人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

危険な孤独

淡泊な日本人の宗教意識

世界の宗教分布図で日本を見ると神道となっております

日本は仏教と神道が自然な形で融合しているように見えます

子供に「お寺と神社の違いは何?」と聞かれると、結構な大人が返答に困ったりします

「遠い日本の国のご先祖様が神社で近いご先祖様はお墓にいるんだよ」などと私は答えていますが、学校で宗教教育などないので修学旅行で京都や奈良に行っても、無意識にお寺と神社を回っています

初詣や祈願、お祭りなどは神社に行く

お葬式や法事などはお寺で行う

一般的にはこのくらいの意識でいる人が多いいのではないでしょうか・・・

わたしの住んでる地域には、源頼朝義経が久しぶりに対面した『対面石』があり、平家打倒に挙兵した『三島大社』があります

山の中腹に源頼朝が平家打倒の密会をしたお寺がありますが、何故か鳥居があるお寺です

「昔のお寺は神道と仏教が融合した建物がある」と聞きました

良くも悪くも日本人の宗教観は偏らず中庸に感じます

 

オカルト宗教というよりビジネス宗教 

そこそこ日本の神話も知っていて、そこそこ仏の教えも知っているレベルの日本人ですが、中には強烈に新興宗教にはまる人が話題になったりします

メディアは『オカルト宗教』と呼んでいますが、その大半はビジネス宗教だというのが正しいそうです

宗教の皮を被ったビジネス集団だということです

1万円もしない本や壺が営業手法により、何百万円にも何千万円にもなり大きな収益をあげるビジネス手法です

もしビジネスで壺を売るときには価格アップの価値をつけねばなりません

「歴史的価値」「有名人が使用していた」「天才的腕の作家が作った」などですが、それは嘘であってはなりません

ただし、霊感等の目に見えない価値を付けられると証明する手立てがありません

それにしてもなぜこのような怪しいものに高くのお金を出してしまうのか・・・

「宗教にはまる人は幸福度が高い」ともいいますし「宗教にはまる人は知性は低い」ともいいます

これは米国での調査結果であって、日本にはもう少し独自のものがありそうです

 

なぜ信仰宗教にはまってしまうのか 

盆暮れで「孫が返ってくる喜びと、孫が戻ってしまった安堵感」などとよく聞きます

孫に会えるのは嬉しい

でもあまり長くいられると疲れる

ということでしょうか・・・

人は孤独を嫌う部分と孤独を求める部分があり、適度な距離感が精神を安定させています

孤独には精神を安定させるいい孤独と、不安定になる悪い孤独があります

現在の神社やお寺との関りは淡泊過ぎて

もっと深くかかわりたい

もっとかまってほしい

という悪性の孤独感の人には対処できていないのだと言います

ビジネス宗教のマーケティングを見ていると高額な所得の人を狙っているわけではなく所得は低くとも悪性の孤独に陥ってる人がメインターゲットに見えます

「今日も誰にも名前を呼ばれなかった」

「誰にも感謝されない」

「誰にも必要とされていない」

「悩みや苦しみを話す人もいない」

「淋しくて心が壊れそうだ」

「神社にお参りに行っても、お寺の和尚さんの話を聞いても心の穴はふさがらない」

もっと深く強く関り、すがるものが欲しい

という心理状態の人を優良顧客化しているようです

以前、中途入社の若い女性に「あの会社(以前いた会社)は待遇もよく、ここ数年成長しているのになぜ辞めたのか?うちの方が少し給与が低いでしょ?」と尋ねたことがあります

彼女は「一生懸命仕事しても感謝されるわけでもなく、ミスをした時だけしか話しかけてこない!ここは名前で呼んでくれるし『ご苦労様』『今日もありがとう』『助かったよ』とよく声を掛けられます」と答えました

「そんなこと・・・」と感じますが、そのそんなことを非常に大切にしている人もおり、生きる意味で重要な人もいます

以前の職場にいたら悪質な孤独に陥っていたかもしれません

世の中は見つけようとすれば数えきれないほどの感謝するべきものがあり、子供のころから言われているように「感謝の言葉を常に述べよ」と意識して生活すれば、悪質な孤独の人も救えるのではないかと考えたりします

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました