人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

シニアの企業文化への必要性

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企業も3世代同居の実現を

 私は企業内でキャリアカウンセリングを行っていますが、若い世代や中堅のみならず60代、70代にも行ってます

シニア世代は「最近の若い奴らは・・・」などと言う人は一人もいません 逆に社会経験の脆弱な彼らを気にかけ、見守っています

若い世代も「〇〇さんがフォローしてくれて」「〇〇さん具合悪そうです」とこちらはこちらでシニア世代を気にかけ、慕ってます

マネジメント職や人事部が介入しなくても 共助し合っていることは理想といえます

私が生まれた時は疎祖母、疎祖父までいれ4世代同居でした

両親が怒れば祖父母がなだめ 祖父母が怒れば祖祖父母がフォローしてきます 人間関係は不思議なもので 厳しい人がいればフォローする人が現れ、甘やかす人がいれば厳しくする人が出てきます

バランスをとるのが人間社会の素晴らしいところです

これからの日本企業は 3世代同居の企業文化の構築が必要だし、またそれが理想だと思います

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 世代は個性

高度成長期に生まれた世代は、学生時代も社会に出てからも「集団の中で生きる」「言われた知識を身につける」「命じられた成果を出す」という全体主義的な教育を受けてきました どんどん経済が拡大し続ける時代にはそれが良かったと思います 

まるでスターウォーズストームトルーパーみたいです

戦前の日本が帝国主義だった時代も同じです

この全体主義が崩れて人々の発想が自由に拡散する時があります 近代史で言えば 明治維新 太平洋戦争の敗北 です 今回の長い経済の低迷とコロナショックもそうなのかもしれません

パラダイムシフトにより価値観が変わり、思想は解き放たれ 混乱もします

戦後、高度成長期の前や入り口の思想の混乱期に生まれた現在のシニア世代にはストームトルーパー世代にない個性があります 幕末に活躍した人 戦後間もない時代の経営者に魅力的な人が多かったのも思想が自由なのです

若い世代がシニア世代に対し魅力を感じるのはこのようなところからかもしれません また、シニアになり第一線を離れたからこそ開花したのかもしれません

このミルフィーユのように様々な世代が重なり合っているからこそ 企業文化が重厚さを増します

敬老の日もいらないし 定年制も見直すべきです 成果やスキルのみに注力せず 人間力をもっと刮目すべきではないでしょうか

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人は最後まで学ぼうとする 

 人間には習得本能があります もちろん高次元から低次元まで知りたい内容には次元の差がありますが、高齢者だから学ばなくなるということはありません

池上彰さんの父親は長くはないという病状を伝えた時広辞苑を買ってきてほしい まだ知らない言葉が多すぎる」と言ったそうです

動物の中でも抜きんでて大脳が発達した人間の素晴らしさではないでしょうか

 人は脳が活動を停止するまで学習し続けます

 世代世代の知恵を生かすのも企業の命題です その前に相手の生きてきた道のりを尊重するマインドシフトが大切だと思います

米国の思想家 エマーソンの言葉に

信頼しなさい

そうすれば相手はあなたに正直になるだろう

素晴らしい人として接しなさい

そうすれば相手は素晴らしさを示すだろう

と言います

私達は人に認められ、信頼されたいと願っています それによって自己固定感を持てるからです

私達は他人の態度によって自己を固定できるようになるからです

その為には「世代が違う」「経験もない若い奴が」「もう古いんだよ!」などという壁はもたず、まずは相手を信頼すれば 自分が相手に信頼されたいと願うのと同じように 相手も信頼されたいと思っているからです

「好かれれば好きになる」「嫌われれば嫌いになる」「信頼されれば信頼する」という人間に共通する相互関係です

かたよらず、多くの世代が共感・共助しあえる組織作りが求められていると思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました