人事からみた採用とキャリアアップの実情

長年の採用・教育経験から新卒就活、転職、シニア転職、キャリアアップを企業側からの目線で情報発信していきます 

若者のキャリア支援ー2

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多様化しつつある生き方

 前回まで

「女性が男性と同じ境遇で働けること」

「女性独自のライフプランに対応できる社会を」

「若者の育ってきた環境からくる新たな対応を」

を訴えてきましたが 女性の戦力化 若者の持続可能な社会参加 がこれから重要になってくるからです

社会になじめず引きこもりかけた若者も生きるための新しい道を作っています

皆さんは山奥ニートって聞いたことありますか?

和歌山県田辺市の最寄り駅から バスを乗り継いで約1時間半の場所にある限界集落で 20~40代のニート17人で共同生活を送っています

生活の場は廃校になった小学校を改装した共生舎

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生活費として月に1万8000円を納める決まりがありますが 明文化されたルールはないそうです

ちゃんとWi-Fi環境も生活インフラも整っています

メンバーは、ときどき梅の収穫など地域の人たちの仕事を手伝うことで、収入を得ています

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ニートと言っても 親にすがってるのではなく自立して生きています

わたくし個人的には「ある意味理想郷」だと思います 「山奥ニートやってます」は読んでいて面白かったです

 彼らの目指すものは持続可能なニートは社会の希望だそうです

 17名が社会から身を引いた理由は様々ですが新しい自立した生き方です

「学校を出たら就職する」

「生きるためにはお金を稼がなければならない」

これが世の中の常識とされてきました

さらに

「結婚して異性のパートナーと人生を歩む」

「結婚したら子供を作り育てる」

も昭和では半分常識化されていました

団塊の世代ニートを認めず 子供の生涯未婚も認めない人が多いですが 世の見方は変わりつつあります

「働かなくても自立した生活をしている」

「結婚より独りで人生を生きたい」

「結婚しても子供は作らない=DINKS

「男女の性別ももたない=ジェンダー

昭和の常識に従うことに後ろめたさもなくなりました

とにかく

「人間は自分の意志で生まれてきたのではないから 自分の意志では死ねない

法治国家で暮らすのなら 法律に従う

「モラルを遵守し 人に迷惑を掛けない

を守れば 生き方は自由なわけです

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 時代は変われど「幸福を追求する」生き方は変わらない

 とある支店長が定年する時の話

バリバリのやり手です ボーナスも3桁切ったことはないくらい実績をとにかく挙げた人です

「俺は実績作って会社を支えてきた 家を建てローンも完済した 娘二人大学を出し結婚させた」

やることやった!という満足な定年退職でした

まさに昭和の男という感じです

当時 人事にいた私に対して

「会社は週休3日になったけど 営業活動量が減り 若者が堕落した」と言ってきました

聞いていた私の部下のY君は平成後期入社

「僕もあんな人生を生きなければならないんですかね~ やだな~」と呟く

「10年ひと昔」と言いますが さすがに40年近く開くと世代間で考え方がだいぶ違います

Y君は「僕は早く団塊の世代が社会の第一線から消えてくれないかな~と思ってるんです 考え方変えないし 押し付けてくるし すぐにマウントポジションをとってくる 共存できないです」

団塊の世代の作った価値観は急速に風化しそうです

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正規雇用で働いている若者にも「新しい生き方」が生まれつつあります

FIRE=Financial Independence, Retire Early=経済的に独立して早期退職

  20代・30代でリタイアするムーブメントが注目を集めています

「将来はミュージシャンになりたい」

「小説家で生きていきたい」

などと親に言おうものなら ほぼ強く反対されます

「 とにかくインデックス投資にお金をつぎ込んで 30歳代で早期リタイアしよう」 

リタイアしたら好きな生き方しよう

こちらはとにかく貯蓄率が高いです

給与の60% 中には90%という若者もいます

2タイプあるらしく

Lean FIRE=とにかくとことん切り詰めるタイプ

Fat FIRE=普通の生活水準を保ちつつ 余剰収入を貯蓄と投資で肥やしまくるタイプ  です

私もキャリアミーティングを新入社員にすると ちょくちょく出てくるようになりました これも新しい生き方だと思います

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ほとんどは正規雇用で働こうとしている 

ちょっと変わったパターンを取り上げてきましたが 大多数の若者は正規雇用でしっかりと働いていきたいと考えています

日本民族はよほどのショックを与えない限り群れから外れない生き方をしようとします 

〈若年者就業支援施設〉

わかものハローワーク

正規雇用を目指すフリーターを対象に専門的に就労支援を行う 「求人情報提供」「仕事探しに対する相談」「専門職員による個別支援」「就職後のフォロー」

ジョブカフェ

「若者のためのワンストップサービスセンター」とも言われています 都道府県が主体に設置し 若者の就労支援をワンストップで行う 「キャリアコンサルティング」「職業適性診断」「電話・メール相談」「就労支援イベント開催」「職業相談・紹介」

地域若者サポートステーション

 働くことに悩みを抱えている15歳~39歳までの若者の就労支援を行う 職業紹介は行っていない 「専門家による個別相談」「ステップアッププログラム」「職場見学・体験」「保護者向け支援」

上記の他に NPO法人 民間団体などもあります

若い皆さんが考えている以上に 国も地域も「若者の就労支援」を真剣に考えています

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

若者へのキャリア支援ー1

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 若者の自立と包括的支援

 平成になってから ニート フリーター ひきこもり など若者の社会的孤立」が問題視されるようになりました

「経済が低迷しているせいだ」

核家族で大人と接する機会が少ないのが問題」

ゆとり教育のせいだ」

いろいろと言われていますが はっきり言えることは

人間としての素材は何も変わらないが 環境は変わった ということです

キャリア関連を仕事としている我々の見解で多いのは

若者の社会的自立の遅れです 

その背景にあるのが

若者の親への依存の長期化

社会への関心の希薄化

対人関係を築く能力不足 です

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総務省統計局「労働調査」

ニート求人倍率が上がるとともに減りつつはある

フリーターは下記の通り
 

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 私は新入社員研修を担当してますが 時代に合わせてテーマがあります

平成初期は自分の未熟さをわからせることでした

平成後期からは自立させることが1年間のメインテーマになります

自立とは 仕事に就いて自分で稼ぐという経済的自立だけではありません

親からの精神的自立

社会に関心を持ち生産的活動に参画する社会的自立 なども含みます

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 人間は変わってない 変わったのは環境

 経営の神様 松下幸之助さんは9歳のとき学校をやめ 大阪の宮田火鉢店に丁稚奉公に出されることになります この時代は社会に出るのが早いのです

加えて子供は労働力でしたから 小さなころより仕事・家事などを手伝わさせます 18歳~22歳で社会に出る今とは大きく環境が違います

そんな松下幸之助さんは 人間を知れと言います

「みんながお互いに 人間とはどういうものかという 人間の本質を知らなければならない 人間というものをはっきり把握しなくてはならない」

社会とは人間同士でできており 互いに助けあい 助けられあってできている

それは羊飼いが羊を飼って暮らしているのと同じように 人間同士が飼い合いをしている 羊飼いがうまく羊を飼うためにはよく羊のことを知らなければならないのと同じように 人間が人間を「飼う」ためにはよく人間を知らなければならないし 場合によってはうまく「飼われる」ためにも人間を知らなければならないと述べています

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とにかく老若男女を問わず「人間を知る」には その育った環境を知らなければなりません

まず赤ん坊の時に最初に耐えるべきが酷暑と極寒だそうです

冷暖房完備で育つ機会が多く この辺に耐えることをせず成長する場合が多いです

「今やめてはダメなのはわかるが耐えられない」などとなりかねません

学校に進学すると一昔前と違い先生が怒れません

子供達もなんとなくこの辺は知っています 「先生は親や教育委員会に弱い」

体罰とは無縁の中で学童期・学生気を送ります

祖父や祖母との同居も少なく 広い世代を知りません

「たまに会うおばーちゃんは優しいし 可愛がってくれる」

近所の大人や親戚の出入りも少ないです これでは真の意味で広く大人と交わる会話能力は育ちにくいです

「昔は良かった」ではないし 昔のカタチには戻れません 社会は「良くしていこう」という意志から進化したものです

次の世界を作るのは 新しい自立した若者たち」です 取り組むべきは「自立困難にしている現在の環境」を改善することです

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 人間は共通点の方が多い

 孤立すると多くの人は「俺は他の人と違うみたいだ・・・」と感じやすいです 疎外感が強くなるとも言えそうです

ヒトノゲムというヒトのもつ全遺伝子情報があります

人間を形成するのに必要な情報ならびに生きていくために必要な情報として遺伝子に書き込まれている情報全体のことです

ヒトの生命の設計図ともいわれています

人間は(成人の場合)約60兆個の細胞で成り立っています その細胞一つ一つの中に核があり 核には46本の染色体が存在し その染色体46本に遺伝情報が記録されている のです

このヒトノゲムは99.9%共通し 0.1%が個別に違うそうです

人間は共通点の方が圧倒的に多い のです

同じ素材なのに環境によって異なってしまったならば

・場所を変える

・付き合う人を変える

・考え方を変える

ことです

「石の上にも3年」は非常に理にかなっている言葉だとは個人的には思っています

それでも「潰れてしまう」のならば 場所を変え 付き合う人を変え そして自分の考え方も見直すべきです

人の価値は苦労した量に比例します 最初は権力も 財力も 能力も 耐久力もありません 当然 苦痛と苦労の日々が多くなります 「これは何にも代えがたい良き経験だ」と思えるのはずっと後のことになります

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

女性へのキャリア支援ー2

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男女の歴史的変化

 私がまだ社会に出たての頃 当時NHKのアナウンサーだった鈴木健二さんが「日本もアメリカのように離婚率が上がってきた なぜなんでしょう?」という問いに

好きで結婚するからですよ!」

と答えてました

時はもう平成 「好きだから結婚するのではないのか・・・」理解できない言葉でした

当時は会社内だけでなく 労働組合でも職場委員が集まって「女性の働きやすい環境」を論議していました

とあるベテラン女性社員が「最近 社員の離婚が目立つ こちらにも取り組まないと」

対して労働組合の書記長が「女性が自由になれば離婚は増えるよ 今は縦だった関係を横にしてるんだから 離婚はまた別の問題」

昔は 

稼ぐことのできない女性は男性に養ってもらう

子供をつくれない男性は女性を養い・守る  という関係です

生きるために結婚したということです

男性は働いて家族を養う と 戦争になったら兵士として国を守る義務があったのです

縦の関係といえます

昔の離婚届けは男性の一方的なもので

「1○○だから 2□□だから 3△△だから よって離婚す」

というものだったらしいです

そこから三行半(みくだりはん)という言葉が生まれました

横の関係になった現在は お互いの立場をよく理解したうえで社会の仕組みを改善していかなければなりません

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 男性よりライフキャリアの変化は大きい

 学生時代はほぼ共通の扱いです 

男性の場合 結婚により仕事への影響はほとんどありません

いつもの電車に乗り いつも通りに帰ればいいだけです

女性も独身希望者やDINKsの場合は影響は少ないでしょう

子供をつくる計画の女性の場合は ライフキャリアの変化が大きいと言えます

結婚により 男性の転勤等による住居の移動

出産による 休暇または退職

育児いよる 勤務変更または退職

女性の年齢階級別労働力率の推移表を観てみると

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昭和45年頃は結婚適齢期になると一気に落ち込みます

「女は家庭に入れ!」とばかりに一族が躍起になって結婚相手を見つけます 女性にとっては就職活動よりも大事なライフイベントでした 見合い結婚も圧倒的に多い時代です

この頃はまだ「家柄が」「学歴が」「稼ぎが」で男性もランク付けされていました

平成に入ると20代後半で落ち込むものの昭和よりは山は穏やかです

子育てが終わるとまた社会復帰が増えてきます 

これはM字グラフと呼ばれますが時代と共に緩やかになってきています

最も取り組むべきことは 出産⇒退職⇒育児⇒復帰 の時です

「産休をとったらすぐ復帰したい」

「小学生になるまでは育児したい」

「義務教育の間は子供に寄り添いたい」

この辺は考え方に違いがあります

20年ブランクがあり社会復帰となれば テクノロジーをはじめ大きく社会が変わってきます

女性の就業支援施設としては

マザーズハローワーク

子育てをしながら就職を希望している人に対して総合的かつ一貫した就職支援を行う施設 キッズコーナーなどもあり子供を連れて行きやすい 全国に約200ヵ所

パートバンク

パートタイムで働きたい求職者に対して パートタイム雇用に関する総合的なサービスの提供を無料で行っている

母子家庭就業・自立支援センター

(財)全国母子寡婦連合会が運営する母子家庭の母に対し 一貫した就業支援サービスを提供する施設

などがあります

コロナ下で急速に発展したリモートワークも 育児・介護で家を空けられない人にとってありがたい就業方法になるのではないでしょうか

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何かを得れば何かを失う 

 「男女平等」

「女性の自由」

「女性が働きやすい社会」

達成すれば必ず新たな問題は発生します

人間は「今ある問題を解決するために」声を上げ 意見を出し 行動し 良い方へ変えていきます

飢えをなくす 病気を治す 陽方向へ邁進し続けます

その結果 人口増加で食糧問題 先進国では老後年金問題 など新たな問題が起きます

一極二元論一つの極は陰陽二つの方向に進んで行く

自由を手に入れれば「少子化」「離婚率増」「生涯未婚者増」など新たな課題が生まれます 結婚という形式そのものも問われるかもしれません

ハッキリ言えることは 昔のカタチには戻れないということです

平等 自由 幸福 は常に追求されるものであり 追求した結果 新たに発生した課題に対して解決していくのが人類の知恵だと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

女性へのキャリア支援ー1

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女性の就業状況

平成11年に男女共同参画社会基本法が施行され 男性も女性も平等に社会活動に参画する機会が確保されました

 現在の日本の労働総人口は約6380万人 うち女性は3015万人で44%強を占めます

最も多い年代が45歳~49歳 次いで40歳~44歳です 40代が最も多いといえます

既婚者の割合は年々高くなってきています

女性雇用者数を産業別にみると

最も多いのが 医療・福祉

次いで 卸売・小売業 が多く

製造業 宿泊業・飲食業と続きます

雇用総数に占める割合も 医療・福祉は76.3と高い業界です

女性の労働環境を整えることは重要なテーマです

男女雇用機会均等法

積極的格差是正処置ポジティブアクション

セクシャルハラスメントとへの対応

など平成時代に改善はしてきましたが

結婚・出産・育児などの女性特有のライフプランへの対応

女性管理職の拡大 などまだまだ不十分といえます

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 男女格差の実態

男女格差で重要なものが賃金ですが

大企業の場合 男性に比べ女性は約11万円低く

中企業で約9万円 小企業で約7万円 の男女の格差があります 

企業規模での賃金格差

イギリス オランダ デンマーク フィンランド では全くなく

日本 アメリカ ドイツは格差があります

この格差は 男性の方が役職に就くことが圧倒的に多く 良くはなってはいるものの女性の役職者が少ないという日本の現状に直結しています

世界経済フォーラム=WEFが毎年報告している世界ジェンダー・ギャップ報告書2020によると 日本は153ヵ国中 121位という低水準でヵ女性の管理職への登用は今後の強化すべきテーマです

結婚・出産・育児で一時期社会から離れることへのハンディキャップも考慮する仕組みが必要です 年功序列の残っている現状では勤続年数で不利になります

ライフスタイルプランが男女で大きく違うのです 男性のライフプランのみでは実力のある女性を活かせません

取り組んではいますが 女性が働きやすい環境はまだまだ不十分と言えます

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 人類の歴史は差別との戦い

 人類は差別と戦ってきました

民族差別 家柄差別 国の差別 ・・・ 男女差別だけではありません

そこで数字で線を引くようになります

「〇〇点だから合格」

「〇〇秒で走れるからレギュラー」

「○○万円売れたらボーナスは▲万円」

平等な競争環境なら不条理を感じません

差別を乗り越えた時に幸福感は増します

不幸の思い出は 幸福を倍加する

というイタリアの言葉があります

 不幸は幸福の種という言葉もあります

不幸だった時を思い出すと それを乗り越えた今があることに気が付き 幸福感が倍増する ということです

不幸でのつらい経験は「人生のスパイス」とは陽気なイタリア人らしい発想です

 男女格差を問題意識を持ち取り組んでいけば 歴史上の様々な差別同様必ず解決していくと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

FBI式 科学的会話法

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心理学はまだまだ進歩していく学問

 大学時代 心理学の講義の最後の日 担当教授が心理学ほど未完成な学問はないと言ったのが印象に残ってます

「人間の心理についてはこれからも次々に解明されていく 解明するのは心理学者や精神科医だけではない アンテナを張り続けなさい」

高度成長期の頃の日本は「人材教育」「人材開発」などせずも「ほったらかしとけば適当に社員は育つ」という時代でした

私が入社したバブル崩壊後の社会は人的財産を最高効率で活用していくというのが教育企画が作られた目的でしたから 試行錯誤で様々な研修 講義が行われるようになりました

コーチング 心理カウンセリング ・・・いろいろ研修を受けましたが もっとも面白かったのが行動心理学です 人のしぐさ 行動から心理を分析するものです 受講する管理職は非常に少なかったです 不人気講義といえます

行動心理学はFBIの犯罪捜査の歴史から生まれたとされています

「嘘をついている」

「誰かをかばう嘘だ」

犯罪捜査の中から生まれた学問と言えます

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 犯罪捜査における心理分析はレベルが高い

 アメリカの連邦捜査局FBIによって開発された行動変容段階モデルによる人質解放に向けたステップがあります

アクティブ・リスニング

 相手の話をしっかり聞く

 しっかり聞いてると相手に理解させる

共 感

 相手の素性や気持ちを理解する

相互信頼

 相手から信頼を得る

影 響

 自分が相手に望む行動を勧める

行動変容

 相手が行動を変える

           〈PRESIDENT参照〉

 聞けば「ふんふん なるほどね・・・心がけるよ」と簡単に聞こえますが ロールプレイングしてみると これがなかなか大変だと気付くはずです

「相手の話を聞く」にも心理カウンセラーの勉強をした人なら良くわかると思いますが 聞く態度」のハードルが思いのほか高いです

PRESIDENTでは野党議員に当てはめて解説していました 

「あらさがして怒るだけ」

「感情に任せた『シャウト型』」

「国会議員報酬2200万円に見合う仕事ではない」

「『俺は正しい お前は間違ってる』は議論にならない」

「コミュ障的ふるまいが若者に嫌われる」

「野党はFBIの科学的な会話手法を学んだ方がいい」

これは 親として 先輩として 上司として の私達にも当てはまります

信頼関係の構築」「人財育成」と言うは簡単ですが 実践するは訓練がいると思います

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 人間の難しさは「感情」があること

 人間は 理性三分 感性・感情七分といわれ このはっきりしない情感の実際について体得しなければ人間関係で苦労します

リーダーとして務まらないし 親業もちぐはぐになります

人間の情感は 一部は知識として得られますが その大部分は体験により学習しないと得られません

ローウエルは

知はいつでも買えるが 情は市場に現れない

と言います

 知識・情報はお金で買えます

情 に関してはどう学ぶのでしょうか・・・

一番の方法は思いやりを学ぶことだそうです

そこから「相手の立場をわかろうとする」思考が生まれ 「そうしたら喜ぶか」「どうしたらやる気が出るか」など考えるようになります

人間に対する法則は シンプルで 習得が難しいものなのかもしれません

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

キャリアカウンセリングの重要性

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労働市場の変化と長寿化

 かつての高度成長時代にあった日本では

新卒一括採用 新卒就職率ほぼ100%

・入社から定年まで1つの企業に在籍する 終身雇用

・キャリアに応じて昇進していく 年功序列制度

こういう時代では積極的にキャリア開発に取り組まなくても ほとんどの労働者の人生は平穏無事だったといえます

平成に入ったからの

長引く景気の低迷

雇用不安

雇用形態の多様化

雇用の流動化

労働観の多様化

ビジネスのグローバル化

性労働者の増加

労働者を取り巻く環境や状況は大きく変化しました

加えて「70歳まで労働を・・・」という長寿社会にもなりつつあります

テクノロジーの変化も加速感を増していきます

学習期20年 ⇒ 労働期40年 ⇒ 引退期20年 という昭和モデルも崩れた以上 新しいライフプランに対応するため キャリア形成を支援するキャリアカウンセリングは今後重要になってくると思います

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 長くなった労働期に対応していくことが重要

 「人生100年時代」と言っても 学習期は18歳~22歳 引退期は20年前後はあまり変わらないでしょう

変わるのは労働期です

昭和から大きく仕事内容の変わっていない職場はいいのですが 変化の激しい職場もあります

先日定年を迎えた社員は「とうとうパソコン覚えずに定年まで乗り切った!」と言ってました 作られたフォーマットへの打ち込みとメール送信のみのスキルしかありませんでした

以前の人事部長とは同期入社で キャリアカウンセリングとまでは言いませんが「これ出来る?」「これならどう?」と話し合い配置転換していったようです

個人的にキャリアカウンセリングとはこのようなものだと思います

最も重要なのが自己理解です

キャリアの思考性 興味 パーソナリティ セルフイメージ

職務能力の確認 職業適性 技能レベル 行動パターン

職業経験の確認 職歴 学歴 資格

個人的条件 家庭的条件 健康面 地域的条件

をよく理解することです

 次に環境変化への対応

「なくなる仕事も増えてくるけど 新しい仕事も増えてくるよね!」

確かにそうですが その新しい仕事に対応できるかです

コロナ社会で大きく発展したリモートワークは「育児期の女性」や「介護する家族のいる方」には今後の適応できる働き方だと思います

労働期が60年×変化の加速化 という現状に対応する 企業のキャリアカウンセリング 個人のライフプランニング は重要度を増してきます

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 ネガティブに考えるときりがなくなる

「変化についていけない」

「価値観が大きく変わりすぎ」

「培ったスキルが必要とされなくなった」

「家庭環境が深刻になってきた」

変化をネガティブに捉えないことです

日本人は 型にはまる というか リスクを嫌う というか変化をネガティブに捉えがちです

チャップリンも言うように

人生は近くで見ると悲劇だが

遠くから見れば喜劇である

なのです

長寿は人類が求め 努力してきたことです

変化は より便利に より快適に なるためのものです

「長くてどんどん変化していく人生」をポジティブに捉える思考が最初に必要なことのような気がします

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

運命か 努力か

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運命論者が多い日本人

 「これも俺の運命だと思う」

日本人には 運命論者 が多いようです

経営の神様といわれる 松下幸之助さんでさえ人間90%は運命と考えていたと言われます

信仰心が非常に強い人はあまり見かけませんが 精神性というものを非常に大切にしている民族に見えます

 加えて 使命感 も強いです

そんなところから 一生懸命さ 頑張る ということに価値を見出そうとするところがあります 頑張ることは美しい 尊い と感じている傾向があります

ただ 頑張ることに価値を見出すのは万国共通ではありません 他の民族は成果は重んじますが 努力することそのものにはさほど趣をおきません

留学生など そのまま日本で就職すると「成果」とは別に「そのやり方は美しいか否か」が問われる文化に多少戸惑うようです

そのやり方は日本人は好まないよなど彼ら彼女らの会話に出るようです

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幸田露伴の運命論 

 「運命」と「宿命」は違います

宿命はどの時代に どこの国の どの親から どの性別で生まれたのかという自分では変えられないものです

対して運命は変えられる 未来は予測はできるが決まってない と私は言われ育ちました

文豪の幸田露伴

成功者は自己の力として運命を解釈し

失敗者は運命の力として自己を解釈している

と述べています

成功者には自己の力が大きく見え

失敗者には運命の力が大きく見える ということです

運命というものは確かに存在していて人間を幸福にも不幸にもします

一方 個人の力というものも存在していて人間を幸福にも不幸にもしている

運の悪い人ほど運命のせいにしている

文豪と言われる人たちは時に「運命」について鋭い指摘をします

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 高い欲求をもつ

 人間は死ぬまで限りなく満足を求め続ける動物だといいます

マズローによれば

低次元の欲求は「食べたい」「寝たい」などの生理的欲求

その次が「安定した収入」「安全な生活」などの安全への欲求

それが満たされると人間的結合である 親和欲求

次が自我や自尊心が満たしたくなり 承認欲求が生まれてきます

最終的にくるのが お金や地位を超越して ライフワークを求めて 創造的生活 社会的貢献への生きがいを求める 自己実現の欲求です

真の欲求なくして真の満足はない

ヴォルテール

 欲求の強さが前進力を生みます 欲求は動物的な低次元のものから 「志」のように高次元なものまであります

高次元な欲求の強さが 運命を変える力を有すのではないでしょうか

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

批判を抑えれば「陽転」する

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「禄」をもらっている組織の批判は厳禁

 組織に属すると 仕組み 文化 経営陣 など納得のいかない部分があったりします

「男尊女卑の文化が色濃い」

「学校名での差別がある」

「TOPの好き嫌いで出世が決まる」

「能力がなくイエスマンが上に上がっていく」などなど

周りの誰に話しても「そりゃひどい!文句も言いたくなるよね」という現実は確かにあります

ですが 給料 をもらっている組織の批判はNGです

正義の雄叫びだろうが 皆の代弁だろうが 禄(給与)をもらっている以上組織批判は厳禁です

黙って腹に収めるか

黙って去るか です

真の黒い悪なら法が裁くし グレーなら労働組合が動きます

禄をもらっている組織の批判をすればするほど運命は「陰転」します

そこそこの出世はするかもしれませんが どこかで「陰転」していきます

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運命を「陽転」させるには 

 「いい会社に入った」

「仲間に恵まれた」

「上司も○○さんで良かった」

と仲間に 家族に 友人に 毎日のように口にしている人は「陽転」していきます

の言葉を多く吐く人は運命も陽転するようです

「まったくあいつはお気楽だ」

「現実がまるで見えてない」

「人が好過ぎる」 などと言われようが関係ありません

陽の言葉」を多く吐く人 「陰の言葉」を多く吐く人 見ていて「勝負あった!」といつも思います

ここで人間の運が決まるように見えます

私は毎年新入社員研修でこのことを話しますが 陰性の言葉を好む人間はずっと陰性の氣を出し続けます

であるなら陽の氣」に満ちた人を早く上に上げて組織を良くしてもらった方がいいと考えています

そもそも組織などは問題・課題の百貨店のようなものです ですが 今は三流でも一流になりたいという志はもっています

三流から一流に流転していくには陽の氣が必要不可欠なのです

「陽」の言葉「陽」の姿勢の人間は組織に大切にされます

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もっと「光」を 

 「きっとできる」

「もっと良くなる」

「未来は明るい」

などの言葉を多用した方がいいです

根拠があるなしはあまり意味がありません 陰だろうが 陽だろうが 未来などは決まってないですから

そもそも未来など予測度通りにならないことが多いです

道歌に

 喜べば  喜びごとが

 喜んで  喜び連れて

 喜びに来る

とあります

人間から発するというのは思う以上に運命を左右すると思います 「陽の氣」が多い人は企業としては「買い」の人材だと思います

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

行動と幸福

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 「静」と「動」

 「待つ」の重要性の後は「動く」の重要性を考えたいと思います

「待つ」というと静止状態のようにとらえがちですが 行動しているときより五感は動いています

五感と思考の直結=待つ

五体と思考の直結=行動 です

英国の政治家 ディズレーリは

行動は必ずしも幸福をもたらさないかもしれないが

行動のないところに幸福も生まれない

と述べています

動かない限り「現実」は変わりません

思考 計画 予定 は変更が効きます

ですが 行動に移せばそうはいきません 結果が生じ 成否や勝敗 損得や正誤が生まれます

行動に移せば 失敗や負け 損失はつきものです どちらに転んでも得られるものは経験学習だけです

しかし

一歩踏み出さなくては何の結果も生まれず 幸福にもなれないのも事実です

私が「現場の経験の長い人を重視」するのもこんなところです

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 待つときは待つ 動くときは動く

 特に社会に出たての新入社員はまず行動が大切です

失敗することは想定の範囲内だし 成功でも失敗も一つの体験学習として観てもらえます

「痛い目に合って学ぶ」が若い頃には重要だからです

キャリアを重ねるとそうはいきません 「静」と「動」を使い分けて仕事の取り組まねばなりません

孫子の兵法に風林火山という有名な言葉があります

その疾はやきことの如ごとく・・・

その徐しずかなることの如く・・・

侵掠しんりゃくすることの如く ・・

動かざることの如く    ・・・

 風のようにすばやく動き 林のように静かに構え 火の如く激しく攻め 山のようにどっしりと構えて動かない という4つの動き方を表した言葉です

 

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私もそうでいたが 若い頃は よけいなところで動き 肝心なところで動かず失敗することが多いです 

ただ経験を積むうちに自然と正しい「動く」「待つ」はしみついていきます

苦しいことは早く飛び込めば 早く抜けられる 早いうちに痛い目に合うことは幸福とも言えます

「若いうちは修行だ」などと言われることも多いと思います

修業とは特別なことではなく なんでもない日常の行動に心を込めることです

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人生は自分が当事者であるということ

 行動することにより 失敗 損失 が大きい場合もあります

「良かれと思って転職して失敗した」

「儲かると思って投資して大きな損失を出した」

「間違いない作戦だと思ったけど業績を落とした」

勇気をもって行動することは精神として「美しい」と評価されても 現実的に幸福に直結するとは限りません

それでも私たちが行動を起こすのはその行動が幸福につながると信じているからです

日本マクドナルド創始者 藤田田さんは

傍観者ではダメである

どんな仕事でも 当事者になることが肝心である

と言いますが 全くその通りです

自分の人生は自分が当事者であるということです