きこもり
が目立ち始めたそうで、万年人手不足の中小企業でもない限り「サラリーマンは55歳定年」と考えた方が良さそうです
『50代は自分らしい生き方を始める時期』と言えそうで、就活をする学生たちと同じように自分の新しい生き方を見つけるときになってきたようです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました